北町奉行所定町廻り同心北沢彦太郎は、検屍の教典『無冤録術』を片手に難儀な死体改めに熱を入れ、その精密さでは並ぶものがない。

夜の非人間的な女誑しと昼間の正義の医師、植秀人。

第1回新潮ミステリー倶楽部賞受賞。

断崖に建つ雪の日の洋館で起こった足跡なき殺人に迫る「変装の家」、舞台に突如バラバラ死体を降らせる恐怖を描く「サーカスの怪人」、バラ園のある館で催されたパーティでの毒死―花ことばと呪われた家系の秘密を解く「薔薇の家の殺人」など、才気と優しさに溢れる、名探偵二

「人参倶楽部」という名のいまの店を開いて今年でまる7年になる。最初は一人ではなく女房と一緒だった。

人気俳優が高層ホテルから墜落死した。さらに彼と最後に会ったコールガールも殺された。

秘密警察の要員が散った。日本人技術者をA処理―暗殺せよ。

桜吹雪舞う極道宿に歓喜の大団円!花冷えの春、賞を待つ作家と、肚にいちもつを抱えた老若男女がプリズンホテルへ向かった。

鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。

野々村珠子の13年の穏やかな結婚生活は、突然の来訪者によって一変する。

決して、天使なんかじゃない―。桜、梅雨、台風、雪…、豊かな四季が人の心を追いつめる。

スランプの末、突如行方をくらました超売れっ子作家・江戸川乱歩。

傍若無人・神出鬼没のあの大貫警部が殺人犯を追って勇猛果敢、遊園地の「怪奇の館」に突入。

『この子をよろしくお願いします』夕闇の石狩川畔で、一枚の紙切れを握った二歳の捨て子の男児に遭遇したとき、旅行作家茶屋次郎の受難は始まった。

深夜、十津川警部の電話が鳴った。妻を殺し最近出所した男からだった。

2人が出会って多くの傑作ミステリーが生まれた。そして18年後、2人は別れた――。

竹内しのぶ、25歳、独身。大阪大路小学校の教諭だが兵庫の大学へ内地留学中。

「剃髪前の私は本当に恐ろしい顔で一人の男の命を死にまで追いつめた、人殺しと変わりない女なのですから」。

倉敷へと向うツアーの一行が、バスごと消息を絶った。旅行会社に要求された身代金は1億円。

殺人容疑者・秋本つね子は、ろうあ者だった。

少年同士の耽美な愛の世界を巡り、一人の美少女が自ら死を選んだ。

男女二十名による南国・高知へのお見合いツアー。その華やかな出会いが一夜にして暗転した。

月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。

西新宿のホテルの一室で毒殺事件が発生し、その一週間後、「日本のエーゲ海」と呼ばれる岡山県牛窓の展望台で一台の車から男の死体が発見された。

中学生探偵・狩野俊介が通う新星中学。

乳頭山(烏帽子岳)に抱かれた清流・葛根田水系で不可解な失跡事件が起きた。

29歳独身、一人暮らしで特定の恋人は無し。満たされぬ毎日を送っていた千鶴は、ふとしたきっかけから隣人・亮子と知り合った。

離婚して、キラキラ輝く恋物語。1年3ヵ月の夫婦時代。

狂犬病清浄国の日本で、39年ぶりに患者が発生した。台風接近で孤立した幹根島を襲う白い狂犬の恐怖。

時は室町の末。木曽の領主・義明に愛妾として迎えられた遊女の鳰鳥には、秘めた大望があった。

国際刑事警察機構出向からもどった警察庁の高木史郎は、オーストリアの高峰グロスグロックナーで出会った不思議な魅力を持つ女・池上陽子と郷里の佐賀で偶然再会し、恋に落ちた。

