パリの骨



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    初公開日(参考)2016年07月
    分類

    長編小説

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    パリの骨 (創元推理文庫)

    2016年07月28日 パリの骨 (創元推理文庫)

    1929年パリ。探偵スタイヴサントは失踪したアメリカ人女性を捜していた。ピカソら名だたる芸術家と交流があり人気絶頂の写真家マン・レイのモデルだった彼女は、事件に巻き込まれたのか。警察は、犯罪的行為を繰り広げる奇抜な前衛芸術家の“芸術的表現としての殺人"を疑っていた。スタイヴサントは、世捨て人のように暮らし戦争の後遺症で“嘘を見抜く力"を得た友人ベネットの力を借りて、狂騒の都パリの闇へと踏み込んでいく。(「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (4pt)

    ロマンティック・ハードボイルド

    1929年、アメリカ人探偵ハリス・スタイヴサントがパリで消息を絶った若いアメリカ人女性の行方を探す。現地警察も絡み、彼は事件の核心に迫っていき、驚愕の事実に辿り着く。

    文章の流れで“驚愕”という言葉を使ったが、実際は予想通りという感。勿論作者も読者の裏をかこうと狙ったというよりは、初期の段階からいかなる犯罪が行われたか匂わせている。
    そのため意外性はなかったが、スタイヴサントが犯人を追い詰めその犯行を解明する際、犯行理論の説明が大雑把で、細かい検証がなされなかったのが非常に残念。彼が無理なら犯人が滔々と自分の犯行について語って欲しかったが、それもなし。ここら辺は作者の怠慢というと言葉がきついが、手抜きだ。

    しかし全体的に面白く読んだ。
    本書の魅力の一つは、1929年のパリという、時代設定及び舞台。
    第一次と第二次大戦の間で、1920年代“レ・ザネ・フォル(狂乱の時代)”末期。大恐慌の直前である。
    その時代の空気感が行間から漂い、芸術の都パリの内側の喧騒、狂乱ぶりが浮かび上がる。
    またマン・レイやモンパルナスのキキ等、実在の人物も登場。前者に対しては作者があまり良い印象を持っていないのではと推察。

    もう一つは主人公スタイヴサントそのものの魅力。彼は先の大戦で心に大きな傷を負い、以降、喪失感を抱え自堕落な生活を送っている。とはいえ、元は優秀な捜査官。探偵としての腕は確か。そしておそらく格好良くて、女性に非常にモテる。
    彼は捜査の過程で未だ彼の心を占めている元婚約者のセアラと再会。彼女自身も大戦で心身共に大きな打撃を受けた。現在別の男と婚約しているが、スタイヴサントが彼女を想い続けているように、彼女も彼を忘れられない。
    事件は彼女の雇い主、婚約者、兄をも絡んでいく。
    最終的に二人が出した答えは?

    本書の特色を一言で言うならばロマンチック・ハードボイルド。読後感は悪くなかった。
    出版社には本シリーズの前作の翻訳及び書籍化を、著者には次作の執筆を望む。
    パリの骨 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:パリの骨 (創元推理文庫)より
    4488149111
    No.2:
    (5pt)

    早く着きました

    思った通り、面白かったです。
    シャーロックホームズものとはまた違って、良かったです。
    パリの骨 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:パリの骨 (創元推理文庫)より
    4488149111
    No.1:
    (4pt)

    1929年9月のパリに大きな魅力を感じました。

    アメリカ人の私立探偵が行方不明の若い女性を探すというメインストーリーは、『ウィチャリー家の女』を思い出す。ほかにも少し違っているだけのハードボイルドの作品があるだろう。しかも、主人公のハリス・スタイヴサントは女にだらしがないし(行方不明となった女性ともかかわりがあった)、ハリスの過去の恋人が、しかも婚約者付きで登場するのだから、オーソドックスな展開である。また、犯行の動機には少々辟易とさせられるし、驚くようなトリックもない。純粋にミステリーだけとしてみれば、★3つが妥当ではないかと思う。

    ただし、本書には別の魅力がある。それは1929年9月のパリが舞台であること。だから、当時パリを闊歩していた芸術家が数多く登場する。ストーリー上でも大きな役割を果たすマン・レイとリー・ミラー、モンパルナスのキキに加え、シルヴィア・ビーチやナタリー・バーネイといった少々渋い人たちも登場する。ほかにも、フルネームではないけど大物デザイナーも登場するし、ほぼ名前だけだがピカソ、フジタ、ヘミングウェイなど。ディディ・モローの箱はジョゼフ・コーネルの箱を思い出させる(コーネルは時代も違うし、二人が作った箱は、全く正反対のようだが)。ただ、物語の登場人物が幾度となく語っているように、当時のパリはこの少し前までとは違ってきている。第一次世界大戦後(本書の中では、当然だが“大戦”としか表記されない)、多くのアメリカ人が強くなったドルを背景にパリに押し寄せていたのだが、芸術家たちにしても、“夢”を求めた若者たちにも、その姿に“没落”の予感が漂う。物語が終わる9月24日の一か月後の大恐慌を予感させるようだ。バレエ・リュスひいきの私は、同団のピークである1910年代のパリの方が好きだが、それでも“崩壊前夜”のこの時代のパリがまとう哀愁には、ある種の魅力を感じてしまう。

    なお、余談だが物語の設定時期を考慮すると、笠井潔氏の名前が浮かんできた。
    パリの骨 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:パリの骨 (創元推理文庫)より
    4488149111



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