(短編集)
カールの降誕祭
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カールの降誕祭の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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「コリーニ事件」と「禁忌」の長編2作の間に書かれた3作品を収めた短編集である。「訳者あとがき」を含めても全93ページという薄さだが、3作品のいずれも強烈な個性を持っている上に、挿入されているタダジュンのイラストも効果的で、非常に強い印象を残す一冊になっている。 | ||||
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思ったより薄っぺらでありイラストの幼稚さとレイアウトの乱暴加減は読むに堪えない。 | ||||
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刑事事件専門の弁護士としての経験を生かし,多数の法廷劇を執筆してきたドイツの推理作家が描いた短編集。 スリリングな法廷劇の末に歴史上の悲劇が紐解かれる『コリーニ事件』とは異なり,シュールでブラックな3つの短編小説で構成されています。正確で精緻な表現,それでいてぜい肉をそぎ落とした無駄のない短文で綴られたストーリーは,機械的というか,無機質そのもの。しかし,それがかえって犯罪の狂気を引き立てており,ゾッとするほどシュールな空気を醸し出しています。 どうしてこんなことになってしまったのか? どこでどう道を誤ったのか? いや,実は正気と狂気はいつも紙一重で,人間は誰もがその隘路を微妙なバランスを保ちながら生きているのかも。もし,そのバランスが崩れたら,自分もこうなるかも・・・思わず背筋が寒くなりますが,日常の中に埋没した狂気が顕在化していく様を淡々と描いた作風に引き込まれ,一気に読み終えてしまいました。 『コリーニ事件』とは違った意味で,衝撃の傑作です。 | ||||
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他の作品同様面白いが、はっきりと結末を書かず登場人物の人生を細かく描写している | ||||
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「犯罪」「罪悪」から「カールの降誕祭」へ。「訳者あとがき」を 入れても93ページ。収録されているのは3作のみ。帯には以下が。 「パン屋の主人」 日本人女性に恋をしたパン職人が、"まともなパン屋"で なくなってしまった理由とは。 「ザイボルト」 規律を守り、公明正大だった裁判官に退職後おとずれた、 すさまじく数奇な人生の結末。 「カールの降誕祭」 十世紀から続く貴族「トーアベルク家」。クリスマスの 帰省中に息子が起こした哀しい惨劇。 一番スンナリ読めたのは「ザイボルト」かな。退職後の人生って 想像すると身につまされるような。ガラッと変わる、変えてしまう その後の人生が、すさまじく悲しい。 「パン屋の主人」恋をしたパン屋の主人は彼女へのプレゼントに 5層からなるタルトを長い時間をかけて精魂込めて作る。なのに・・・。 「俺のつくった最高のタルトだ」ひとかけ食べて、又ひとかけ・・・ 全部食べた・・・殺人しちゃった後に。黙々と食べる。 そう。パン屋の主人の夢は東京でケーキ屋を開くことだった。 日本人はケーキが好き。“黒い森のサクランボのケーキ”を作るのが得意な 主人の夢。この「黒い森の~~のケーキ」を検索すると、出てきました。 色々画像が。ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト地方の黒い森の特産品 さくらんぼをイメージした云々とありました。 レシピもたくさん載っておりました。ドイツ留学中に食べたとか・・・ へぇ有名なんだ。食べたいな。読みながらおもいました。 「カールの降誕祭」は「訳者あとがき」によるとハンス・ホルバインの 傑作「天使たち」を傍らにおいて鑑賞してほしいと記載されていたので、 この絵画を検索してみました。ロンドンのナショナルギャラリーに所蔵 されているそうです。小さな画像なのでよく見えないのではありますが、 「天使たち」は二人の男、フランス司教とフランス大使が描かれていて、 所謂肖像画と呼ばれるもののようですが、ただの肖像画ではないとのこと。 さまざまな謎が隠されているそうです。 楽譜、算術書、ドクロ・・・。主人公カールはカールの絵をかつて母親から 「所詮はクズ」と一蹴され絵から数字の世界へとその世界は変貌し、 カール自身が母親殺した後に呟くコトバの意味は・・・ 絵画技法から浮かび上がってくる・・・「所詮はクズ」。見事な展開で おわりとなりました。シーラッハってすごいな。 訳者「酒寄真一」も絵「タダジュン」も好きです。事実を事実として淡々とした 簡潔な訳はとても読みやすいです。イラストもたくさん入っていて、趣味悪いみたいな レビューもありましたが、そうはおもいませんでした。 シーラッハ、次は長編へとなるかしらん。 | ||||
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表題作の他、「パン屋の主人」及び「ザイボルト」の全3つの作品から構成される「犯罪」シリーズの第三弾の短編集。ただし、収録短編の個数が少なく、全体頁数も少ないという見掛け上の変化(ただし、表紙の装丁や内部のイラストには凝っている)以外に、「犯罪」、「罪悪」とは異なった趣きを感じた。 前二短編集では、実際に起こった「犯罪」を淡々と描き、人間の「罪と罰」について、(むしろ「犯罪」を起こしてしまった側の立場に立って)読者に問題提起するという体裁だったが、本作中の各短編は物語性が強い。そして、物語性が強い割には題材に新規性が乏しく、敢えて新しい短編集として発表する必然性を全く感じなかった。なお、「パン屋の主人」には日本人女性が重要な役柄として登場し、作者が日本に関心を持っている事を知った点が唯一の収穫である。 全体頁数が少ないという理由を差し引いても、読み応えという点で物足りない出来。「犯罪」、「罪悪」の出来が良かっただけに、期待外れに終わってしまった感がある。 | ||||
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