過去の辛い思い出に縛られた美希は、四十路の今日まで恋も人生も諦め、高知の山里で和紙を漉く日々を送ってきた。

昭和30年代、予防研ウイルス・リケッチ部は、日本脳炎ワクチンの実験に成功、隆盛をきわめていた。

古代アトランチスの謎を秘めたクロノスの壺。この壺の展示会こそ全ての悲劇の幕あけといえた。

「俺にも神田の夜を賑やかにしてみせようという魂胆がある」―新宿、銀座と渡り歩いてきたバーテンダー・仙田は、神田の地に再びバー・ルヰを構え、最後の男の夢を賭ける。

東京地裁である殺人事件の審理が開始された。

“見つめる男”私立探偵・相良治郎。捜しものは一億の人生の切れはし!都会の片隅でまたひとつ血が流れ、愛がさまよう。

海に転落した車の中から、大財閥の火枝家の一族・広治と若い女が発見された。

僕と、酔助叔父と、そして選ばれたニンフェット・鈴村綾。

日本将棋連盟所属の河辺真吾八段が、「最高位」挑戦者決定戦に勝利し、タイトル保持者の名人との対局が決まった。

ぼくは消える。決して探さないでくれ。

冬の城崎温泉、白い雪を深紅に染めて湯浴み姿の美男美女が倒れていた。男は死亡、女は重傷。

駿河湾に浮かぶ小島のホテルで、『ミステリー大賞』の最終選考会がはじまった。

巨大暴力団の総長が死んだとき、ひとりの男が出現する。中国マフィアが動き、新宿署の刑事は不穏な空気を感じとる。

「軽井沢で不気味な殺人が…」星占いの予言どおり、エリートの集う高級ホテルを舞台に、財閥令嬢の花婿候補の若者たちが次々と殺されていく…。

西麻里子は聴覚障害のある高校三年生。

23日間でヨーロッパの諸都市を周遊する豪華ツアー。

不当な差別を受けつづけてきた浦島重工の社員・木原高志。

大手新聞主催のフルマラソン大会。優勝候補の常連・多田信子と市原ミキは、コーチの中里をめぐってもライバルどうしだった。

推理作家池加代子が自作のドラマ撮影にゲスト出演するため訪れた撮影所で、主演女優の牧理代子が怪死を遂げた。

「嫌でなかったら、離婚した波妙と一緒に暮らしてくれ」と、突然、中学、高校時代の親友・能勢に頼まれた二見は、理由も聞かず、彼の別れた妻を預かる。

三毛猫ホームズ、天使と悪魔、三姉妹探偵団、永井夕子にマザコン刑事。

五稜郭開城から5年、生き残りの矢島従太郎と兵頭俊作。かたや開拓使の犬となり、かたや共和国騎兵隊の理想を貫く…。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

