城。それは無為にして空虚なる巨大な骸。

ゲーセンで死んだ若い女性の遺体が、O医科大学法医学教室に運ばれる途中、警察のワゴン車の中から忽然と消え失せた。

満月の蒼白い光が、皓々と地面に降り注いでいる―― 右眼に藍玉（アクアマリン）のような淡い水色、左眼に紫水晶（アメジスト）のような濃い紫色の瞳をもつ石細工屋店主・風桜青紫（かざくらせいし）と、彼を慕う女子大生・鴇冬静流（ときとうしずる）。

蒼が11歳から20歳までに出合った四つの事件―初めてできたガールフレンドが抱える絶対他人に言えない秘密とは。

世界一周中の豪華客船ヒミコ号。

細工は完璧のはずだった…。映像や音声を駆使した画期的アリバイ工作の落とし穴。

階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた三人の青年。

世界の常識がひっくりかえっても美沙汰にすることができない大事件―二重三重に閉ざされた孤島の射撃場で、何人もの隊員が見守るなか、小銃が消え失せた!事態を完璧な秘密状態のまま解決するという難題に挑むのは防衛庁調査班の朝香二尉と相棒の野上三曹。

三重密室殺人と人体消失。寝台特急「あさかぜ」の個室で起こった、世にも怪奇な事件。

東京駅で射殺されたミス岡山の女子大生、楠ゆかり。

「堕天使、占星術、魔術、騙し絵、迷宮、愛死、弦楽」各部屋に悪魔的な意匠をちりばめた館で奏でられる殺人組曲。

腕利きの救命外科医・奈津川四郎が故郷・福井の地に降り立った瞬間、血と暴力の神話が渦巻く凄絶な血族物語が幕を開ける。

古離津島へようこそ。これから五日間、心理学研究のため無人島で精神的サバイバル生活が始まります。

真冬の雪浜家。

そのフロッピーには54個の文書ファイルが収められていた。

女子大のゼミ室から学生が消え、代わりに警備員の死体が。当の女子大生は屋上から逆さ吊りに。

孤島に住み、漂着物を集める女性に秘められた過去とは?パルプ・マガジンのコレクターの住処では何が起きた?謎の流浪の民族に出会った父親が抱いた恐怖とは?「人形の館の館」の中で密室はいかにして作られた?そんなマニアックなコレクターたちの恐怖と驚愕を集めた珠玉集。

「神の暗号だ!」消えた謎の美女と店で頻発する便器盗難事件。奇妙な出来事の想像を絶する接点(「IgE」)。

「日光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。

N大学医学部に通う大学生・小鳥遊練無は、構内で出会った西之園家の令嬢に誘われ、「ぶるぶる人形を追跡する会」に参加する。

九世紀、天台僧が唐から持ち帰ろうとした秘法とは。

白き怪物に襲われる来夢と耕平。人気シリーズ第3弾。

『ミステリィの館』へようこそ。もともと当ホテルは密室で死んだ作家・来木来人の館。

分身・時間移動・未来予知―密室やアリバイどころか、ミステリーの世界観そのものを破壊する諸要素が存在するのに、「論理的解決」は有り得るか!?超能力犯罪と対決するのは、三つ編みにリボンをつけた中学生にしか見えない美少女・神麻嗣子と、売れないミステリー作家・保科

