第一次世界大戦で父と兄弟を喪い、母とふたりで生きていくため屋敷の部屋を貸すことにしたフランシス。

リリアンの衝撃的な告白が、秘密の恋人たちの仲に変化をもたらすなか、ある夜ついに悲劇は起きる。人の死というかたちを取って。

期末試験直前でざわついた雰囲気の風ヶ丘高校。

大学生の花沢多摩子は書道が恋人の変わり者。祖母の部屋で古びた簪を見つけたその夜、春風と名乗る花魁の幽霊が現れる。

リンダ・ヴァランダー、まもなく30歳。

白鳥が燃やされる事件、子牛が焼き殺される事件。イースタの周辺では奇妙な事件が重なっていた。

CIA退官を四日後に控えたタリーは、その話を聞いた瞬間、耳を疑った。

銀座の文壇バー『ミューズ』の常連客、サンゴ先生こと辻堂珊瑚朗。

月刊EYES編集部の小高直海経由で、大森で発生した未解決殺人事件を調べ始めた柚木。

北国カーランディア。建国以来、魔法の才をもつカーランド人と、征服民アアランド人がなんとか平和に暮らしてきた。

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と 呼ばれた。

スコーグソー城を買い取った弁護士が、城で殺害された。

老獪な詐欺師、本心を明かさない伯爵家の人々、さらには被害者が若い頃に悲惨な交通事故の車に乗り合わせていたことが判明。

ミネソタ州ミネアポリスのこの町は、河沿いに多くの洞窟があることで有名だ。

生涯の伴侶を得て、幸せいっぱいのシャンディ教授をあらたな騒動が襲う。

印刷会社が存亡の機に立たされた。後援する女流書家が姿を消し、さらに、工場の社員に三件もの謎の病死が発生したのだ。

アメリカのブレード・リッジ。この丘陵には海から遠く離れた森の中に灯台があった。

稀代の魔術師が髑髏を模して改築した古城〝髑髏城〟。城主であった魔術師が走行中の列車から飛び出し、不審な死を遂げて十数年。

父の衝撃の発表から一週間。あの人がついに還ってくる。

敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。

イムラックの大修道院で大切に保管していた聖遺物が紛失。保管担当の修道士が失踪した。

歴史上のミステリーの新説で、豪華商品をゲットするのだ!扇ヶ谷姫之、朝比奈亜沙日、そして留学生アナスタシア・ベズグラヤは歴史好きの女子高生三人組。

ブレクは宇宙戦艦のAIであり、その人格を4000人の肉体に転写して共有する生体兵器“属躰”を操る存在だった。

ドイツでは、クリスマスに最も殺人が多い。

ものまね師事件が解決して数カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。

農業大学があることくらいが特徴の田舎町バラクラヴァに、今年もクリスマスがやってきた。

色覚障害者のサイト〈ランボー・クラブ〉。

将来を思い悩む女子高校生の莉世は、帰宅途中に大きな帽子を被った少年・丈と出会う。

有能だが変わり者の事件分析官アーベルと彼の助手となった、有能な女性刑事ハンナは、解体され、内臓を抜かれた死体が次々と見つかるという猟奇的な連続殺人事件の真相に挑む。

家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。

1941年初冬、第二次世界大戦下。

首のない死体。野獣に噛みさかれたような傷跡。

1924年、ニューヨークの警察署でタイピストとして働くローズの前に現れた、美しい黒髪を煌めかせ最新流行の高級な服に身を包んだ、新人タイピストのオダリー。

シャーロック・ホームズのもとに届いた暗号の手紙は、サセックス州の〈バールストン館〉のあるじに危険が迫っていることを告げていた。

問題も解答用紙も配ったというのに、生徒の誰ひとりとしてテストを解こうとしない。

母親と死別した坂崎莉実は，父親と二人暮らしの高校二年生。

雪嵐の中、オスロ発ベルゲン行きの列車が脱線、トンネルの壁に激突した。運転手は死亡、乗客は近くの古いホテルに避難した。

34年という短い生涯に於いて、「三田文学」の編集に携わって江藤淳らを世に送り出し、自作5編が芥川賞候補となるなど、純文学に大きな足跡を残す一方、「夏の葬列」をはじめとする〈親しい友人たち〉を「ヒッチコック・マガジン」に発表。

津上有騎、水瀬鮎子、長岡茉歩、そして葉原美雲―四人の女子高生の不安定な対立感情が極限に達したとき、ひとつの悲劇が起きた。

コマールで軍務についていたマイルズの従兄弟イワン・ヴォルパトリル大尉のもとを、機密保安庁職員が訪れた。

イワンが結婚したテユは、商売敵に商館を乗っ取られたジャクソン統一惑星の大豪の娘だった。花嫁とバラヤーに帰還したイワン。

電気風呂が売りの銭湯で起きた殺人の謎を描く、デビュー作の本格ミステリ「電気風呂の怪死事件」。

イギリスの田舎町を豪雨が襲った夜、舞踏会からの帰途にあった二人の男は、急カーブの続く難所で自動車事故に遭遇した。

青年ピアニストのアルトゥアは死んでから50年後の世界に蘇ってしまう。

善人だが刑事の才能はない主人ウィザースプーン警部補のため、こっそり事件を解決してきた家政婦ジェフリーズ夫人と屋敷の使用人たち。

「六甲山に小さな別荘があるんだ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。

「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとしないもの」のみを対象に、二万ドルの報酬でなんでも盗むプロの泥棒ニック・ヴェルヴェット。

