(短編集)
動かぬ証拠
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目次の前に「絶たれた音」の「ほらね、見落としってあるんですよ」を引用していますが本書の内容なら「二枚のドガの絵」の「証拠があるのか?」「あるよ、指紋がね」の方があっていると思います。ラストワンカットの驚きといったら「二枚のドガの絵」は白眉だし本書のラストワンカットのインパクトはあの面白さを受け継いでいます。書物としてラストワンカットの驚きに先例がないかといえば全編が絵のルパン三世には「盗怪道五十三次」のようなあ!!!といわせる例はあります。本書はラストワンカットだけを絵として提示することでより絵の印象は強まっているから良いと思います。蘇部作品を読者も作者もゴミとかサイテーとか評すけれどそれは文学的な評価をした場合のことで江戸川乱歩以来の探偵小説には文学という重大な条件が付加されなければならないという文学コンプレックスの呪縛のせいでしょう。綾辻行人の大傑作の館シリーズが人間が書けていないといわれるのと同じです。本格ミステリーマニア自らがそんな呪縛にとらわれることはありません。本格ミステリーに最も大切なのは人間ではなく人間ばなれした奇想天外のアイデアなのですから!!!本格ミステリーマニアにいわせればどーでもいい暗い眠い身の上話を延延と垂れ流すような純文学の方がよっぽどサイテーのゴミです。蘇部作品は?と!だけを渇望する本格ミステリーマニアには宝の山です!山脈です!!!乱歩賞は文学コンプレックスなので面白ければなんでもありなメフィスト賞ができて蘇部作品に出会えて良かったです!!!「逆転無罪」のラストワンカットで前のページの「だって、この人目立つもん」「たしかに目立つ」がダブルミーニングだったとわかる!!!(衝撃)の仕掛けなんて本格ミステリーとして最高です。このオチの意味が分らぬという賢明ならざる読者諸兄はたとえば東野圭吾の「手紙」を読んでもカワイソーとか文学的感想しかもてず本格ミステリーとしての仕掛けには気がつかないのかもしれません。あれもタイトルがトリプルミーニングな作品です。手紙とは○○のことだと思っていたら××の意味もあったのか!△△という意味まであったのか!!!蘇部作品をゴミよばわりする純文学マニアは「容疑者Xの献身」を読んでもXの献身に感動しちゃうのかもしれません。あんな鬼畜トリック常識的モラルがあったら絶対にやらないから!!!(驚)はMAXだけれど人間としては最悪です。「このミステリーがすごい!」の1位は納得だけれど人間を評すべき直木賞を与えたのは意味不明です。東野圭吾で書斎に残してあるのは「放課後」「名探偵の掟」「仮面山荘殺人事件」「ある閉ざされた雪の山荘で」「私が彼を殺した」「どちらかが彼女を殺した」「秘密」「手紙」「白夜行」「容疑者Xの献身」のマイベスト10です。直木賞受賞でいっきに有名になったけれど自分はそこまででやめました。「流星の絆」も「新参者」も「麒麟の翼」も映像化されたもので済ませたけれどこと「新参者」なんて作者自ら書き始めたとき最後まで考えていなかったなんて本格ミステリーにはあるまじきことを述べていたしとにかく作数が多すぎるし本格としてはハズレも多いしでコンプリートはパスです。「g@me.」なんて有名になる前だから初日で劇場がらがらでしたが「g@me.」の仲間由紀恵は「トリック」「ごくせん」とは比べ物にならない萌えでした。(「ごくせん」も山田奈緒子と2代目金田一少年が共演するのが気になってリアルタイムで見てましたが設定がまんま漫画なので期待していなかったら毎回「涙は心の汗だ!」を越える感動の「嵐」でしたね。)道尾秀介も「向日葵の咲かない夏」「カラスの親指」「片目の猿」「シャドウ」「背の眼」「ラットマン」「ソロモンの犬」「龍神の雨」「骸の爪」の順で読んできましたが「骸の爪」がなかなか先を読みたくてならないという気が起きずにひと月以上かかったので多分全然本格ミステリーではないであろう「月と蟹」が文庫になったら買ってそれでマイベスト10にしてやめよーと思っています。その点蘇部健一は東川篤哉と並んで圧倒的にライトでかつ本格ミステリーとしてつまり謎解きゲームとして?と!のサービスが行き届いているからコンプリートしています。鯨統一郎も当たり外れが激しいのでどれを残すかセレクト中です。