カムパネルラ
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宮沢賢治の”銀河鉄道の夜”が好きで、購入した。”雨ニモマケズ”に通じるものがあるカンパネルラの人物像は、私達にその生き方を考えさせられる。 | ||||
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普通のミステリーものかと思いきや、どんでん返しに次ぐどんでん返しの連続が凄まじい作品です。ディストピアならではの、殺伐とした終盤の雰囲気がまた魅力的です。そこから来る、終盤の展開には鳥肌がたちました。 | ||||
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「何度も改稿される『銀河鉄道の夜』の世界に僕は迷い込んだ」という文庫本の帯の文句が私の眼に飛び込んで来た。それだけで、私は購入を決めた。 山田正紀のSFによる宮沢賢治論のようなので、かなり難解になることは目に見えているのだけど、それもまた良し、48年に渡る賢治ファンとしては、山田正紀の「神狩り」を読んで44年、そんな簡単には負けないぞ!という気分だった。 賢治ファンならば知っていると思うが、『銀河鉄道の夜』は未完の作品である。しかも、第4次改稿まであり、3次から4次にかけて何故か大きな改稿がされている。謎はいくつもある。 (1)最も大切な場面のひとつ、ジョバンニが銀河鉄道に乗る場面の原稿が5枚も抜けている。 (2)物語の鍵を握ると思われる「天気輪の柱」の具体的な姿は、遂に明らかにされていない。 (3)3次稿において登場したブルカニロ博士も「黒い大きな帽子をかぶった青白い顔の痩せた大人」も、4次稿では何故かばっさりと削られた。 (4)4次稿において、カムパネルラのお父さんは「もう駄目です。落ちてから45分たちましたから」と言ったが、45分の根拠は何なのか?それと関連して、ジョバンニは何故かお母さんに「1時間半で帰ってくるよ」と告げている。それは何故か? (5)物語とは関係ないが、賢治の亡くなる前日に見知らぬ人が来て肥料の相談を長々とした。これが病状が急変した原因と言われているが、何故賢治はその人に応対したのか? 今や決して決定説は出てこない、これらの謎に対して、山田正紀は、メディア庁に支配されているパラレルワールド軍国未来社会から賢治を考える、という「補助線」を引いて取り組んだ。のだと思う。それは成功したか?私はしていないと思う。補助線が一本だったならば、お見事!となるのだが、もう時空が行ったり来たりで、全然スッキリしなかった。明かさないけれども、瑕疵が幾つもある。でも、山田正紀がそのように「推理をする根拠」には共感する。面白かった。 | ||||
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国家が主導する思想教育が覗き見えるジョバンニ…ではなく序盤に緊張のプロローグ. 具体的な時代までは語られないものの,遠い,もしくは近い未来の日本を描いた様子は, 苦々しさや苛立ち,また気持ちの悪さなど,何とも言えない複雑な感情が入り交じります. かと思えば,『宮沢賢治の没年にタイムトリップした俺が美少女JCと(略)』みたいな, 未来都市から始まる歴史改変ラノベ,アニメのような雰囲気となりこれまた困惑をします. とはいえ,史実や『銀河鉄道の夜』との接点や,逆にまるで異なる部分が見られはじめ, ミステリ風や,繰り返され,書き換えられる世界など,歴史改変ものにはありがちですが, その仕組みや背後の連中の思惑も含めて,思いのほかに軽めでわかりやすかったと思います. ただ,宮沢作品を読んだことがないため,歴史改変や終末世界の物語という印象が強く, カムパネルラとジョバンニの二人だけではなく,『風の又三郎』も大きく関わるのですが, それらの意図や彼らの心情には理解が及ばず,全てを楽しめなかったのはやはり残念でした. | ||||
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この本のテーマは、管理された近未来社会と宮澤賢治である。山田正紀が管理された近未来の社会を書いたのは物体Xの「見えない人間」や、不可思議アイランドの「自殺省」などであるが、いずれも短編であった。そのテーマでは今回初めて取り組んだ長編小説である。いずれにせよ重苦しい印象は否めない。 もう1つのテーマである宮沢賢治は、子供の頃偉人伝の本で読んだことはあり、屍人の時代の中の「少年の時代」でも宮沢賢治が出て来るが、今回は体制に利用される賢治を読んで辛さを感じた。私が銀河鉄道の夜を読んでいないせいだろうか、SFとしてではなく、文学として読み込んだためだろうか、私個人の評価は高くない。しかし、宮沢賢治を読み込んだ読者は評価が高いようだ。いずれにしても宮沢賢治を深掘りした小説としては貴重である。 この本とは外れるが、山田正紀の探偵、呪師霊太郎とは風の又三郎なのではないだろうかと考えさせられた。 | ||||
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