テロ
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普通のミステリーと思って読み始めたのですが。 | ||||
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フェルディナント・フォン・シーラッハの新作は、読む者の倫理と遵法精神に問いかける問題提起である。作者が得意とする法廷劇ではあるが、これまでの作品のようなエンターテイメントではなく、ストレートに読者の判断を迫ってくる。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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テロリストが乗客乗員164人を乗せた航空機をハイジャック。7万人の大観衆で沸き上がるサッカースタジアム墜落を目論む。緊急発進した空軍パイロットは、究極の判断を迫られ、航空機を撃墜。果たして、パイロットは、大観衆をテロリストから救った英雄なのか、それとも何の罪もない乗客乗員を殺害した犯罪者なのか。 ハリウッド大作映画のような大がかりな飛行シーンが描かれているわけでもなく、登場人物の人間描写があるわけでもなく、ただ淡々と、法廷内でのやり取りが繰り返されていきます。 これは小説ではなく、法廷を舞台とした戯曲(脚本)。 にもかかわらず、今まさに自分が戦闘機の操縦桿を握りながら究極の判断を強いられているかのように、緊迫した空気がひしひしと伝わってきます。さらに、数少ない登場人物のセリフを通して、争点となった航空安全法に対する軍部の見解や司法裁判所の見解の相違、当日の危機管理部門の対応の様子など、事件を取り巻く情勢も明らかになっていきます。もはや問題は、1人のパイロットの判断の是非だけではなく、不測の危機と向き合うべきなのか、我々一人ひとりに問われているかのようにズシリと響きます。 グスタフ・モーラーの映画『THE GUILTY』も、電話のやり取りだけで、息もつかせぬほど緊迫した雰囲気を充満させていましたが、シーラッハの『テロ』も同様に、言葉の力で命の尊厳と正義というシリアスなテーマを投げかけてきます。 これは傑作! この戯曲に何を感じどう演じるか、本作を取り上げる劇団などがあれば是非舞台を観てみたいですね。 | ||||
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出だしから引き込まれる設定。いつでも発生しうるであろう事態を前に、読者は登場人物として有罪にするか無罪にするか常に考えさせられる。戯曲という形式に一瞬戸惑ったがまさに内容とピタリとはまっている。あっという間に読んでしまった。シーラッハという作家の能力に驚くばかりです。 | ||||
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トロッコ問題をテロに置き換えたものに思えるが、作者の意図は哲学上の課外授業をするものではないと思う。 コナンドラムを鑑賞する立場に身を置くのでは現状維持しか招来させない。学ぶことがあるとすれば、私自身が何かを決めて現実事象を待つことだと思う。その待ち方を語る作品が待たれる。 | ||||
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テロリストに乗っ取られた、乗客等164名を乗せた航空機。この航空機がサッカースタジアムに集まる7万人に突入する前に撃墜した空軍パイロット。彼を裁く裁判の行方を描く戯曲。上演時には、観客が参審員となり評決するよう、有罪/無罪の両方の判決が用意されている。 人間は尊厳ある存在ゆえその価値は比較できないのか、「大きな悪」を阻止するために「小さな悪」を犯してよいのか、法や憲法の基準は絶対的であるべきなのか、「超法規的緊急避難」は認められるべきなのかについて、芝居の観客は否応なく結論を出さなければならない。それは読者も同じだろう。ドキドキしながら読む。 雑誌『シャルリー・エブド』に「いままでどおり、可能なかぎりつづけてください」と訴えるスピーチを併録している。こちらのスピーチを読む限り、上の状況についての著者の見解は明らかのようにも思われる。むろんそれが「正解」ではないわけだが。はたして原書にもこのスピーチは収録されていたのだろうか? | ||||
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結末が2つあるということで、事前の印象としてはもっと予想もつかない展開を期待する気持ちもあったのだが、意外とストレートな法律議論で、どちらの立場に立つかをシンプルに問いかけられるものだった。判決が読まれたところで話が終わってしまうのも、少し物足りない。 とはいえ、これは戯曲なので、実際に劇場で投票(というのですかね?)をする観客は、真剣に考え、結果にドキドキする感覚を味わえるのだろう、まるで陪審員になったように。 | ||||
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