躯体上の翼
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
躯体上の翼の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
始まりは唐突,謎の単語や設定にも説明はなく,視点を入れ替えながら淡々と進み, 小さなやり取りにロマンスの香りを漂わせつつも,序盤は状況が掴みづらい印象です. ただ,最後まで説明らしい説明はないものの,節々から理解が広がっていくようで, その心地良さとともに,目の前のアクションやガジェットにも引き込まれていきます. また,激しい戦いが続けられる中,時系列を前後させながらいくつものドラマが描かれ, 保身や失脚,復讐など,本筋へと影響を与えるものもあり,こちらも楽しませてくれます. そして激闘の末に訪れる喜びと,それを一瞬で覆してしまうあまりに悲しい幕切れ. SFであり,アクションでもある物語は,長い孤独から解放される少女の物語でもあり, その最後には好みが分かれそうですが,ただ逢いたくて,言葉を交わしたいために戦い, それでも届けられなかった『一言』を思うと,どうしても胸が締め付けられてしまいます. とはいえ,そこにあったのは笑顔のはず…と考えたくなるのは思い込みが過ぎるでしょうか. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初、物語の設定がよくわからなかったので解説から先に読んだ。ネタバレのない良質な解説だったので、先に読んでも物語の面白さが損なわれることはなかった。その解説には『「躯体』とは、とうの昔に機能を失った炭素繊維素材の超高層都市群であり、そのうつろなさまが凄まじい。SFの源流であるゴシックロマンスはピクチャレスクな霊感源として壮麗な建築(とくに廃墟化したそれ)を好んだが、その未来版といったところだ。(中略)一方『翼』は主人公の員(エン)だ。彼女の造形もまたゴシックロマンスがめざした崇高美に達している。員は人間ではなく大企業《佐久間種苗》が造りだした存在であり、躯体の高層に住まい、地上の民からは『鴉女』と畏怖されている」(p290-291) SFをよく読む人からしたら、結構ありがちな設定なのかもしれないが、読まない人間からすると、最低でも上に書いた知識がないとなかなか作品の世界に入っていけないと思う。そもそも躯体ってなんやねん? といった感じ。躯体が建物の骨組みだということを知っていても、炭素繊維躯体って何? となってしまう。 物語は、戦闘用に開発された女性型人口生命の員が、互聯網上(ネット)でcyと名乗る男と出会い、友情が芽生えるのだが、〈共和国〉の攻撃によってcyの生命に危機がせまっていて、cyを守るために、主人公の員は〈共和国〉と戦うといったもので、〈共和国〉もまた科学技術の絶頂期から衰退し、黄昏ている。 主人公が女性型戦闘サイボーグということと、主人公とcyだけの関係性が、<共和国>によって危機的状況に陥いっていること、そして〈共和国〉自体も科学技術の維持とリソースの不足から緩慢に崩壊に向かっていることから、この物語をセカイ系に分類できると思うが、主人公の自意識がクールなのと世界観が重厚なので、大人でも読むに堪える作品になっている。主人公とその敵である道士の自意識がクールなのは、人間と違い科学技術によって生み出された生命体でありかつ千年以上も生きているからだろう。とても面白かった。物語の中盤を過ぎて表紙の黒猫がなんなのかがわかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の小説は結構好きで良く読んでいる。この作品では世界の設定やキャラクターの設定などは確かに面白く、途中も楽しく読めるのだが 結末でがっかりしてしまった。結局この作品で何を言いたいのかまるで分からない。起承転までは非常に面白いのだが、この結末では結がないのと一緒である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レビューをみて面白そうだと買って5ヶ月、数回ページを開くけど眠くなる。 ふりがなが無いと読めない漢字の名前がたくさん、面白くない。 しかし、ある夜テレビがなにも無いので、我慢して読む30Pを過ぎると一気読みの世界。 いろんな場面と登場人物がひとつになって、バトルシーンもいい感じです。 しかし最初の数ページのだるさと、昔のニューシネマの様な「死んでおしまい」みたいな終わり方は少し残念でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何と言っても「道仕」の設定とキャラクターが秀逸。「清」のキャラにも感心した。 技術が失われてしまった未来であるとか、巨大樹(素材が炭素繊維であれ、そう言っていいのではないか)のそびえる世界と言うのは、他でもあった気がするが、全体が戦闘の指揮をめぐる場面で構成されているのは読んだことがなかったので目新しかった。旗艦の艦橋だけを舞台とした数幕一場の演劇もできそうだ。 主人公・員とcyとの交流やその結末、主人公と艦隊・対狗衛仕や人狗との攻防ももちろん面白い設定ではあるのだが、道仕と高等師団長とのやりとりなど、深刻で緊迫していればいるほど、笑わせてくれる。狂言回しとしての道仕がいて、全体がすごく生きている作品だ。ちょっとシェイクスピアの作品を連想した。 最初は地味な始まり方だったので、もっとシステム的な攻防を描いているのかと思ったが、実際には肉を切り、骨を断つような戦闘シーンの連続だ。深夜アニメででも取り上げそうなSFである。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 6件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|