名探偵エルキュール・ポワロの許に、ABCと名乗る奇妙な犯人から殺人を予告する挑戦状が届けられる。

大阪湾にかかる港大橋の上で現金輸送車が襲われ、銀行員二人が射殺された。その翌日、事情聴取を受けた行員が自殺する。

毎日のように届く脅迫状に悩まされる川手庄太郎。身に憶えはないが捨て置くこともならず、民間探偵に調査を依頼する。

開店前がいいと思う。会員に私立探偵がいるんだが、もて余した事件を抱えたときにはちょくちょく相談に来ているらしいぜ。

伝道者ファルコナーの迫害により、故なき制裁で重傷を負った父。ただ耐え忍ぶ母。

ビリー・クリークモアが母から受け継いだのは、死者の魂を鎮める能力だった。だが、人々は彼に冷たく、疑いに満ちた目を向ける。

かつて、舞台で主演俳優が急死するなど不幸の続いた仮面劇場。そこでいま、再度結成された劇団が初公演を控えていた。

四月一日午前十一時半、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。

新宿の裏通りにある私立探偵事務所の椅子を壊しそうな巨漢の弁護士に「どうしたんだ、名探偵らしからぬ乱暴なことをいうじゃないか」と切り返されて、馬脚を露しかけた「わたし」はドッキリ。

刺殺された父は、盗まれた埋蔵金の地図の切れ端を固く握り締めていた。

失踪していた少女が他殺死体で発見された。

学長の私的なコレクションを収めた第三閲覧室で死体が発見される。

亡き妻に謝罪したい―引退した不動産業者・方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのは霊媒だった。

お前がいま手がけているのは、どんな事件だね?所在なさそうな父に訊かれて話した、写真うつりのよい女の一件。

秋にアフリカに渡り、春、欧州に戻るコウノトリがなぜ今年はかなりの数帰らなかったのか?調査に発つ直前、青年ルイは調査依頼主の無惨な死体を発見する。

A女学院のニシ・アズマ先生の許にちょっとした謎が持ち込まれる、あるいは先生自らが謎を見つけ出す。

幼少の頃に凄まじい幻視体験を持った日高環は、成長してフレスコ画の制作に携わるが、仕事場であった聖堂学園の礼拝堂が爆破され、さらに身近な人物の死に直面する。

代休というのに編集長命令で飛び出すグルメ・ガイド覆面調査員パ氏と愛犬ポムフリット。

独房からは信じがたい静寂が漂ってきた。獄内の静けさを残らず集めたより深い静謐が。

『ミミズクとオリーブ』に引き続き、作家とその妻、そして同郷の刑事が繰り広げる掛け合いの妙が、何とも言えない直木賞作家による安楽椅子探偵ものの第二弾。

肥満漢の弁護士が持ち込む仕事は「わたし」の生命線だから、蹴るわけにはいかない。

推理小説を読み、洋楽を聴き、テレビゲームに熱を上げもする。

第二次世界大戦下、イタリアの第一二七捕虜収容所でもくろまれた大脱走劇。

スウェーデン南部の海岸に、一艘のゴムボートが流れ着いた。

アルバイト先の助産院を解雇された陽奈は、急場を凌ぐために“ハローベイビー研究所”に就職するが、そこでは価値のないものばかりが消え失せる目的不明の盗難が続き、さらには十八年前を再現したかのような赤ちゃん置き去り騒ぎが起きた。

