絵が殺した
- 白骨死体 (98)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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大阪府警シリーズの第6弾(文庫表4の解説による)。行方不明で事故死と思われていた日本画家の白骨死体が発見されたのをきっかけに、画商の世界の闇を暴き事件を解決するオーソドックスな警察ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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満足しています | ||||
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初めて黒川博行作品に接しました(じつはミステリ全般に門外漢です。通りすがり) いくつもの視点で読むことができてとても面白かったです。 一つはもちろんミステリ。 最後、あっとおどろく仕掛けがあり、まさかまさか犯人が××で、死者AとBとCと犯人が…(ネタバレ回避で書きません)…ミステリ自体、そんなに読まないので詳しくないし、トリックとかはもういい加減出尽くしているでしょうから、これもパターンとして他の作品にもあるのかもですが、ですが初心者の筆者は口あんぐり、ええっまさか犯人が××なんですかあ、と開いた口がふさがらないショックで読み終えました。 二つ目は日本画の世界を取材する、「業界もの小説」。 ・日本画はそもそも掛軸と額装の二つがあって、掛軸の場合、サインと落款、収める木箱に作家が題名名前を墨で書いた箱書きが必要なんや ・日本の美術家で、何人が作品だけで生活していると思います?せいぜい500人。そのうち画家は300人です。その300人に全国の画商が群がんるんだから、二流どころの画商にいい作品が行きわたる訳がない。市場を慢性的に欠乏状態におくことで、その300人の価格は安定し、株と似た投資機能を発揮させるんです ・純粋な鑑賞で絵を買う客はまずいないし、いたとしても、そういう客の欲しがる異色、異端、無名の絵を一流画廊は扱いません ・某画廊は××党××派の御用達。議員の袖の下に札束を放り込みたいとき、その画廊で超一流の日本画を買う。もろた議員は右から左に画廊に買い戻させて現金を手に入れる。世界市場に通用せん一千万クラスの日本画が存在するのは、そういう需要があることもひとつの理由やな。 細野不二彦「ギャラリーフェイク」はもっと清純なので(笑)こうした札束的な世界は書いてないし、陳舜臣「漢古印縁起」は贋作と真作にテーマを寄せた「骨董小説」でしたが、黒川文学はもっと生々しい事情を書いてて勉強になりました。 三つめはユーモア。 ・「ほう、その年でまだ立ちますか」「わしの45口径は六連発やで」「煙しか出んくせに」「あんたが女なら、すぐにでも撃って見せるのにな」「なんとおぞましい」 声を上げて笑ってしまった。 この種の(下ネタではない)ユーモアは全編を覆っていて、読んでいて噴き出す事いくたびか。 数十年ぶりに欧米ミステリを幾篇か読んでみて、書き方の違いに感慨無量でした。これは日本語小説の特徴かもですが、説明がけっこう省かれる。 設定にしても、大阪府警の組織とか、主人公の外部から見た履歴書的な説明、もうちょっとあった方がもっとグッと感情移入しやすかったし、地理的なところでは、舞台は京都・大阪ですが、筆者はこの地域、たまたま駐在してたことがあるので、ああ、あれか、あそこか、と土地勘が分りましたが、それが無ければそこらへんは飛ばし読みだったかもです。こういう点は英米ミステリの方が「まるで何も知識も理解力もないまっさらの他人に読ませてるのだ」という前提でちょこちょこ説明があるので、もうちよっと描写と解説を入れてくれれば、もっと深みを感じられたのになーと。 ですが、それを入れれば、十分、外国語に訳しても一本立ちできる実力ある作品だなあ、と思って読みました。 発表は1990年。読んだのは33年後。いまなお読んだらページをめくる手ももどかしい現役作でした。美術が好きな筆者、じつはタイトルで手に取ったのですが、美術ものが好きな方なら、ミステリに関わりなく楽しめる作品だと思います!(って、作者の予期してる本来の読み方と違うかも知れませんが) | ||||
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黒川氏の奥様は、日本画家と言うこともありこの小説の中でも美術界の裏側?までリアルに踏み込んで話が展開します。 美術ネタを展開するためなのか、容疑者に焦点が当たらないので、どうもどっぷりとはのめり込めませんでした。 美術界の裏側は、政界や財界に比べれば小さな世界かなと思います。エンターテイメント推理小説は、すごい悪か異常者が、登場しないと…。 | ||||
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小説・ストーリー自体は黒川氏のファンならば普通に面白く読めるもので、お勧めします。 文庫版あとがきも好きです。 出版順は、1990年頃単行本、2004年頃創元推理文庫版、2020年角川文庫版です。 角川文庫版にはテレビドラマのプロデューサーが解説?を書いています。これが、ドラマの宣伝が入った読書感想文的なもので、蛇足としか言いようがない。作品の価値を貶めています。 紙・文庫版の購入を検討されている方は創元推理文庫版を買うべきと思います。 | ||||
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黒川さんの作品は、登場人物が多くて、話の筋がややこしい特徴がある。この作品もそうです。なかなか入っていけなかった。 | ||||
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