「私の情夫だから」、これは男にとって女に言われる最上の言葉だが、大概の男は、一生に一度もこの台詞を聞くことは無い。

野尻湖畔にある修道院の塔で起こった二つの密室殺人。満開の桜の枝に、裸で逆さに吊るされた神父の首なし死体。

神秘恐怖の世界を狂熱で描く。

次々に飛び降り自殺を図る中学生たち。拭い切れない温もりの中で、真相を追う一人の父親。

公園で宇宙人を救けたという彼女。

一人の弁護士が長野市へ向かう車中で毒殺された。彼はある富豪の依頼で遺言書を作成し、それにサインをもらいに行く途中だった。

東京で奇怪な死体消失事件が三件相次いだ。いずれも発見通報から、警察が現場へ到着する間の出来事であった。

地獄からよみがえる殺人鬼!女刑事倉木美希にせまる魔手!迫真の長編サスペンス。

固い歯ごたえ、ヘヴィ級の探偵小説!世紀末の裂け目を疾駆する少年と少女。罪深く魅力的な男と女―。

探偵作家、恋に落ちる―ゆくりなくも銀座で出逢い、可憐な身を顫わせ近日のまがごとを打ち明ける笹本芳枝に胸は騒ぐ。

あなたも危ないかもしれない…。幸せな日々が崩れる瞬間、女たちの心は静かにキレてゆく。

冴子がその奇妙な私立探偵に会ったのは、アルバイト先のクラブだった。元刑事の“眠り猫”こと仁賀丈太。

「証言」「精神安定剤」「法の番人」「必要悪」「無関係」「黒幕」「一枚の木の葉」「ある組織」「敵討ち」「安楽死」と犯罪者の心理、人間考察十話。

脳死状態から臓器摘出が早ければ早いほど成功率が高くなる臓器移植手術。

ポー「モルグ街の殺人」を原点とする本格推理の魅力。発端の意外性、論理的な推理、巧妙な伏線、斬新なトリック、意外な結末…。

明治末期、東京からやって来た旅芸人が静かな越後の山村に嵐を巻き起こした。

三島事件にはじまる四半世紀を背景に、作者と作品の関係を問うメタ・ミステリーの傑作。

野田朝子は、故郷・京都のホテルで不実な恋人と別れ話をした後、久しぶりに妹の夕子と会う約束をしていた。

名門女子校天川学園の百周年記念式典に上演された、高等部演劇部による『そして誰もいなくなった』の舞台上で、最初に服毒死する被害者役の生徒が実際に死亡。

深緑の奥入瀬で黒ずくめの男の死体が発見された。被害者の五木田は横浜の資産家。

玄海灘を臨み、日本の陶芸文化を支え続けた人びとの内面に棲む神と悪魔の葛藤は、謎のメモを端緒に悲劇となって露呈した。

日本推理作家協会賞受賞。舞台は大阪。

中は真っ暗だった。けれど、入ってしまうと眼が慣れてきて、窓からの外光だけで、何とか中の様子がつかめた。

警視庁捜査一課の刑事・片山義太郎とその妹・晴美、石津刑事と三毛猫ホームズの四人は、画壇の重鎮・野上益一郎邸の警備に出かけた。

東京麻布の一等地に住む遊び人・高松圭介はある日、友人の編集者から老作家・辺見俊悟のボディガードを頼まれる。

謎の米国人発明家を追え!莫大な利益を生む超先端技術の「特許」をめぐる日米両政府、巨大企業、諜報機関、マフィア、ハッカーらの大争奪戦。

大海原を制覇し、その優雅な姿は“七つの海の白い女王”と嘔われたシリウス号も今は海に浮かぶホテルとして第二の人生を送っていた。

うっとりするほど恐いお話!三島由紀夫賞受賞の詩人・評論家による初の連作短篇集。

偶然、同じバスに乗り合わせた三人の乗客を結ぶ恐るべき事件。

宇宙暦八世紀、人類は二陣営に分かれていた。銀河帝国VS.自由惑星同盟。

17歳の美少女と初老の男は、なぜSMでしか愛を確認できなかったのか!「SM愛」を描いた衝撃の問題作。

「週刊S」の記者、栗田真由美は酔った勢いで応募したミス・コンテストの書類選考を見事に通過した。だが困ったのは真由美自身。

OLがタクシーに置き忘れた社員のボーナス二千万円―それが事件の発端だった。

ミッドウェー、戦艦大和の最期、沖縄特攻、東京大空襲、広島、長崎、五人の青春の仲間は戦火の中を生き残れたか。

太平洋戦争勃発直前の一九四一年の夏、槍ケ岳頂上に日本、中国、アメリカの五人の若者が立った。

ある昼さがり、明子が受けた一本の電話。高校時代の級友、夕子からだ。

さめない夢なのかさめてからが夢なのか。氷男は南極に戻り、建築家は眠りの衣をまとう。

黒ビロードのカーテンは、ゆるやかに波をうって、少しずつ左右へ開きはじめた。―十二月十日に開幕する中井文学。

シカゴ郊外の町パクストン。日本企業クラタが買収したオルネイ社工場は、従業員や市民との間に様々な軋轢を生みだしていた。

夭逝した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。

笙野之里で企画している推理ゲームのアドバイサーをたのまれ、夢水名(迷)探偵は桜の咲く里をやってきた。