絵が殺した

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種別
長編
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あらすじ

2004年09月28日 絵が殺した (創元推理文庫)

竹の子採りの主婦が発見した白骨死体。身元の確認は難航するかに思われたが、丹後半島の岬の上で消息の絶えていた日本画家とあっさり判明した。背後には過去の贋作事件と贋作グループの存在が見え隠れし、第二、第三の殺人が発生。“ブンと総長”に代わって、名脇役・吉永誠一刑事の活躍を描いたシリーズ第六弾。怪しげな美術ブローカーも登場し、彼とともに事件を追う異色作。(「BOOK」データベースより)

評判

絵が殺したの評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

絵が殺したの総合評価:

8.20/10点 レビュー 15件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

大阪府警も真っ当な捜査ができるんだ!

大阪府警シリーズの第6弾(文庫表4の解説による)。行方不明で事故死と思われていた日本画家の白骨死体が発見されたのをきっかけに、画商の世界の闇を暴き事件を解決するオーソドックスな警察ミステリーである。
丹後半島で行方不明になったはずの日本画家の白骨死体が富田林で発見された。大阪府警捜査一課深町班が担当になり、ハンサムコップこと吉永刑事は頼りない新人刑事・小沢と組み、被害者の背後関係を洗うことになった。まったく知識のない画商、画廊、美術ジャーナリストの世界を訪ね歩く二人は様々な壁に突き当たるのだが、やがて贋作づくりが絡んでいるらしいことをつかむ。ところが、事件の全体像が見えないうちに、関係者の一人が能登半島で死んでいるのが発見され、青酸カリ自殺と思われた。が、自殺説に違和感を持った吉永は粘り強い聞き込み捜査を続け、ついに犯人を特定したと確信したのだが、状況証拠ばかりで決定的な物証をつかむことができなかった・・・。
犯行動機の解明、アリバイ崩しなどオーソドックスな謎解きが中心になっており、正統派の警察ミステリーと言える。もちろん、シリーズの大きな魅力である大阪弁でのやり取り、とぼけたエピソードもたっぷりで安定した面白さは失われていない。さらに著者が得意とする美術関係の裏話が満載で飽きさせない。
大阪府警シリーズのファンはもちろん、警察ミステリーのファンには絶対のおススメである。

iisan
927253Y1

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.14
(4pt)

満足

満足しています
絵が殺した (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 絵が殺した (創元推理文庫)より
4488442064
No.13
(4pt)

満足

満足しています
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4198900876
No.12
(4pt)

満足

満足しています
絵が殺した Amazon書評・レビュー: 絵が殺したより
419124213X
No.11
(4pt)

世にも珍しい犯人が××…というミステリ(ネタバレ回避)

初めて黒川博行作品に接しました(じつはミステリ全般に門外漢です。通りすがり)
 いくつもの視点で読むことができてとても面白かったです。

 一つはもちろんミステリ。
 最後、あっとおどろく仕掛けがあり、まさかまさか犯人が××で、死者AとBとCと犯人が…(ネタバレ回避で書きません)…ミステリ自体、そんなに読まないので詳しくないし、トリックとかはもういい加減出尽くしているでしょうから、これもパターンとして他の作品にもあるのかもですが、ですが初心者の筆者は口あんぐり、ええっまさか犯人が××なんですかあ、と開いた口がふさがらないショックで読み終えました。
 
 二つ目は日本画の世界を取材する、「業界もの小説」。
 ・日本画はそもそも掛軸と額装の二つがあって、掛軸の場合、サインと落款、収める木箱に作家が題名名前を墨で書いた箱書きが必要なんや
 ・日本の美術家で、何人が作品だけで生活していると思います?せいぜい500人。そのうち画家は300人です。その300人に全国の画商が群がんるんだから、二流どころの画商にいい作品が行きわたる訳がない。市場を慢性的に欠乏状態におくことで、その300人の価格は安定し、株と似た投資機能を発揮させるんです
 ・純粋な鑑賞で絵を買う客はまずいないし、いたとしても、そういう客の欲しがる異色、異端、無名の絵を一流画廊は扱いません
 ・某画廊は××党××派の御用達。議員の袖の下に札束を放り込みたいとき、その画廊で超一流の日本画を買う。もろた議員は右から左に画廊に買い戻させて現金を手に入れる。世界市場に通用せん一千万クラスの日本画が存在するのは、そういう需要があることもひとつの理由やな。
 細野不二彦「ギャラリーフェイク」はもっと清純なので(笑)こうした札束的な世界は書いてないし、陳舜臣「漢古印縁起」は贋作と真作にテーマを寄せた「骨董小説」でしたが、黒川文学はもっと生々しい事情を書いてて勉強になりました。

 三つめはユーモア。
 ・「ほう、その年でまだ立ちますか」「わしの45口径は六連発やで」「煙しか出んくせに」「あんたが女なら、すぐにでも撃って見せるのにな」「なんとおぞましい」
 声を上げて笑ってしまった。
 この種の(下ネタではない)ユーモアは全編を覆っていて、読んでいて噴き出す事いくたびか。