「審判は終わった…にもかかわらず、凶手の姿は闇に包まれたままである!」。

逃げるヒロイン、守るヒーロー。逃げ切れるか、最後まで。

警視庁科学特捜班、通称STの百合根と赤城にロシア出張の命令が下った。ロシア連邦保安局との情報交換が任務だった。

中央アルプスの隠れ里を襲った嵐の一夜。

作家を志す六人の男女が集う「星の海チャットルーム」。

能登・モーゼの墓、青森・キリストの墓、四国の剣山、そして北アルプス…。これらはみな竹内文献に基づく日本の聖地である。

聖地で連続して発見された、若い女性四人の惨殺死体。身元を解き明かす鍵は、ある“愛の館”にあった。

四国八十八ケ所の取材中に知った十二年前の事件に、浅見光彦の胸は騒いだ。車の転落事故を装われ男女が谷底に消えたのだ。

三月ウサギに誘われ、宇佐見博士は目くるめく謎また謎の時空へ。

学園祭のコンサート会場に轟く雷鳴、暗闇の中でパニックに陥る学生たち。

ケア付きマンションを餌に、老人から金を騙し取っていた男が、三島市内で刺殺された。

十二世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のため、アリーと名乗る男を訪ねる。

葉月下旬、やたら元気な女子高生の身の上に、奇怪な事件が降りかかる。

航空ショーでアクロバット演技中のパイロットが撃たれ、死んだ。航空機は二人乗り。

東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と担任教師。

話は6年前。両親が旅行中の三姉妹にやっぱり事件が。

「メドゥサを見た」と書き残し、自らを石像に封じこめた作家の死。

「この街を、海にする。汚れきった街に本当の美しさを教えてやる。

比叡山の山奥に隠棲する白樫家は、一点に収斂する家系図を持つ“閉じられた一族”。

ひとりでにふえてゆく駄菓子屋のおかし。深夜、アーケード街をさまよう透明人間の足跡。

夏の終わりに目的地のない旅に出ようとした大学生能戸耕平は、無人駅で1人の少女と出会う。

不死身の竜は、誰に、なぜ、いかにして刺殺された!?『ブギーポップ』の上遠野浩平が挑む、ミステリーとファンタジーの二重奏。

純愛か裏切りか。結婚式当日の凌辱から、わたしとユウ君の物語は始まった。

雨の夜の正面衝突事故。運転していた島津群四郎は即死。

時計台の磔刑、気球の絞首刑、監禁した美女への拷問―異形の無差別復讐鬼“殺人喜劇王”の凶行はどこまでエスカレートするのか。

大音響を轟かせ、きらめきとともに落下した巨大なシャンデリアは、2人の人間を押しつぶした。

「夢の中の女に、殺される」―N放送のプロデューサは、20年以上前に死んだ恋人の夢に怯えていた。

推理小説家志望の氷川透は久々にバンド仲間と再会した。が、散会後に外で別れたはずのリーダーが地下鉄の駅構内で撲殺された。

「僕が死んだ時、居合わせた人間達を僕が生まれたあの島に向かわせてください」そう遺言を残し中学生が自殺した。

侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。

ヴェネツィアの小島に隠棲する未亡人に不吉な気配が忍び寄る。

「鬼の頭を切り落とし…」首なし死体に始まり、名門一族が次々と殺されていく。あたかも伝承されたわらべ唄の如く。

お遍路姿のまま、四国の海に溺死させられた会社会長とその愛人。

縁談が持ち込まれる度に、事件が発生するという奇妙な宿命の下に生まれた薄幸の名探偵、その名は垂里冴子。

法医学者は、『法』に仕える。何人にも偏らず、また屈せず、如何なるときにも中立を保ち、冷静にメスをふるわなければならない。

次々と惨殺されるシャーロキアン。

薔薇屋敷とも、月夜邸とも呼ばれる豪邸には奇妙な噂が囁かれていた。狼男が住んでいるというのだ。

八丈島沖に密やかに寄り添い浮かぶ月島と竹取島。

兵吾少年は奇妙な枡形の屋敷に住む老婆に助けられた。その夜、少年は窓から忍び入ろうとする鬼に出くわす。

うち捨てられた病院で起きた荒唐無稽な不可能犯罪―収容されていた院長の娘が密室で刺殺され、凶器の短剣も“三重の密室”から持ち出されていた。

「当ててごらん。これらの事件には、共通点がある」喫茶室で毒死した男。

黒鷲。不良債務者を地の果てまでも追う黒木の呼称だ。

