夢・出逢い・魔性



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初公開日(参考)2000年05月
分類

長編小説

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夢・出逢い・魔性―You May Die in My Show (講談社文庫)

2003年07月15日 夢・出逢い・魔性―You May Die in My Show (講談社文庫)

20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に…。繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つ、Vシリーズ第4作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

夢・出逢い・魔性の総合評価:7.29/10点レビュー 21件。Bランク


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全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(7pt)

警察が捜査情報をダダ洩れするのはあまりに現実離れすぎるのだが

Vシリーズ4作目のテーマは夢。かつて結婚を約束した相手を交通事故でその女性の飼っていた愛犬と共に喪った放送会社のプロデューサ柳川の密室殺人事件がメインの謎である。

しかもその柳川は悪夢の中に出てくる女性に殺されたという実に不可解なシチュエーションである。その女性はかつて結婚を約束した女性で交通事故でその女性の愛犬と共に亡くしてしまう。しかしその女性が毎晩悪夢に登場しては自分を殺害し、さらには夢で登場する劇場に誘われ、実際にそこに行ってみると当の本人が踊っていることに驚愕するという非現実的な話が繰り広げられる。

また舞台がテレビ局というのも非日常的であり、一行が那古野を離れて東京で事件に携わるのも新味があり、なかなか面白い。彼らが宿泊するビジネスホテルの描写など何気ないところに妙にリアルな雰囲気があって、共感してしまう。

また彼らが訪れるN放送は駅が渋谷であることからNHKがモデルであるのは間違いなく、そこもかつて自分が訪れたことがあるだけに土地鑑や建物のイメージが出来たことでいつもより物語に没入できた。

しかし物語の展開にはかなり違和感を覚えた。特に事件に乗り出す警視庁の人間が紅子に色々と事件の内容を明かすことが実におかしい。紅子が人の警戒心を解く笑顔を武器に色々と話を聞くのだが、捜査上の秘密を素人にペラペラと話さないことは今では一般読者でも知っていることだろう。そこを作者は「紅子に対面すると男性は妙に素直になる傾向にある」と全く説得力のない答弁で逃げている。

更に事件の関係者であり最有力の容疑者である立花亜裕美が小鳥遊練無と共に車で建物から出るのを知っていながら見過ごしていることも実におかしい。普通ならば血眼になって2人の行方を捜すのではないか。そういう緊迫感が警察の口調からは感じられない。
この傾向はずっと続き、さらにエスカレートして紅子が望むままに事件関係者たちに逢わせたりと非現実的な昔の推理小説を読んでいるかのような錯覚を受ける。

それはそのまま踏襲され、警察一同集めての推理シーンまでもが演出されるのだが、その謎解きシーンはいつになく派手だ。なんとクイズ番組収録中に真相に辿り着いた紅子がそのまま犯人まで明かすのだ。そこから出演者、司会者、テレビスタッフ、そして刑事の前で紅子の推理が開陳される。

かつて川柳に「名探偵 みなを集めて さてと云い」というほど事件関係者を集めて推理を披露するのは本格ミステリでは定番なのだが、本書では実に聴衆の多い謎解きシーンとなった。番組出演者が32名だから、少なくとも50人近くはいることになる。またこのような場で推理を臆面もなく披露する紅子もらしいと云えば実にらしい。

しかし今回の物語は実にシンプルというか森氏にしては真っ当なミステリであった。小鳥遊練無が容疑者と失踪し、そしてそのために犯人に狙われるというツイストはあったものの、メインの殺人事件が本編の謎の中心であった構成は実に珍しい。なぜならば森ミステリではメインの事件よりもサブとなる謎の方に大きなサプライズがあるからだ。
例えば本書では保呂草の他に稲沢真澄という探偵が出てくる。このダブル探偵という設定ゆえに何かサプライズがあるのではないかと思っていたが、実に普通であった。いや実際は叙述トリックを色々仕掛けていたのだが、これに関しては後に述べよう。

そうそう、副産物として今回初めて瀬在丸紅子のイニシャルが明かされる。このシリーズがなぜVシリーズなのかが初めて明らかにされるのだ。

さて前述のとおり、本書には色々叙述トリックが仕掛けられていると書いたが、それは実に単純なものでいわゆる男女の錯覚である。小鳥遊練無という実に魅力的な女装趣味の男子が登場することでジェンダーの逆転がこのシリーズでは起きているのだが、それ以外にもこの性別の違いを利用した叙述トリックが本書では多い。

さて本書のタイトルは『封印再度 Who Inside』に次いで日本語と英語の読み方が同一のタイトルである。『夢・出逢い・魔性 You May Die In My Show』本書も同じく夢とショーで死ぬという趣向が一致しており、実に上手く感じるのだが、素直に『夢で逢いましょう』とした方が自然で作為を感じないと思うのだが。
しかしそれではいかにも普通であり、森氏独特の語感を味わえないため、やはり今の題名にした方がよかったのかもしれないのか。しかし『封印再度』とは異なり、あまりダブルミーニングの妙は本書では感じられなかった。確かに題名の通り夢とショーで殺されるという趣向は含まれているのだが、あまりインパクトがなかったように感じた。