山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。

鎌倉の豪邸に住む資産家・竹宮家の書庫から発見された、〈木蓮文書=マグノリア・ドキュメント〉。

浅木晴也は、奨学金とアルバイトで学費を払いながら大学に通う貧乏青年。

1944年6月、ノルマンディー上陸作戦が僕らの初陣だった。

御年88歳のメンフィス署の元殺人課刑事のバック・シャッツは、歩行器を手放せなくなっていた。

ニューヨーク・ブルックリンの書店を大叔母から相続した、三十代半ばのダーラ。その書店にはマスコットの黒猫がいた。

ミステリ史に残る最強探偵コンビ、バーニーと相棒犬チェット。

女の子は座席で眠っていた。途中駅での停車時間にホームに降りた母親を置いて、列車は出発してしまう。

科学知識を駆使したミステリを描いた、日本SFの先駆者・海野十三。

2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。

一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。

クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下室で、一人の男が殺された。

娘とゲストハウスを開業しようと買った築百年のお屋敷には、なんと前のオーナーの無愛想な女性と気弱な男の私立探偵の幽霊が憑りついていて……。

外海に流されようとしていた死体は地元出身の若い新聞記者だった。

１８４６年の真冬。ニューヨーク市警の警官ティムは兄の家で見つかった女性の死体を隠し、真犯人を追って捜査を開始する。

高さ１００メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、“会社”は建っていた。

親王誕生の祝宴に影を落とす、盗賊と呪符の謎。

とある屋敷で暮らす美しい姉妹のもとにやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた数々の陰湿で邪悪な事件。

転入生はロボット――。アシモフ・アプリケーションがインストールされているロボットは殺人事件に関与しているのか。

ウェールズ地方の牧歌的な農園で勃発した、奇怪な事件。二転三転する謎に挑む、チャッキー警部。

修行の旅を続ける毛利玄達だが、剣豪たちの遺した名所旧跡を訪れる度に、なんの腐れ縁か柳生十兵衛と出くわすことに。

すべての精神疾患が管理下に置かれた近未来、それでも人々は死を求めた。

眠るようにベッドに横たわる母と二人の幼い子ども。だが喉の傷と大量の血が、彼らが殺されたことを物語っていた。

世紀末ウィーンに生まれた貴族の血を引く双生児。

兵士として戦場へ赴くユリアンとその親友ツヴェンゲル。著名な映画監督となりながらも、ハリウッドを追われたゲオルク。

海外出張中の夫マックスの留守を預かるセーラのもとに、因縁深き美術館でまたも人死にが起きたとの報がはいる。

ビブリオバトルとは、本を通して人をつなぎ、人と知識をつなぐ知的ゲーム。

茜は跡継ぎ鷹丸の遊び相手として、豪商天鵺家の養女となる。

イケメン警部・音無美紀は、今日もぬいぐるみ片手に謎を解く。音無警部率いる個性派刑事たちに加え、あのお騒がせキャラも登場。

元プロゴルファーの殺害を震源に、複数の死者や行方不明者が周辺にいると判明して事件は多層化、松谷警部らを翻弄する。

飛び降り自殺に偽装された女性の死。その背後にはさまざまな事件と、二重三重に塗りかためられた嘘があった。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

江戸川乱歩の造語である“奇妙な味”は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。

平凡なサラリーマンの「ぼく」こと海老野が勤める会社の近所に、突如できた小さな美術館。

女子高生失踪事件をめぐる、探偵バーニーと最高の助手犬チェットのハードな日々。

雨交じりの風が吹く、十月のレイキャヴィク。北の湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。

手にした本に自分が登場したら？　しかもその本が、20年間にわたって隠し続けてきた秘密を暴露しようとする物語だったら？　発売前に25か国で出版が決定した驚異の新人登場。

20年以上続いた核戦争が終結したのち、人類は世界連邦政府を樹立し、重要事項の決定をコンピュータ“ヴァルカン3号”に委ねた。

メッツのクラブハウスボーイ（通称・クラビー）となった二人の青年が、チームのトラブルを解決する、人情味溢れる青春ミステリ。

満座のオークション会場でワインによる毒殺事件が発生。

殺人現場にぽつんと遺されていたぬいぐるみ。

昭和六十年代の札幌・ススキノ。やがて消えゆくバブルの時代、かりそめの街で敏腕黒服・黒頭が邂逅する五つの物語。

ロボズ・ノッドの町で凄惨な殺人事件が発生。

無類の善人だが捜査能力は皆無の警官である主人を助けるべく、家政婦ジェフリーズ夫人以下屋敷の使用人一同が秘かに探偵団を結成!?　ヴィクトリア朝痛快ミステリ新シリーズ。

幾重もの推理が読者を彼岸へと誘うアンチ・ミステリ「ノヴァーリスの引用」と、極限状態における少年たちの心理を緻密に描く「滝」。

安西検事の口から語られるロータスとの因縁。そして大怪盗の思惑が、高広と礼を巻き込んで交錯する。

未練を残して死ぬと、鬼となって水を濁す。その者を常世に送る宿命を背負った2人。

初恋の終わり、それは謎解きの始まり。

引退して息子に未踏峰への夢を託す登山家、動物をこよなく愛するペットショップ経営者――強固な意志をもって犯罪に至った2人を容赦なく追い詰める福家警部補。

「…殺してしまった」という父の呟き。疑いもしなかった、母の人生。

探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。独特の探偵術を駆使し、困難で不愉快な調査でも決して諦めない。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。