歯が弱い家系なのか、二人の兄は既に総入れ歯である。

この物語に、たとえ彼や彼女が登場しようとも、背後の主役は“穴”である。

古本屋で入手した本がどうも気になる、と推理作家の椿さん。

一人目は自販機業者、二人目は庭師…。お年寄りが優雅な老後を過ごす高級老人ホーム“海の上のカムデン”で連続殺人が発生。

ルイジアナ州デイボーン。姿を消したマロリーをさがし、彼女の故郷を訪れたチャールズは、子供を抱いた天使の石像を見て驚いた。

仏蘭西のポオと呼ばれ、ヴィリエ・ド・リラダン、モーパッサンの系譜に列なる作風で仏英の読書人を魅了した、短篇の名手モーリス・ルヴェル。

小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。

話半ばで目を閉じ、眠ってしまったかに見える父だが、油断はできない。

静かな湖を横切るようにのびた岬に、その家はたたずんでいる。円柱形の外観で、茶色のスレート屋根は円錐。

三人の妊婦が妻として登場した家で始まった本妻捜し。女子高生の出産騒動。

資産家の老婦人、マチルダ・ギレスピーは、血で濁った浴槽に横たわって死んでいた。

小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。

厳格な私立学校に進学したトムは、マジックに熱中する同級生デルと友達になった。

学年の終わりの夏休み、トムとデルは、デルの伯父に会うため田舎町へ列車の旅に出た。

ロンドンの富豪マギル卿は、息子の経営するベルファストの紡績工場へ行くと称して邸を出たまま消息をたってしまった。

和戸君一家に降って湧いた騒動を見事収拾、保住君の新学期は好調な滑り出し。

22時48分着の下りで浜松に降り23時29分発の上りで帰る、それを繰り返した女が一週間目に死体で発見された―。

この地からサルがいなくなったとき、英国人もいなくなる―古くから奇妙な言い伝えのある英領ジブラルタルで、サルたちを愛し任務に励むサル担当士官ティムと部下のラブジョイ。

「君が太りすぎであるのは逃れられない事実だ!」なんたることか。編集長命令は、ダイエットをかねたヘルスクラブ調査だった。

結婚を控えた姉が突如失踪、遠く九州からの一報を受けて阿蘇へ赴いた妹美知子は、自殺者が姉であると確認するに至る。

寄宿学校での舞踏会の夜、副校長の妻が殺された。暴行された形跡があったと聞いた教師たちは、一様に驚きを見せた。

かつては硬骨の刑事、今や恍惚の境に入りかけた父親に、現職刑事の息子が捜査中の事件を語ると、父親はたちまち真相を引き出す。

精神分析学者ベイジル・ウィリングは魅惑的な主演女優から公演初日に招かれた。だが劇場周辺では奇妙な出来事が相次ぐ。

精神の均衡を欠いている、としか思えない少女が、当代きっての人気推理作家を言葉巧みに誘い、自宅に監禁した。

深夜、人を轢いてしまったと、警察署に女性が飛び込んできた。死んだ男は泥酔して、道の真ん中で寝込んでしまったらしい。

遺された田舎の屋敷に十年間住み続けること。それが大伯父の莫大な遺産を相続する条件だった。

要人暗殺未遂の廉で逮捕され、苛酷な拷問を受けたわたしは、九死に一生を得て、からくも帰国する。

地蔵坊先生お気に入りのカクテル『さすらい人の夢』の二杯目が空く頃、物語は始まる。

ある日、偶然に見つけた思い出の少女の写真。

知り合いの編集者から霊能者と誤解された結果、ある少年の失踪調査をその母親から依頼された女性推理作家の「私」。

マンハッタンの建設現場で工具が頻繁に消え、さらにはクレーンの操作係が失踪する。

愛称マルコ、マタイ、ルカの、それぞれ専門の異なる若く個性的な歴史学者と元刑事が、ともに暮らすパリのボロ館。

1927年。サム・ホーソーンが、ノースモントに診療所を構えて五年の歳月が過ぎた。

一枚のCDから突然黒い天使が現れた!?カルト的な人気を誇るアメリカのロックバンド“テリブル・スタンダード”のファーストアルバム、その中ほどに収録されているインストゥルメンタルの「ブラック・エンジェル」が流れた時、いきなりそいつが現れて、マイナーロック研究会

誕生日のたびに繰り返し見る悪夢。そこにいつも現れては、見ず知らずの人々を惨殺していく黒衣の男。

母が最期のときに告げた父の名。もう一人の「ぼく」との邂逅。

長年の趣味が昂じてジグソーパズル連盟の日本支部長を務めるまでになった興津華子。

開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。

ロンドンの住宅街の一角で、浮浪者が餓死しているのが発見された。

誰彼なしに顎でつかい、お高くとまった言動は数知れず。

シャーロック・ホームズを読みながら三つ星ホテル・レストランで休暇を過ごす元刑事でグルメ・ガイド覆面調査員のパンプルムース氏と、「犬立入禁止」の規定で不機嫌の極にある元警察犬ポムフリットが国家規模の一大事に巻き込まれた。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