戊辰戦争の傷跡がいまだ濃厚に残る「明詞時代」の東京で、ばらばらに斬殺された美女の死体が次々に発見された。

救いようのない八方塞がりの状況も、国際的な無理難題も、判断不能な怪現象も、全てを完全粉砕男。

アムステルダムに居ついたシナリオライターの卵・恭司は、彼の地で発生したバラバラ殺人事件の渦中に巻きこまれてゆく…。

大学構内で発生した連続殺人。被害者はみな男性で、腹を切り裂かれて殺されていた。

「偶然の集積は瞬間的に奇跡として時間の先端に現象する」!推理・歴史・官能・美学・哲学…。

避暑地に建つ私設博物館「人形の館」。

JDC(日本探偵倶楽部)本部ビルが爆破。それは犯罪オリンピック現象の開幕だった…。

「ひとを殺すことが、こんなにも、おもしろいとは思ってもみなかった」―能解匡緒の部下・奈蔵渉は、警察官でありながら、連続殺人鬼。

いよいよ、キッド・ピストルズが講談社ノベルス初登場!名探偵が活躍する「パラレル英国」で起こるのは、童謡がらみの連続変死に、「靴の館」の雪の密室、死んだはずの子供の誘拐に、「最後の偉大な執事」の謎、拘束具に身を包んだ娼婦の惨殺と五つの怪事件!全編に溢れる、本

東京都内で、毒物による変死が連続して発生。捜査に乗り出す、警視庁科学特捜班の五人のメンバーたち。

連続美少女殺人事件。死体ののどに突き立てられたハサミ。

帰省する途中、大学生の醍醐と夢摘は車中に脱走した子供が紛れ込んでいるのを発見した。

嗅覚が極度に発達した隻眼の男・阿川。彼は死んだ犬に付いていた匂いを、バーで出会った女に嗅いだ。

揺るぎ無いはずの「日常」が乱れる時、人の心の奥に潜む「闇」と直面する。精神の内からわき出る「妖怪」という名の怪異。

ゴシック様式の尖塔が天空を貫き屹立する、流氷館。

―それは何の変哲もない、ただの箱に見えた。幾分、湿った感触の、大きめの段ボール箱。

「侮辱され、ナイフで刺し殺してしまった…」その電話が、明京病院関係者を次々に襲った連続殺人事件の始まりだった。

それらは全く不可解な事故としか思えなかった。目撃していた人々も皆、口を揃えてそう言った。

闇の世界の支配者となるべく謀略を巡らせ、暴力とカネで禿鷹のごとく敵を食い尽し、のし上がっていく加賀篤。

七つの短編全てが読者への挑戦!周到極まりない殺人者の犯したたった一つの過ちとは?あるべき場所に死体がなかったのはなぜ?最有力容疑者を潔白であると探偵、信濃譲二はいうが?あらゆる角度から「推理小説」の醍醐味を味わってください。

坂田勇吉、二十八歳。東京生まれの東京育ち、食品会社の宣伝課勤務。

怪盗アルセーヌ・ルパンの淡い恋と冒険を描いた「ルパンの慈善」。アリバイ崩しの名探偵・鬼貫警部が活躍する「風邪の証言」。

ミステリ史上屈指の禁じ手!?が炸裂する表題作、「ペルシャ猫の謎」、名バイプレイヤー・森下刑事が主役となって名推理を披露する「赤い帽子」他、傑作ミステリ6編&ボーナス・トラックとして「猫と雨と助教授と」を収録。

「明邦大学・七福神の呪い」―大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた「呪い」を暴こうとする報いか!?ご存じ、桑原崇が膨大な知識を駆使し、誰も辿り着けなかった「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。

「野放しの不思議が集まる無法地帯」アパート阿漕荘の住人、保呂草探偵に奇妙な依頼が持ち込まれた。

「私は呪ってやる。

全編、これぞ本格推理!「あの男」がついに最前線へカムバック!!アヴァンギャルドな謎。アクロバテイックな推理。

時は、昭和三年十月。

影に閉ざされた館の露台で、老いた男は毒を盛られた。唯一の容疑者は彼の美しい妻、しかし物証はない。

人類絶滅!?ミステリ界に「恐怖の大王」降臨!いま最もラジカルな作家の決定打。

疾走するバスを止め、被害者を呼び出して殺した大胆な暗殺者。男はポルシェを駆り、トカレフで連続殺人を犯していく。

首無し死体となって発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で、何故か予告されていた。

死体の横に残された一編の詩は、死者のメッセージか―。定年の自由を得た男が謀る完全犯罪―。

賑やかな街の一角に、その店は存在する。燻べたような色の木の板、木の壁、木の天井。