六人の超音波科学者



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長編小説

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六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists (講談社文庫)

2004年11月16日 六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists (講談社文庫)

閉ざされた研究所 発見される死体 土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕(あこぎ)荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧(れいり)な論理。美しいロジック溢れる推理長編。(「BOOK」データベースより)




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六人の超音波科学者の総合評価:7.44/10点レビュー 16件。Bランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

6人の奇妙な面々

Vシリーズ7作目の舞台は奥深い山中にある怪しい研究所。しかもそこにアクセスする橋は何者かによって爆破され、電話線も断ち切られ、外部への連絡も遮断された状態となる、まさに陸の孤島物ミステリ。
更にその研究所の創設者は不治の病に侵され、仮面を被り、車椅子に乗ってそこにあるボタンでコミュニケーションを交わす老人と本格ミステリのガジェットに包まれた作品だ。
そして例によって例の如くそんな閉鎖された空間で起きる殺人事件にお馴染みの瀬在丸紅子と保呂草潤平、小鳥遊練無と香具山紫子の面々が挑む。

まず本書において小鳥遊練無が今回パーティに招待されるきっかけとなった纐纈老人との交流は短編集『地球儀のスライス』に収録された小鳥遊練無初登場作「気さくなお人形、19歳」に描かれている。直接的には纐纈老人とのエピソードは本書とは関係ないが、単なるイントロダクションだけでなく短編としてもまた小鳥遊練無の魅力を知る上でもいい短編なのでぜひ一読を勧める。

今回陸の孤島でありながらもなぜか陰惨さが募らず、常にドライな雰囲気なのはこれが森ミステリだからかもしれないが、舞台が一流の科学者の集まる研究所であり、みな自分の研究以外のことにあまり関心を持たない人物ばかりだからだ。同じ同僚でも死んでしまえばただの物とばかり、関心を寄せず、ただ自分の研究する時間を貰えれば刑事の云う通りに研究所の中に留まることを全く厭わない、いやむしろそれが日常である人々の集団。そして彼らの中で超音波という共通のテーマはあれど、それぞれ重なる研究はなく、とにかく研究が大好きな人々たちであるため、金や権力よりも研究ができる環境と時間と予算があれば欲しいものがないのだ。殺人事件なんかのために自分の貴重な時間が取られることを心底嫌う人々、つまりいわゆる一般的な欲求のために犯罪を起こすという動機がない連中というのが面白い。

面白いのだがしかし本書は今までのシリーズの中でもかなり重苦しい雰囲気を持っている。特に紅子たち一行に危難が及ぶところが珍しい。
捜査を共にした瀬在丸紅子と小鳥遊練無、そして祖父江七夏が何者かによって無響室に閉じ込め、睡眠ガスによって昏倒させられるのだ。しかもその上、小鳥遊練無命を奪われそうな危機に見舞われる。彼は人工呼吸で息を吹き返されなければならないほどの窮地に陥る。

また紅子が無響室に閉じ込められた時に幼き頃に愛犬を亡くした記憶を想起させ、打ち震えるところなんかもいつも超然とした彼女にしては実に珍しい光景だ。

そして第1の殺人の次に起こる第2の殺人は前出の仮面の車椅子老人こと土井博士が自室で首なし死体となって発見されるというショッキングな展開。しかもその死体にはさらに両手首が切断され持ち出されていた。

事件の陰惨さとは裏腹に自分たちの研究に没頭する科学者たちという古典的な設定の中に現代的なモチーフが持ち込まれた奇妙な雰囲気のミステリの真相はまたも鮮やかに紅子によって解き明かされる。

いつも思うことだが、真相を聞かされるとなぜこんな簡単なことに気付かなかったのかと思わされる。

また森ミステリ特有の事件のトリック以上のトリックが隠されている趣向は本書でも踏襲されている。
この隠れメッセージが今回一番驚いてしまった。これぞ森ミステリの醍醐味だろう。