 数十年ぶりに欧米ミステリを幾篇か読んでみて、書き方の違いに感慨無量でした。これは日本語小説の特徴かもですが、説明がけっこう省かれる。
 設定にしても、大阪府警の組織とか、主人公の外部から見た履歴書的な説明、もうちょっとあった方がもっとグッと感情移入しやすかったし、地理的なところでは、舞台は京都・大阪ですが、筆者はこの地域、たまたま駐在してたことがあるので、ああ、あれか、あそこか、と土地勘が分りましたが、それが無ければそこらへんは飛ばし読みだったかもです。こういう点は英米ミステリの方が「まるで何も知識も理解力もないまっさらの他人に読ませてるのだ」という前提でちょこちょこ説明があるので、もうちよっと描写と解説を入れてくれれば、もっと深みを感じられたのになーと。
 ですが、それを入れれば、十分、外国語に訳しても一本立ちできる実力ある作品だなあ、と思って読みました。

 発表は1990年。読んだのは33年後。いまなお読んだらページをめくる手ももどかしい現役作でした。美術が好きな筆者、じつはタイトルで手に取ったのですが、美術ものが好きな方なら、ミステリに関わりなく楽しめる作品だと思います!(って、作者の予期してる本来の読み方と違うかも知れませんが)
絵が殺した (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 絵が殺した (創元推理文庫)より
4488442064
No.10
(4pt)

世にも珍しい犯人が××…というミステリ(ネタバレ回避)

初めて黒川博行作品に接しました(じつはミステリ全般に門外漢です。通りすがり)
 いくつもの視点で読むことができてとても面白かったです。

 一つはもちろんミステリ。
 最後、あっとおどろく仕掛けがあり、まさかまさか犯人が××で、死者AとBとCと犯人が…(ネタバレ回避で書きません)…ミステリ自体、そんなに読まないので詳しくないし、トリックとかはもういい加減出尽くしているでしょうから、これもパターンとして他の作品にもあるのかもですが、ですが初心者の筆者は口あんぐり、ええっまさか犯人が××なんですかあ、と開いた口がふさがらないショックで読み終えました。
 
 二つ目は日本画の世界を取材する、「業界もの小説」。
 ・日本画はそもそも掛軸と額装の二つがあって、掛軸の場合、サインと落款、収める木箱に作家が題名名前を墨で書いた箱書きが必要なんや
 ・日本の美術家で、何人が作品だけで生活していると思います?せいぜい500人。そのうち画家は300人です。その300人に全国の画商が群がんるんだから、二流どころの画商にいい作品が行きわたる訳がない。市場を慢性的に欠乏状態におくことで、その300人の価格は安定し、株と似た投資機能を発揮させるんです
 ・純粋な鑑賞で絵を買う客はまずいないし、いたとしても、そういう客の欲しがる異色、異端、無名の絵を一流画廊は扱いません
 ・某画廊は××党××派の御用達。議員の袖の下に札束を放り込みたいとき、その画廊で超一流の日本画を買う。もろた議員は右から左に画廊に買い戻させて現金を手に入れる。世界市場に通用せん一千万クラスの日本画が存在するのは、そういう需要があることもひとつの理由やな。
 細野不二彦「ギャラリーフェイク」はもっと清純なので(笑)こうした札束的な世界は書いてないし、陳舜臣「漢古印縁起」は贋作と真作にテーマを寄せた「骨董小説」でしたが、黒川文学はもっと生々しい事情を書いてて勉強になりました。

 三つめはユーモア。
 ・「ほう、その年でまだ立ちますか」「わしの45口径は六連発やで」「煙しか出んくせに」「あんたが女なら、すぐにでも撃って見せるのにな」「なんとおぞましい」
 声を上げて笑ってしまった。
 この種の(下ネタではない)ユーモアは全編を覆っていて、読んでいて噴き出す事いくたびか。

 数十年ぶりに欧米ミステリを幾篇か読んでみて、書き方の違いに感慨無量でした。これは日本語小説の特徴かもですが、説明がけっこう省かれる。
 設定にしても、大阪府警の組織とか、主人公の外部から見た履歴書的な説明、もうちょっとあった方がもっとグッと感情移入しやすかったし、地理的なところでは、舞台は京都・大阪ですが、筆者はこの地域、たまたま駐在してたことがあるので、ああ、あれか、あそこか、と土地勘が分りましたが、それが無ければそこらへんは飛ばし読みだったかもです。こういう点は英米ミステリの方が「まるで何も知識も理解力もないまっさらの他人に読ませてるのだ」という前提でちょこちょこ説明があるので、もうちよっと描写と解説を入れてくれれば、もっと深みを感じられたのになーと。
 ですが、それを入れれば、十分、外国語に訳しても一本立ちできる実力ある作品だなあ、と思って読みました。

 発表は1990年。読んだのは33年後。いまなお読んだらページをめくる手ももどかしい現役作でした。美術が好きな筆者、じつはタイトルで手に取ったのですが、美術ものが好きな方なら、ミステリに関わりなく楽しめる作品だと思います!(って、作者の予期してる本来の読み方と違うかも知れませんが)
絵が殺した (徳間文庫) Amazon書評・レビュー: 絵が殺した (徳間文庫)より
4198900876

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