タイムスリップシリーズなんて○は森鴎外だけであとは全部×です。その点蘇部健一は「届かぬ想い」「恋時雨」「古い腕時計」全て○です。というかバカなのを書いても恥を知らないからロマンチックなのを書いても恥を知らずに堂堂と書ききるようにも思えます。理論より閃きが頼りのクリスティーも書斎に残してあるのは「検察側の証人(短編集からそこだけはずした32ページ。)」「謎のビッグ・フォア」「シタフォードの謎」「大空の死」「ナイルに死す」「そして誰もいなくなった」「ポケットにライ麦を」「ハロウィン・パーティ」「蒼ざめた馬」「カーテン」のマイベスト10です。あとコンプリートしたのは(乱歩とクイーンは当然として)辻村深月と加納朋子と米澤穂信で北村薫は直木賞受賞を機に読むほどに年を盗まれそうなので打ち切りました。三津田信三の○○の如き△△ものシリーズもよーし読むぞーと気合入れないと読めませんがそれで「幽女」みたいに実は×××でしたじゃ「妖星人R」かよと思っちゃいます。その点文学など気どらず読み易ーい文章で謎と驚の提供だけをこころがける蘇部作品は体裁なんて気にせず本当においしいものを作りつづける☆☆☆キタナトランです!!!本格ミステリーにとって最も大切なのはハラハラでもウルウルでもなくエー?とオー!です。犯罪者の心の闇の追求なんて純文学にまかせておけばいいのです。森村誠一は論理性だけではなく人間性が犯人を討ち取るような推理小説を追求したいと考えた挙句に「人間の証明」を書いてしまいましたが論理性を重んじなかったらそもそも「推理」小説と呼べないし人間性で犯人を討ち取るなら「太陽にほえろ!」とかでもしょっちゅうやってたでしょう。そういうことはまず論理性において有栖川有栖レベルの作品を書けてから述べるべきです。本書でエー!!!という驚きを最後の1ページの1枚の絵に凝縮させたのはまさに本格ミステリー史上最高の究極のフィニッシングストロークです。「儚い羊たちの祝宴」よりはるかに強烈な最後までオチがわからないどころか最後までいってもすぐにはオチがわからないような至高のワンカットが11編も楽しめるのです。真性本格ミステリーマニアにはもっともっと高く高く評価されるべきです。文学コンプレックスから完全に脱却した純粋に謎解きゲームの面白さを追求して?と!の大きさだけで評価する「本格ミステリー大賞」を設立したら蘇部健一は最優秀賞受賞なんじゃないでしょうか。本書の濃密なサプライズに匹敵するものベスト3を挙げるなら・・・A毎回エー?でおわってオー!で始まる3分アニメ「探偵スカット」B辻真先や中井英夫が試みて失敗した本格ミステリー史上夢の不可能トリックをやすやすとやってのけてくれた「頭の体操第1集問19」C小学館の手品・奇術入門のバナナやマッチを美女や戦車にパワーアップさせたマスクマジシャンの「ブレイキングザマジシャンズコード」です!!!「ブレイキングザマジシャンズコード」は日本直販だけの限定販売だというから購入したのにその後日本テレビが垂れ流したうえにそれを見ていたゲストの山口良一が「タネ知ってウラ知っちゃうと腰くだけちゃいますねー」とばかにしたように言ったときにはワトソンか!!!と思ったものです。難解な秘密が論理的に解明される楽しさがわからない人に頼まれもしないのにタネを明かせば「なーんだ」としか言われません。そういう人には不思議な現象だけみせて夢でもみさせておけばいいのです。知的好奇心探究心の強い熱心な謎解きマニアは高い金をだしても謎の論理的解明を欲して「なるほど」と感心するのです。本格ミステリーのなんたるかを知らない一般市民は「謎解きはディナーのあとで」を読んでも「ミステリーとしては最低レベル」とか「本格ミステリを期待する方には全然不向き」とか何を本格ミステリーだと勘違いしてるんだろーと呆れる感想を述べてくれちゃうし意外な死者を巧妙に隠しつつたくさんのヒントを与えまくっている「アナザー」を「アンフェア」とか述べてくれちゃうし本格ミステリー史上最大級の労力を費やして成し遂げたはずの計画のどこに破綻があったのかが最大の見せ場である「悪の教典」を「どうせなら皆殺しを成功させてほしかった」とか述べてくれちゃうし1編1編小さななるほど!で読ませていって最後に大きなえー???を楽しませてくれる「タレーラン珈琲店の事件簿」を「推理小説として読むと期待ハズレ」なんて推理小説になるほど!