今にして思えばこの土井超音波研究所はデビュー作で登場する真賀田研究所の原型だったのかもしれない。
共に自分たちの研究に没頭する科学者たちの楽園であるが、前者は相続という実に詰まらない問題でそれを手放さなければならなくなった砂上の楼閣であったのに対し、後者は大天才真賀田四季によって潤沢な資金によって支えられた理想の楽園となった。
超音波の分野で天才の名を恣にした土井博士は真賀田四季のプロトタイプだったと考えてもおかしくはないだろう。
なぜならプロローグで保呂草は次のように結んでいる。

未来は過去を映す鏡だ。
心配する者はいつか後悔するだろう。
自分が生まれ変わるなんて信じている奴にかぎって、ちっとも死なない。

もしかしたら土井博士は真賀田四季の前世かもしれない。そんな想像をして愉しむのもまた森ミステリの醍醐味の1つだろう。



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Tetchy
WHOKS60S
No.2:
(8pt)

六人の超音波科学者の感想

クローズドサークルで起こる事件と、首無し死体という本格らしい作品。さらに、中盤の緊張感のある雰囲気など大好物な内容。星と星を長い棒で繋いだらって話も面白かったし、研究所の平面図も素敵。一つ不満があるとすれば、文庫の解説が蛇足。最近の若者は…みたいなことが書かれていて場違いだと思います

ほっと
2XKXV6EI
No.1:
(6pt)

六人の超音波科学者の感想

シリーズ第7弾。研究所での殺人事件。個性的な六人の科学者たちが登場!

ジャム
RXFFIEA1
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No.13:
(4pt)

驚きました。

他の推理小説をあまり読んだことがないミステリー素人の意見ではありますが。
シリーズも後半にさしかかり、なされる犯行も、より精緻、よりトリッキーなものになりつつあります。
この作家さんは、推理小説界において、京極さんらとともに着実に、過去の小説家が作り上げた十戒だの二十則だのに縛られない新境地を開きつつあると思います。
ただ、おもったのが、文庫版のどこの馬の骨だかわからない落語家の解説、何が言いたいのかわかりませんし、最近の若者は・・というのは完全に場違いだから、いらないです。
六人の超音波科学者 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:六人の超音波科学者 (講談社ノベルス)より
4061822047
No.12:
(3pt)

絶対性

山中深くに位置する橋によってのみ外界と接する超音波研究所。隔絶された場所において、ある事件が生じる。
何かを成し遂げるために、他のものを犠牲にする。それは相対的な価値に基づいたものではなく、絶対的な価値といった曖昧性を孕んだものなのでしょう。その曖昧性が故に絶対性というものは成立するのかもしれません。「大切だからって、いったい何なのでしょうか?大切なものって、何が大切なのですか?大切に思うことが大切なのかしら?それとも、大切だと教えることが大切なの?」
六人の超音波科学者 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:六人の超音波科学者 (講談社ノベルス)より
4061822047
No.11:
(4pt)

森流ミステリの神髄はトリックにこだわらないこと.

Vシリーズの8作目。超音波科学者ということで音がキーになっています.ある山奥の研究所でおこる殺人事件。何となくデビュー作の「すべてがFになる」を彷彿とさせる事件でした.練られた計画でも、実験はには不特定因子がつきもの。そして、計画は破綻してゆく。殺人のトリックも、犯人も途中からわかってしまうのですが、これはそういう物語ですから
問題ありませんね.森流エンターテイメント。久しぶりに楽しめた作品でした.
六人の超音波科学者 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:六人の超音波科学者 (講談社ノベルス)より
4061822047
No.10:
(3pt)

面白いといえば面白いけれど

落語家・立川志らくさんが寄せられた「あとがき」のほうが本編より面白かったので☆3つです。
六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists (講談社文庫)より
4062749238
No.9:
(2pt)

広がらない

期待してたほど面白くなかった。
トリックは確かに凝った物だったけど、その他の部分も凝りすぎてた。建物の構造とか。
どうでも良い人物たくさん出てくるし。それは「犯人はこいつかも、いやこいつ?」っていう幅ではなくて、その他の人。
私はこの著者の小説初めてだったので、登場人物の名前も読みづらくって理解しづらかった。
だからあんまりイメージ沸かなくて「ふぅん」って終わった。
六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists (講談社文庫)より
4062749238



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