Mの秘密 東京・京都513.6キロの間
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日本推理小説界の大御所・西村京太郎氏の2012年11月に刊行された511冊目の作品です。本書は著者お得意のトラベル・ミステリーではなく何とも珍しい日本の近代史を題材にした歴史ミステリーですね。唯、副題の「東京・京都五一三・六キロの間」というのが何となく鉄道を連想させますが、私としましてはあまり上手とは言えない、まるで取ってつけた様な代物に感じられまして、これに関してはふさわしい表現だとは思えず全く心に響きませんでしたね。 齢50歳になる推理作家の吉田は最近良い作品がさっぱり書けずに悩んでいたが、住まいを変えて気分一新しようと考え、高値の悪条件だったが東京郊外の古い洋館の購入に思い切って踏み切る。やがて幸運の女神が微笑んだのか、この屋敷を巡っての吉田茂とマッカーサーと女スパイの魅力的な物語が浮上し始めて、勇んで調査に掛かった途端に、屋敷を仲介した不動産会社の社員が殺されたとの知らせが、十津川警部と亀井刑事の来訪によってもたらされるのだった。 本書は短編小説の素材に歴史ノンフィクションのような体裁を加えて膨らました感がありまして十津川警部の出番はほんのちょっとで非常に少ないですね。そしてやっぱり西村作品の法則と言える「素人の重要人物は最後にろくな事にならない」を今回もきっちりと証明する結果になっちゃいましたね。このラストは正直言いまして、私にとっては密かに恐れていた「こんな風にだけはなって欲しくなかった残念な結末」でしたね。冷静に考えたらこういう落とし方しか有り得ないのは自明の理かも知れませんが、それでも一縷の望みにすがって夢とロマンの世界に長く酔い痴れていたかったですね。でもやや疑問なのは、これだけの事実のみで果たしてベストセラーになるのだろうか?という半信半疑の思いでしたね。そして一番殺生に感じた点は、破られた日記に何が書かれていたのかの謎の答がバッサリと切られてしまった事ですね。確かにこの疑問に対する答は終盤になると完全に意味を失うのも事実ですが、著者には読み手を思わずアッと驚かせる、衝撃的で面白い裏話を用意して長く待たせ続けた大勢のファンの熱い期待に応えて欲しかったですね。もう本書の趣向を書いた以上は著者も二度と再び似た様なテーマの物語は書かれないでしょうけれど、もしも奇跡的に二度目があったならばもうちょっと捻りの効いたサプライズ・ストーリーを織り上げてぜひともリベンジして頂きたいなと切に願いますね。 | ||||
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十津川警部シリーズである必要があるのでしょうか?事件の推理小説としては期待外れでした。 | ||||
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