しかし今回は阿漕荘メンバー東京出張編ということもあって紅子と犬猿の仲である祖父江七夏と元婚約者で刑事の林が登場しなかったこともあり、男女の痴情のもつれというドロドロした一面がなかったのがよかった。それ故に瀬在丸紅子、小鳥遊練無、香具山紫子、保呂草潤平たちの活躍に余計な騒音がなくて愉しめた。特に小鳥遊練無は大活躍である。ちなみに私の中の練無像は椿姫彩菜である。そして最後に美味しいところは瀬在丸紅子がかっさらっていく。
可哀想なのは香具山紫子だ。今回も三枚目に甘んじている。彼女が一番凡人であるがゆえにどうにか報われてほしいと思うのだが。

やはり西之園萌絵のいないシリーズの方が面白い。キャラもさらに魅力を増し、次を読むのが実に愉しみだ。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

夢で逢いましょう

いつもの森クオリティ。
ただ、犯人は分かりやすい。
及第点の7点。

かいん
AGLSXFF0
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

夢・出逢い・魔性の感想

タイトルといい、密室といい、森博嗣さんらしい作品。トリックは微妙でしたが、犯人特定のロジックはわりと好きです。エピローグの「人ほど、自分の皮膚を不安に感じる動物はいない。人は服を着る。そのうえ部屋に籠もる。家や城を築く。塀や城壁で取り囲む。さらには、村を作り、国を作る。そうして社会というシールドを構築し、常に、その綻びに目を光らせ、直し続けるのだ。」という文が印象的

ほっと
2XKXV6EI
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

夢・出逢い・魔性の感想

シリーズ第4弾。テレビ局を舞台にした連続殺人。真相も驚けた。

ジャム
RXFFIEA1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

Vシリーズの第4作目

タイトル「夢・出逢い・魔性」⇒「夢で逢いましょう」って捻りが足りないと思っていたが、「You May Die in My Show」というサブタイトルに驚いてしまった。

▼以下、ネタバレ感想

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izutti
N05IGXOE
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.16:
(5pt)

まあまあおもしろいかな?

このシリーズではこの本だけ読んでいなかったので買いました。 どなたかが書いていたのですが、私も「小鳥遊練無」が好きなので、買った甲斐があると思った1冊でした。
夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)より
406182127X
No.15:
(4pt)

テンポよく読めました。 ※ネタバレ若干あり

最初から最後まで一気にテンポよく読めました。
爽快感すらかんじます。

犯人は途中で推測でき(動機まではわかりませんでしたが)このあたりも気持ちよく読めたことに繋がっているのかも。
楽しめました。

---以下ネタバレ含みます。
1点だけ気になったのが、ある登場人物のこと。
当初、その人物の描写から女性だとすぐに思ったものの、
途中、保呂草氏がその人物について「彼」と振り返る部分があった。

その後もその人物が登場する度に女性を想起させる記述が多かったのだが、
先に「彼」と形容されていたために男性なんだろうと思い読み進めてしまった。
気になるので何度も先のページへと戻って ”やっぱり『彼』と書かれているなぁ” などと見返すことも。

ところが最後にその人物が女性だと紹介される。
ストーリーの本筋とはさして関係はないが、一体なんだったのだろう?
それだけが腑に落ちないままではあった。
夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)より
406182127X
No.14:
(4pt)

夢で逢いましょう(You may die in my show)

タイトルのトリプルミーニングが秀逸なVシリーズの3作目で、テレビの生放送のクイズ番組が事件の主なモチーフとなる。
ミステリーとしては例のごとく特にトリック的に突出したものはないが、テレビ局を舞台にしており、華やかな展開となっており、娯楽性が高く、ストレートに楽しめる一作になっている。
夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)より
406182127X
No.13:
(3pt)

社会に適合するということ

二十年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサーが事件に巻き込まれる。
個人の集合体である社会に適合していくには、装いながら生きていく必要性があるのでしょう。
「いずれにしても、人ほど、自分の皮膚を不安に感じる動物はいない。人は服を着る。そのうえ部屋に籠もる。家や城を築く。堀や城壁で取り囲む。さらには、村を作り、国を作る。そうして、社会というシールドを構築し、常に、その綻びに目を光らせ、直し続けるのだ。それが、人間という動物だろう。幾重にも及ぶかぶりものを一生脱がないまま、生きていこうとする」
夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)より
406182127X
No.12:
(2pt)

クオリティが落ちていく

Vシリーズを読み進めていますが、
多作のせいでしょうか・・・どんどんクオリティが落ちていきます。
キャラクターも暴走し始めている感じで、読後にガックリきました。
彼の「登場人物がこの文章を書いているのであって、彼は文章の素人だから、
つじつま合わなくてもしょうがない」的な言い訳感のあるコンセプトも、
どんどん鼻についてきます。
暇つぶしに読むにはいい作品でしょう。
夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)より
406182127X



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