εに誓って



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初公開日(参考)2006年05月
分類

長編小説

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εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)

2009年11月13日 εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)

山吹早月と加部谷恵美が乗り込んだ中部国際空港行きの高速バスが、ジャックされてしまった。犯人グループからは都市部とバスに爆弾をしかけたという声明が出される。乗客名簿にあった「εに誓って」という団体客名は、「φは壊れたね」から続く事件と関係があるのか。西之園たちが見守る中、バスは疾走する。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

εに誓っての総合評価:6.96/10点レビュー 23件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

リアルタイムに事件に進行する本書の結末がモヤモヤなのはある意味リアル。

Gシリーズ4作目の本書ではそれまでの事件と違い、リアルタイムで進行する。なんと加部谷と山吹2人のメインキャラクターが那古野市への帰りのバスでバスジャックに遭ってしまうのだ。

本書はまさにそれだけの話と云っていいだろう。加部谷と山吹が巻き込まれたバスジャックを中心に外側では西之園萌絵と愛知県警の面々と国枝桃子を加えたグループ、探偵の赤柳と海月のコンビ、そしてたまたま東京に出張に行っていた犀川に警視庁の沓掛が接触し、このバスジャック事件の背景が語られる。

赤柳はGシリーズ2作目の『θは遊んでくれたよ』から一連のギリシャ文字に纏わる事件がネット上で若者向けに繰り広げられている布教活動のようなものを行っている集団が今回は「イプシロンに誓って」という奇妙な集団名の下、集められた人たちによってバスジャック事件が起こされたとの情報は得ていたようだ。

一方バスジャックの車中で山吹といる加部谷もなぜ自分たちがこうも事件に巻き込まれるのかを疑問に思い始める。
『φは壊れたね』というタイトルのついたビデオテープに纏わる殺人事件から始まり、「シータは遊んでくれたよ」というメールが関係する連続殺人事件、そして「τになるまで待って」というラジオドラマの聴者が殺される事件に出くわすこともあった。こうした一連の、1大学生たちがあまりに高すぎる頻度で殺人事件に遭遇することに疑問を持ち始める。
この件は正直面白いと思った。なぜならミステリのシリーズキャラクターというのは得てして他の一般人と比べても事件に遭遇する頻度は高くなるし、そうでないとシリーズとして成り立たないからだ。この不自然さについてシリーズキャラクターに疑問を持たせることが素直に面白い。

一方で犀川創平は警視庁の国家公安委員会に勤める沓掛という警部から協力を依頼される。それは今回のバスジャックと都内各所に仕掛けられた爆弾テロに真賀田四季が関わっている可能性があり、彼女のことをよく知っている犀川が適任だと判断したからだった。

ところでこのシリーズの中心人物の1人である海月及介はいつもは自身の推理を開陳するとき以外は無口かつ反応が薄いのが特徴なのだが、本書では赤柳と一緒にいる最中、やたらと雄弁と自身の考えを語るシーンがある。

彼の世間一般の人とは一歩引いた視座から見た意見にはなかなか興味深いものがある。

例えば犯罪についてどうして動機を知る必要があるのかと彼は尋ね、それを聞くことで被害者の家族は憎しみを増すだけだろうし、また未成年だからとか心神喪失状態だったという理由で酌量がなされれば猶更だろうと話す。
動機を知ればそれを改善すれば犯罪も減っていくのではと述べる赤柳に対して海月は単に大衆が動機を知って理解したい、納得したいだけで収まりを付けたいだけだと述べる。そしてそんな海月に対して冷めているねと赤柳は云うがそれもまた赤柳が納得したいだけでしょうと述べる。何ともクールな性格だ。

そして今回もまた数々の謎を残して物語が終える。

あと興味深かったのは真賀田四季と犀川との会話で彼女が生と死の狭間が美しいと述べていることだ。

恐らくこのGシリーズはシリーズ全体を通してようやくそれぞれの事件の真相、裏側に隠された意図や出来事が判明するのだろう。
つまりそれぞれのシリーズ作品はそれら1つの大きな事件を構成する断片にしか過ぎないのではないか。従ってこれら解明されなかった謎の真相がどこかで一気に説明がなされるのではないだろうか。

