狂乱廿四孝
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北森鴻氏は多作のベテラン作家さんですが、まだ3作しか読んでいません。が、裏京都シリーズの「支那そば館の謎」と「ぶぶ漬け伝説の謎」が気に入ったのと、歌舞伎が好きなのでこちらを選んで読んでみました。 以前、やはり澤村田之助を取り上げた皆川博子作「花闇」を読んだことがあります。美貌でずば抜けた才能があるが、自分の芸のことしか興味がない、わがままで傲慢という田之助像は同じでした。違いは、こちらはミステリ仕立てになっていることです。 細かい史実はよく知らないので、河鍋狂斎の幽霊画や、菊五郎と権之助の幽霊画をめぐる諍いが実際にあったことなのかはわかりません。が、実在した人物をからませて、複雑な話によく仕上げたと思いました。 ただ、デビュー作らしい気負いも感じられて、特に、猿弥が田之助に顔に傷をつけられたにもかかわらず崇拝するのは納得がいかず、幽霊画の謎に関してもやや強引な印象を受けました。犯行の動機に関わることなので、このあたりは残念でした。 舞台はまだ江戸の面影濃い明治3年。江戸時代の方がはるかによかったと苦々しい思いを抱く人々と、新しい時代を歓迎する人々、またはそれに便乗しておのれの利益を図ろうとする人々で混沌とし、治安は悪化するばかり、東京駅の建築もまだこれからという帝都の様子が実感を持って描かれていて興味深かったです。 考えてみれば日本はいわば内戦直後だったわけで、街の雰囲気や人心が荒れていたのも無理ないでしょう。そんな中で時代を生き抜いていった芸の世界の人々が濃く描かれていました。歌舞伎や江戸絵画の好きな人には特におすすめです。 | ||||
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明治初期の歌舞伎界で起こった怪事件の顛末。 鮎川哲也賞受賞の長編表題作に加えて、原形になった短編(オール読物新人賞の最終選考候補作)を収録。 どちらも根っこのアイデアは同じなのですが、読み比べてみると……あれ? 短編の方が面白くないですか? 実在の登場人物に配慮(?)なさったのか、短編で濃厚に描かれていた歌舞伎界の闇の部分が、長編では後退してしまい、何とも締まらないものになってしまった印象なのですね。 短編は傑作、長編は佳作というのが筆者の感想であります。 長編にするか短編にするかの難しさと同時に、これほどの傑作でも受賞にいたらなかったのかと新人賞事情を考えさせられる一冊。 | ||||
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1995年に東京創元社から出た単行本に、未発表短篇「狂斎幽霊画考」を加えて文庫化したもの。 舞台は明治3年の守田座。病気で足を切断した名女形・澤村田之助の復帰公演にからみ、殺人やら放火やらが起こるというもの。『廿四孝』と河鍋狂斎の幽霊画がライトモチーフとなり、芸能誌・美術史好きにはたまらない一冊となっている。 澤村田之助、河鍋狂斎をはじめとして、河竹黙阿弥、仮名垣魯文、九代目市川団十郎など実在の人物の多数が登場する点も読みどころ。歌舞伎が江戸風から近代的なものへと変革する時期でもあり、興味が尽きない。 ミステリとしては、いまいちだろう。プロットはまあまあ良く出来ているが、トリックは予想できてしまうし、牽強付会な気もする。また、そもそも北森氏は長篇を書く力に欠けていると思う。本書は処女長篇だから仕方ない面もあるが、のちの作品を見ても…。ストーリーがスッキリしないし、長篇を支えるだけの「謎」が十分でない。 「狂斎幽霊画考」は、『狂乱廿四孝』の原型となったもの。かならず、あとから読むべし。こちらのがスッキリとまとまりが良いような気も…。 | ||||
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1995年に東京創元社から出た単行本に、未発表短篇「狂斎幽霊画考」を加えて文庫化したもの。 舞台は明治3年の守田座。病気で足を切断した名女形・澤村田之助の復帰公演にからみ、殺人やら放火やらが起こるというもの。『廿四孝』と河鍋狂斎の幽霊画がライトモチーフとなり、芸能誌・美術史好きにはたまらない一冊となっている。 澤村田之助、河鍋狂斎をはじめとして、河竹黙阿弥、仮名垣魯文、九代目市川団十郎など実在の人物の多数が登場する点も読みどころ。歌舞伎が江戸風から近代的なものへと変革する時期でもあり、興味が尽きない。 ミステリとしては、いまいちだろう。プロットはまあまあ良く出来ているが、トリックは予想できてしまうし、牽強付会な気もする。また、そもそも北森氏は長篇を書く力に欠けていると思う。本書は処女長篇だから仕方ない面もあるが、のちの作品を見ても…。ストーリーがスッキリしないし、長篇を支えるだけの「謎」が十分でない。 「狂斎幽霊画考」は、『狂乱廿四孝』の原型となったもの。かならず、あとから読むべし。こちらのがスッキリとまとまりが良いような気も…。 | ||||
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北森さんのデビュー長編と、その元になった短編の収められた一冊。北森さんには、美貌の民俗学者の蓮丈那智や、骨董商(旗師)の冬狐堂の活躍するシリーズがありますが、この作品にも、その萌芽のようなものが感じられ、ファンの人なら、楽しめる一冊になってると思います。が、後書きにも、書かれていますが、文章や、構成に、若さというか、甘さがあるため、作品を単独でみると、あまり高い評価は出来ない、というのが、正直なとこです。 | ||||
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