とえー?以外の何を期待してんのかなーというタリラリラーンな感想を述べてくれちゃうしあっちにもワトソンこっちにもワトソンでamazonレビューはもはやどっちが勝つか三代目!状態です。そりゃ人数比率では天才ホームズより凡人ワトソンの方が圧倒的に多いのは当然ですがせっかくホームズが名推理を披露してあげているのに「参考にならなかった」と投票して満足してるんだから全く猫に大判豚にダイアモンド馬の耳に法華経だなーと残念に(あわれに)思うのです。そういえば5月発売予定だというから3月に予約しておいた「まだ恋ははじまらない・・・」も9月になって届いたけれど文学的には天文学的に無茶苦茶ありえないストーリーでありながらあ!!!といわせる展開とえ???といわせるワンカットの使い方はさすが蘇部健一ならではの本格ミステリースピリッツにあふれた作品で楽しませていただきました。「六枚のとんかつ」以上にラストワンカットに全力を集中させてアイデアを注がなくてはならない「動かぬ証拠2」はたいへんでしょうが楽しみにしていますから何年先にでも出していただけますようお考えいただけましたらなによりです。 | ||||
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蘇部氏の長野・上越新幹線四時間三十分の壁に続く、まとも路線の推理短編集。 いずれも倒叙形式で完全犯罪の計画がラストのオチで崩壊するというもの。そのラストのオチが何とイラストで表現されるという凄いのか小説である事を放棄しているのかとにかくこの一発アイデアに全てを注いでいる意欲作である。 事件そのもののが完全に解決しておらず、犯人の計画の一部分が嘘だと判明しただけじゃないか?という感じのオチが多いが、まあ楽しいのでこれでいいのです・・・。 数編、ラストのオチを見ても、どう落ちているのか瞬時に分からないものもあるが、クイズのように自分で考えると「あ、そういうことか!」と分かると思うので、その推理の過程も楽しんで頂きたい。 | ||||
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短編集ですが、自分には内容が物足りませんでした。 最後のどんでん返しに期待してたのですが、 ちょっと期待はずれかなというのが多くて・・・・。 | ||||
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「六枚のとんかつ」でまさに衝撃デビューした蘇部健一氏であるが、今回もおふざけミステリ短編集ですかぁ、と思って手に取ったのが何を隠そう「動かぬ証拠」。 これは違った。 「六とん」とは一線を画している。ああ、少しは蘇部さんも真面目になったようだ、と思った。 動かぬ証拠という水戸黄門の紋所のごとく名探偵が持ち出す究極の道具。これが一貫して全ての短編のテーマだ。そして真相を明かすイラスト。新鮮だ。 しかし、「六とん」が衝撃的だったばかりに、物足りなさも感じた。これは、真面目とバカが入り混じったものだからだろう。ちょっと中途半端という印象を受けるが。 まあ、それなりに著者も努力したのだろう。そんなに非難をせず、優しく成長を見守ってみるのがいいのでは?ある人がこんなことを言った。 「ミステリーは、好きでなければ読んでいけない。しかし、優しくなければ、全てのミステリーを読むことはできない」 | ||||
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作者はユーモア・タッチのミステリを得意としている(「六枚のとんかつ」等)が、本短編集では更に楽しい趣向を用意している。各作で犯人を示す証拠は、計画的に、あるいは偶然の助けを借り、残っていないように見える。ところが犯人である「動かぬ証拠」が最後のページでイラストによって明かされるのだ。このイラストが楽しく、笑ってしまうことがしばしばあった。勿論、イラストで描かれる証拠で読者を納得させる作者の手腕は見事である。本格の風味を味わいながら、最後のイラストのオチでも楽しめる、まさに爽快さを味わえる快作短編集である。 | ||||
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