倦怠と悔恨の中に結婚生活を送っている世の男性諸氏に伝授する、手軽で確実な解決法「離婚学入門」、推理小説ファンであるあなたに、最後の密室をお目にかけたい「密室学入門」―名手が贈る軽妙な連作『粋理学入門』、中編代表作「判事よ自らを裁け」等、巨星の傑作中短編を収

ヨークシャーの荒れ野で農場をいとなむキャロルの前に謎めいた男が現れた。

脳腫瘍であと半年足らずの命と診断された脚本家リチャードは、旅の途中、サンディエゴのホテル・デル・コロナードでひとりの女性を目にする。

このミステリの犯人は天使です。しかし探偵役もまた天使が務めます。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

出所して間もない手許不如意のひだるさに、島津亮彦は身なりを繕って花見客さざめく多武の山公園へ。

豆博物館の館長が殺された。凶器は博物館に展示されていた骨董品のデリンジャー。

元刑事のグルメ・ガイドブック覆面調査員パンプルムース氏と元警察犬ポムフリットの今回の任務は、編集長の叔母さんが経営するさえないゼロ星ホテル・レストランのたてなおし作戦。

前巻『とむらい機関車』と共に、戦前探偵文壇に得難い光芒を遺した〈新青年〉切っての本格派、大阪圭吉のベストコレクション。

空の英雄と讃えられる伝説的な飛行士、ファーガス・オブライエンの元に、復讐を誓う脅迫状が届いた。殺害予告の日はクリスマス。

人工授精をテーマに、動機のない殺人事件の謎を扱った『不安な産声』。

人工授精をテーマに、動機のない殺人事件の謎を扱った『不安な産声』。

二年三カ月ばかり食らい込んで出所したおれは、保護司の娘に一目惚れ。

無断借用のフォルクスワーゲンを乗り回す四人組と古色蒼然たるフォードの主が路上に倒れた女を見つけ、知った顔だと連れ帰ったのが運の尽き。

謎のアイドル“ドミノ”を捜して、狂躁の夏に翻弄される羽目に陥ったプロデューサーの「おれ」。

深夜、ロンドンの街角でエンフィールド青年は奇怪な光景を目撃する。

探偵作家ハリエットは醜聞の年月を経て、母校オクスフォードの学寮祭に出席した。

画廊で殺されたアーティストの胸には、1枚のカードがタイトルのように「死」と告げていた。

憑かれたように描き続け、やがて自殺を遂げた画家・東条寺桂。

高学歴、高収入、おまけに長身。絵に描いたような三高の彼氏に言い寄られ、めでたく結婚と相成ったわたし。

精神病院に収容され、9年後の今退院を認められた婦女暴行殺人犯エリオット。

ホックといえば、誰もが、個性的な名探偵たちを思い出すことだろう。

権威あるグルメ・ガイドブックの覆面調査員パンプルムース氏は、元パリ警視庁刑事。

流感が猛威をふるう町に中傷の手紙がばらまかれ、切り裂き犯も老女を襲う。

自己破壊衝動に駆られる危うい精神状態の男の物語「落ちる」、万年平行員のささやかな逆襲「ある脅迫」、完全犯罪かと思われた事件の皮肉な露顕「笑う男」―第四十回直木賞を受けた三編のほか、囚われの身となった老人の視点でユーモラスに描く「私は死んでいる」や、青少年期

東京地検の検事、千草泰輔の許を訪ねてきた出版部長の妻の失踪事件に端を発し、連続殺人へと発展する『赤の組曲』。

東京地検の検事、千草泰輔の許を訪ねてきた出版部長の妻の失踪事件に端を発し、連続殺人へと発展する『赤の組曲』。

過去に未解決の殺人事件が存在したかもしれない。あたしたちはその謎を解くヒントを手にしているのかもしれない。

マロリーが殺された?部下の報告で検視局に駆けつけたライカーが見たのは、彼女のブレザーを着た別人だった。

深夜、病院の新生児室から赤ん坊が消えた。奇しくも、最初に異状を知らせたのはデッカーの娘。

弁護士事務所に出向を命じられた探偵社の「私」は勝ち味の薄い難件に直面、低予算と人員不足にあえぎつつ、いるとも思えない証人探しに奔走するが―表題作など九編を収録。

義父が殉職した。刑事マロリーは上司の命令を無視して単独捜査を始める。