イーハトーブの幽霊
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
イーハトーブの幽霊の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
イーハトーブの幽霊の総合評価:
8.29/10点 レビュー 7件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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私は宮沢賢治をまったく読んでないのですが、賢治は面白い人ですね。自分の故郷である岩手県の北上川の岸辺を「イギリス海岸」、自分にとっての理想郷を「イーハトーブ」。内田氏も作品中で「宮沢賢治は時代を50年近く進んだ人」「当時の社会には理解されなかった不遇の天才」と評価。そんな賢治の作品が本書では度々紹介され、賢治の作品の舞台で人が死んでいくんです。光彦だけは「事件の解明のカギは・・・宮沢賢治にあるのでは」と気づく。
本作は、ヒロインの登場無し。雪江未亡人とのコミカルな掛け合いなし。ですが、被害者が殺される直前の会話で「幽霊を見た」「まただよ」など、ホラー要素も加わり、本作の魅力を高めています。
光彦は、事件の被害者が殺される直前の会話・行動に着目し、事件の謎解きをしていくパターンが多い。「勘ですよ」「だが、他に手がかりがない以上は追いかけるしかない」。本作もこのパターン。警察がまったく見向きもしない情報に重要性を見出し、無能な警察のはるか上をいく。ここに爽快感がある。
地元警察との協力もシリーズの魅力の一つで、本作はやや異色ですね。捜査主任にのみ刑事局長の弟と知られるんですが、なぜか他の警察連中には伝えない。そのうえで、所轄の部長刑事・小林に「浅見さんに密着して行動し、浅見さんの指導を仰いで、捜査を進めてくれたまえ」と極秘に伝える。「身辺警護の必要もあるだろう」とも。
小林刑事は「何か分からないが、葛西警視(捜査主任)には不純な魂胆がありそうな気がするのだ」と、最後まで刑事局長の弟とバレませんでした(笑)。この展開はあまり見たことがないですね。葛西捜査主任はちゃっかりしており、その後も、捜査本部に光彦が現れるたびにヨイショしまくる。周囲の刑事連中は「???」。
いったん事件が解決したと思いきや、そこからまたひっくり返る。こういう難しい事件は、大抵は地元の無能警察がだらしなく、光彦自身がお兄さんに連絡し、なしをつけてもらうことがあります。
ですが、本作では、ヨイショ葛西捜査主任が全面的に光彦を信頼し、手足となり動いてくれるので、その点もサクサク進む。葛西捜査主任はエリートだけあり、他のぼんくら刑事連中よりかは頭がキレます。一方で、相棒役を務めた所轄の小林刑事は、事情が分からないものだから、いつも置いてけぼり感があり、そこがまた良い味を出している。