死者の木霊
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これがデビュー作とは思えない秀作。内田康夫ミステリーの原点に触れた思いでした。 | ||||
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すぐに送ってくれました。対応に満足です。 | ||||
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「浅見光彦のミステリー紀行」の中の一冊ではありますが、番外編とあるように、浅見以外の探偵役が活躍した作品を取り上げています。読者から「浅見シリーズばかりでなく、竹村や岡部警部物も紹介してほしい」という要望があったそうで、それらを番外編1と2に分けて解説しています。12の作品は、上記の目次にある通りです。 それぞれを書くことになったいきさつ、当時の心情、現地取材の話、ここまでは内田先生の執筆です。それから地図入りで現地への交通機関、観光名所、名物料理やお土産などなど。1995年当時のものなので、特に交通に関してはだいぶ事情が変わっているのであまり参考になりません。が、「ああ、この頃、まだここには新幹線が走っていなかったのか」など当時の事情がわかって作品理解の助けにはなります。そしてどの章にも推理小説研究家、山前譲氏の解説がついています。 読んでいくと、だいぶ前に初読した時のことが思い出されてきて再読したくなります。実際「萩原朔太郎の亡霊」や「明日香の皇子」、「倉敷殺人事件」などをまた読んでしまい、すっかり忘れていた内容を「こんな話だったのか」と2度楽しめています(苦笑)。内田作品ファンにはおすすめです。 | ||||
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内田ファンの私にとって大切な作品です。以前に購入した「死者の木霊」に続いて新装版を買いました、愛読しています。 | ||||
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今年2018年3月13日に惜しくもお亡くなりになった人気推理作家・内田康夫氏の記念すべきデビュー作です。誠に遺憾ながらこれまで私は著者の作品をほんの僅かしか読んで来ませんでしたが、ご逝去のニュースを機会にして積読(つんどく)状態にあった物を遅まきながらもこれからどんどん読んで行きたいと決意した次第です。手始めに読んだ本書は本当に素晴らしい傑作で、あの江戸川乱歩賞の落選作品だという事実が私にはとても信じられない気がしまして誠に運がなかったとしか言い様がないなと思いましたね。 信州の飯田市郊外の松川ダムでバラバラ死体が発見され、その後犯人と目される管理人夫婦の自殺死体が見つかった事で事件は解決とみなされて捜査本部は解散となる。しかし事件当初から捜査に携わって来た飯田署の武村巡査部長は事件に不自然な物を感じて、私費をつぎ込みながら執念で一人継続捜査に打ち込んで行くのだった。 本書は最初「霜崩の館」という題名だったらしいですが、改題後の「死者の木霊」の方が圧倒的に良いなと思いますね。著者の作品の題名は初期の頃だと終りに「殺人事件」と付くものがかなり多く、それに比べると本書のネーミングは相当に異質で何より何処となく詩的な風情を感じさせるのが良いと思いますね。題名の意味は特に作中で明確に説明されている訳でなく最後まで読んでも中々に難解ではありますが、私が思いますのには死者が残した物証が山彦の様に反響して刑事に手掛かりを与え犯人逮捕に導いてくれるといったイメージを想像しました。本書で扱われているトリック(第二及び第三の死に於ける)は人間心理の盲点を突いた素晴らしいものではありますが、けれども飛び切りの独創という訳でなくやや新味には欠けると言わざるを得ません。でもそのトリックが一際輝いて見えるのは犯人の手抜かり・見落としである物証の意味を的確に判断する武村巡査部長の執念の名推理があったからこそでしょうね。犯人側から見てもっと慎重にさえしておればこの2つの些細だが重要なミスは避けられたかとは思いますが、でもそれは決して言う程に容易くはなくむしろ武村巡査部長の注意深さと切れ味鋭い見事な着眼点を讃えるべきでしょう。唯犯人のこの見事な犯行計画の中で計算外なのは、「白鳥の死」と「第五の死者」の2つの章の展開で、これはあまりにも上手くお膳立てが整い過ぎている犯人側の不自然な幸運を感じてしまいましたね。でも一方で著者の作風で気に入ったのは、土地の詳細な描写が行き届いている点と全く事件と関係ない死体発見者の説明にまで心を配られている点、そして著者の趣味である俳句を作中に取り入れて謎の手掛かりを示すヒントにしている至れり尽くせりのサービス精神ですね。でもやはり本作の肝は何と言っても武村巡査部長の執念の名推理ですよね。周りの同僚達が全員同じ意見を持つ中で、自らの直感のみを信じて自腹を切ってまでとことん頑張りぬくなんて事は人間誰もがとても出来る事ではありません。もうこの精神力の強さには脱帽するしかないですし、彼の努力が報われてそれまで彼を冷遇して来た人間を説得する事に成功した瞬間のシーンには正直ほろりと涙を誘われましてとにかく理屈抜きに泣けましたね。また本書に登場する二人の対照的な女性について書きますと、「白鳥の死」の主役の女性はもう27歳と立派な大人なのですから現実と向き合って全てから逃げて欲しくなかったという残念無念な思いと、もう一人の武村巡査部長の妻・陽子さんの夫が辛い時には自分の虎の子の「へそくり」を気前よく差し出して決して弱音を吐かず不安も見せずに夫を信じて黙って助けるいわゆる「内助の功」には心からの感動を覚えましたね。尚、武村巡査部長のニックネーム「信濃のコロンボ」の理由は、あの「うちのかみさんが」という独特な尋問で犯人を油断させる本家の刑事コロンボとは全く関係なくて、みすぼらしい古ぼけたコートを着ている外観から名づけられたのだという事を最後に紹介しますね。 | ||||
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