(短編集)
運のいい日
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ほんまビリーが好き。クズ……なのにマジでなんだコイツ。クセになる。怖い。冗談抜きで怖いのにクセになる男。スルメか? そんな男の捕まる前のストーリーが読める。まじ、ありがとう大好き。ビリークソニートなの?そんで殺人鬼の強姦魔?(カス)って思ってたから仕事してるの知れてマジで最高泣きました。しかも職業がはぁこりゃまた天才ってワケ✋ まじ読んで。絶対後悔しないし、読んだ人と語りたいよおれっち | ||||
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ジャスパー・デントシリーズの前日憚となる短編集。 特にネタバレはないのでシリーズの箸休めに読んでもいいかもしれないが、より余韻を味わいたいなら完結後がおすすめ。 ジャスパー・ハウイー・コニ―・タナ―を主人公にした話が収録されてるが、中編のタナ―を除いてはページ数の短い短編(ジャズは掌編といっても差し支えない)なのでさらっと読める。 友人と学校生活を送り、家族に囲まれ、平凡な日常を過ごしてるジャズたちの姿になんだか安心する。 そしてハウイーとコニ―がすごくいい子。 特にコニ―だが、人種の違いから来る劣等感(ほどいかない負い目)が、短いフレーズで的確に表現されているのに舌を巻く。 「だれも私の目を羨ましがらない。 だれも私の髪を羨ましがらない。」 長々と分量を費やさなくても、思春期のコニ―の寂しさを詰め込んだ、この二行にハッとさせられた。 ジャスパーが殺人鬼の息子だと知っても、彼を思い続ける芯の強さと聡明さには改めて惚れ直した。 ハウイーのハロウィンの話は終始スラップスティックなノリで、初体験にかける彼の試行錯誤が書かれているが、ラストシーンでは彼の抱えた運命の過酷さに感じ入る。 ジャズがハウイーの明るさに救われているのは真実だが、ハウイーの方も自分の病を知りながら特別扱いしないジャズの存在に救われ続けており、二人は対等な親友なのだなと痛感する。 最後はタナ―が主人公で、ロボズ・ノッドの保安官選挙と殺人事件の捜査が絡めて語られる。 妻に先立たれたタナ―の寂寥とした心情が、平易だが非情に巧みな比喩やエピソードに象徴されて印象深い(取り違えが伏線になってるのも上手い) 本編でもジャズの理解者にして助言者な頼れる大人として好印象を持ったが、この短編を読めば彼をもっと好きにならずにいられなくなる。 娑婆を闊歩していた頃のビリーの人となりも語られるが、不満を挙げるなら、ビリーを追い詰めたのがタナ―の綿密な推理や周到な捜査によるものでなく、ビリー自身の落ち度な点。 自己顕示欲に負けたビリーが勝手にボロを出して自壊した感じなので、もっとバリバリ捜査して、真相に近付いていくタナ―が見たかった。 | ||||
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世知辛い現代社会を象徴する様なシリアル・キラーがテーマの青春ミステリー三部作の主要キャラ四人の視点で描かれた全ての始まりの物語四編を収録する掌編短編集です。読んだ誰もが直ちに気づく事ですが三人の若者達が主役の三話と保安官G・ウィリアムの物語は並びが時系列順ではありません。まあ本当は表題作が冒頭に来て然るべきなのですが、それだと最後が尻すぼみで全く盛り上がらなくなるでしょうから止むを得ない所でしょうね。本書は三部作を読み終えた方へのオマケ的な作品集で、本番の物語に比べると複雑さは微塵もなくごくシンプルな内容ですのでどうしても物足りなさを感じてしまうでしょうけれど、お馴染みキャラ達と久し振りに再会して彼らの原点の人間性により深く迫れるという意味では誠に意義深いなと思いますし、勿論まだたくさんおられるだろう本編を未読の方々には三部作のプロローグ的な背景を理解する上での良きガイドブックになってくれる事でしょうね。 『将来なりたいもの』シリアル・キラーの父親ビリーが逮捕されてから3年が経つジャズに他所から来た黒人の少女コニーとの出会いという明るい兆しの変化が訪れる。普通の高校生とは違って異常極まりない壮絶な人生を歩んで来たジャズが気楽で無邪気そうな宿題のレポート・テーマ「将来なりたいもの」にさえもナーバスになりながら書いた答とは?メジャー・リーガーやロック・スターなどという華やかな職業では全くなくて夢も希望の欠片もないですが、彼の気持ちはよくわかりますしまあ無理もないでしょうね。 『ハロウィン・パーティ』血友病を患いながらも常に明るさを失わず女子の胸の谷間に憧れを抱き続けるジャズの唯一の友ハウイーが企みを秘めて故郷から離れた土地のハロウィン・パーティへと出掛けて行くのだが・・・・。実は仮装の下も同じ様な格好だったと言うのが如何にもハウイーらしくて、深く考えると痛ましい話で笑っちゃいけないのですが、でもやっぱり(きっと彼も美味しいと思っているでしょうし)笑っちゃいますね。決して自分を哀れんだりせずに何度でもトライするガッツがあれば何時かきっと夢は叶うでしょうね。 『仮面』ロボズ・ノッドに越して来た黒人の少女コニーはジャズと知り合って親しくなりデートを重ねるのだが、ある日突然ジャズがシリアル・キラーの息子だという事実を知らされるのだった。衝撃の事実を知ってもドン引きせずに自分の信念を変えないコニーは(多少は気の強さの所為もあるのでしょうけれど)本当に偉いと思いますね。最後のジャズの答の意味はちょっと難しいですが「仮面の下も俺は嘘偽りのない俺自身だ」という事なのかも知れませんね。 『運のいい日』架空の町ロボズ・ノッドの名前の由来から始まって妻を亡くした62歳の保安官G・ウィリアムが町で近代初となりそうな若い女の殺人事件に挑んで奇跡的な勝利を掴むまさにタイトルがぴったりと来る物語ですね。再び保安官の選挙に立候補したものの事件解決のメドが全く立たぬままで新人の若造に敗北を喫しそうな不利な状況下で苦悩するG・ウィリアムの心情が描かれ気の毒で胸が熱くなって人間ドラマの面では最高に素晴らしいのですが、でも一方でミステリー的に見るとあの「刑事コロンボ」みたいなきっちりとした鮮やかな名推理を期待していると残念ながら大きく裏切られるでしょう。けれどこれは著者が本当の意味でのミステリー作家ではなくて児童文学作家の方が本職ですので無理からぬ事で割り引いて考えるべきでしょうね。「驕れる者は久しからず」で油断していると何時かは年貢の納め時が来るという教訓をつくづく感じさせてくれる巧く出来た仕掛けのドラマでしたね。 最後の最後に私にとってシリーズの最大の謎はジャズが父の犯罪を知っていながらどうして何のアクションも起こさずにいたのか?特に三部作で見せた様な強い正義感の持ち主なのであれば当然の如く殺人をストップさせるべく何らかの行動に出て然るべきなのに、という点でしたが、結局は本書を読み終えた後もさっぱり解らずじまいでしたね。事件後のG・ウィリアムとジャズの対話もはっきりとは踏み込んで書かれておらずで、そこは微妙な所でどうやら曖昧にボカされたみたいなのがやや不満ではありますが、でもまあ著者はまだまだ若く今後が期待できますので(更なる成長を願いつつ)また新たな興味深い作品で楽しませてくれるだろうと信じて気長に待ちたいと思いますね。 | ||||
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