(短編集)
嫁洗い池: ミミズクとオリーブ2
- ミミズクとオリーブ・シリーズ (3)
- 安楽椅子探偵 (187)
- 本格ミステリ (562)
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推理小説だと思って読んだらアホみたいなんだろうなぁ、と。犯人は直ぐ解っちゃうのでね。なにしろ現場で絡む登場人物が限定的なので、目星が付けやすいのだ。ただ動機と犯行手口はあとからわかる構成になっているから、途中で嫌気がさすことは無い。 そして、グータラ小説家の主人公と強面の友人刑事、家から一歩も出ずに事件の推理をする妻のやりとりが、面白くてどんどん読めてしまう。 郷土料理がならぶ食卓の風景も毎回楽しみ。いりこ好き、でべら好き、な主人公の好みにこちらも直ぐに同調してしまう。豆腐と野菜合え、混ぜ込みちらし寿司など、すぐにも食べたくなるような美味しそうな料理が毎回登場する。 作者が漱石にかなり影響されているんだろう、というのは読み始めて直ぐに感じたところ。この作者の若かりし時代は漱石無くして文学は語れなかった。まぁ当方も同年代、ということなのであります。 また友人刑事との遣り取りがテレビドラマ「相棒」をほうふつさせるのも意図してなのか?軽妙でとぼけた会話が楽しい。 何より好きなのはモワッとした作風ながら、 ちょいと文学的匂いが感じられるところ。多分作者もこのシリーズは楽しみながら書いたんじゃないかな、という気がする。もう郷土の味は書き尽くしたから、と終わりにして欲しくない。新たなユニークレギュラーの登場などで話を脹らませて、このシリーズもっと書き続けてもらいたい。 | ||||
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あいかわらず、素晴らしい名推理。警察官の河田さんと主人公のやりとりも、軽妙で面白く読める。 | ||||
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主人公は旦那さんで、その奥様が名探偵なのです。意識不明の男性が救出され、意識が戻ったら、自分は人を殺したという。言われたところに行ってみたら、本当に死体がある。だが、その男が犯人ではない。この難しい殺人事件を、在宅して家事をしながら解いてしまう奥様。彼女の頭脳明晰な快刀乱麻的推理の展開が、気持ちよく事件解決をします。この奥様の料理がまた素晴らしいので、1話読み終わるごとにおなかが空いてしまうという有様です。 | ||||
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刑事で旧友の河田が、いつもちょっとした事件の相談にやってくるわけですが、謎解きの面白さ以上に、河田と「ぼく」の間抜けなかけあいがほんとうに面白い。 それから、忘れちゃいけないのが、お話に出てくる食事のおいしそうなこと!「ぼく」の妻がビックリするくらい献身的なので、この部分については納得しがたいですが、ごはんがほんとうにおいしそう。 ドラマ化してほしいです! | ||||
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東京創元社お馴染み ? の安楽椅子探偵ものの連作短編集です。 ちなみに前作の 「 ミミズクとオリーブ 」 は読んでいません。 初めの4つは、本当に些細なもので、わざわざ民間人に相談する警察官の知性を疑います。 5つ目の 「 シンデレラの花 」 は若干、ミステリっぽいと感じましたが、 犯行そのものはお粗末で、やはり警察が解決できないようなものとは思えません。 最後の6作目の表題作は、犯行の手口に無理があるのと、 被疑者と目されていた人間の、昔の記憶 ( 「 嫁洗い池 」 に関する出来事 ) に纏わる話と事件に直接かかわりがないのはいただけません。 そのような部分は最初の作にもありますが、ミステリと関係ない話が多いのには閉口しました。 また、主人公がネガティブな考え方をする人間と感じ、友人の警察官が主人公の妻に馴れ馴れしすぎるのも、ちょっと……です。 そして、主人公の妻が夫の協力があったとしても、事件の真相に気付くのはうまくいきすぎに思えました。 文章は綺麗ですが、ミステリとしては弱いという印象を受け、男性キャラに好感を持てない作品でしたね。 | ||||
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