しかしそれは非常に読者にストレスを感じさせる。
通常の大河小説ならば前作に残された謎は継承され、そして新たな謎が生まれるような、読者の好奇心を牽引していくようなスタイルであるのに対し、このGシリーズはその作品で残された謎は放置されたままだからだ。本書でも赤柳が読者の思いを代弁するかのようにそのことについて言及しているが、だからと云って本書で保留された謎のうちの1つが解明されるわけではない。

謎はどんどん深まるばかりである。
この事件そのものが全体像の中でいったいどんな意味合いを持つのだろうか?

そういえば今回は物語の性質だからか、εというギリシャ文字の用途や意味についての考察が全く成されなかった。それほど本書はシリーズ中でも異色作だろう。

この辺は《εに誓って》の団体の中で生き残った柴田久美と榛沢通雄、そして倉持晴香が生き残ったことからこの3人を糸口に判明していくのだろうか。

エピローグで加部谷が呟くように問題は先送りにされるのだろう。それが生きるということだと述べる。これはまさに森氏の実に現実的なスタンスだ。

しかし謎が解決されてこそミステリなんだけどなぁ。やっぱり今回もモヤモヤが残ってしまった。


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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

出発点を疑え

海月の「好奇心と支配欲は類似している」という意見になるほどなあと思った。
森博嗣さんの作品はストーリーよりも登場人物の考え方やそこから透けて見える森さんの思考が面白い。

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ヘッポコ屋敷嬢
XG82ACXM
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No.21:
(4pt)

騙されました!

今回の構成は、これまでにはないもので最後まで騙されていました。
物語の進み方も同じバスでの話のように構成されていたように思うので、最後のトリックを読んでそういうことか!と納得しました。
εに誓って (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:εに誓って (講談社ノベルス)より
4061824856
No.20:
(3pt)

躍動感のあるストーリー展開と登場人物の魅力

Gシリーズは全般的に☆3ですが、これも3です。トリックやオチといった話がレビューでも書かれていますが、どこに焦点を当てて読めばいいのか迷うのが、その最大の理由と自己分析してます。

本作はスピード感と主人公たちの関係性に目を向けており、どっちかというとXシリーズで提供されている娯楽要素が強めと思います。
ただ、そこもやや中途半端だったので、単体作品としての評価はこんなもんかと。
εに誓って (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:εに誓って (講談社ノベルス)より
4061824856
No.19:
(5pt)

αシリーズ

α、βなどなどに続くシリーズものです。なかなか本屋で見つけられないんです、不思議です。
εに誓って (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:εに誓って (講談社ノベルス)より
4061824856
No.18:
(5pt)

個人的には好きです。

オチというか、トリックというか・・・ すぐに気付く人も多いかも。 私は個人的にこういう展開は好きなので面白く読めました。 登場人物が知っている情報レベルにかなりばらつきがあり、 しかもあの人にあれだけの情報伝わっていたらそりゃ緊迫感はみんな違うだろうなぁ、、、 などと余計なことを考えることも。 Gシリーズは1作目から順番に読んでいますが、回を進めるたびに赤柳探偵と海月君の正体がきになります。 もちろん四季さんが今後どう絡んでくるのかも・・・
εに誓って (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:εに誓って (講談社ノベルス)より
4061824856
No.17:
(3pt)

らしいといえばらしい、らしくないといえばらしくない「多様な人物描写」

バスに乗り合わせた人々の、個々の環境や性格や暮らしを、短い描写を重ねて充分に表現していたことに少し驚きました。理性的な描写といえばそうだし、文学的な雰囲気がする感じがらしくないし、不思議な感じがしました。トリック自体は、申し訳ありませんが、あまり面白くないなぁと思いました。そこまでの人物描写が緻密だっただけに、結末に向かって動き出した事象の描写が粗いように感じました。スピード感を出すためなのでしょうが、どうにもアッサリ終わった感じがして物足りなかったです。
εに誓って (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:εに誓って (講談社ノベルス)より
4061824856



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