夜よりほかに聴くものもなし



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初公開日(参考)1967年01月
分類

長編小説

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夜よりほかに聴くものもなし サスペンス篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈3〉 (光文社文庫)

2001年05月01日 夜よりほかに聴くものもなし サスペンス篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈3〉 (光文社文庫)

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(5pt)

考えすぎる人たちの犯罪

それにしてもタイトルの秀逸さは特筆すべきものですね。
山田風太郎は様々なジャンルの作品を膨大に書いていますが、彼の持ち味はやはりリアリズムではなく、その奇想性にあるのだと思います。ケレン味たっぷりの一連の忍法帖シリーズのような伝奇小説こそが彼の本質なのでしょう。本作は松本清張がブームを起こした社会派推理の要素を取り入れた、彼の本質からは少し外れた内容ながら、物語の醍醐味を味わせてくれるすぐれた連作短編集です。どの作品も、当時の世相をうまく取り込みながら読み応えのある佳品に仕上がっていますが、通底しているのは、やや神経質なくらい物事を考え込んでしまう人たちの陥ってしまう悲劇だと思います。殺人にまで手を染めずとも、こういう人たちは現実に存在します。いや、自分の中にもかなりこういう要素はあるので、空恐ろしい感じがしました。気を付けなければ―と。
それにしてもどの作品もバラエティに富んでいて、今の作家だったらこの中の一つの短編と同じテーマで、多分500ページ以上の作品を書いてしまうのではないでしょうか。終幕の言葉が毎回同じなのは、やはり「読み物・作り話」としての体裁を統一しているからなのでしょうが、それぞれの作品のテーマは現代でもまったく通用することばかりです。人間はいつの時代もあまり変わらない生き物なんだな、ということを痛感させられます。私の一番のお薦めは「敵討ち」ですね。この怖さと物語としての巧みさは群を抜いていると思います。
夜よりほかに聴くものもなし  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜よりほかに聴くものもなし 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)より
4041356733
No.6:
(5pt)

山田先生独特の不条理な社会に対する厭世観が滲み出た滋味溢れる秀作~ 「『それでも』、おれは君に、手錠をかけなければならん」

八坂という人生に疲れた初老の刑事を主人公とした10の作品から構成される連作短編集。ミステリを指向した短篇集ではなく、八坂及び事件関係者の心理描写を中心として、山田先生独特の不条理な社会に対する厭世観が滲み出た滋味溢れる秀作である。各犯行は概ね因果譚(復讐譚)であり、八坂は犯人に対してある種の同情も抱いているのだが、全ての短編の最後の一行は次の言葉で締め括られる。

  「『それでも』、おれは君に、手錠をかけなければならん」

この「それでも」に八坂(山田先生)の思いが込められ、読む者にも万感の思いが迫って来る。八坂が毎回「それでも」と言うからには、全ての短編で犯人は八坂に向かって詳しく罪の告白をしているのである。この罪の背景にある、権力者・富裕層優位の社会、非人間性を有した悪人、とかく第三者的立場を取りたがる日本人の性癖等に対する怒り・批判といったものが山田先生の主張なのだと思う。また、犯人が罪を告白せざるを得ない相手としての八坂の"酸いも甘いも噛み分けた"造形も地味ながら光る。社会的弱者に対しては温かい眼差しを向ける山田先生ならではの造形である。

ミステリ指向ではないと言っても、各短編の構成が整然としている点は流石に山田先生らしい。各短編は甲乙付け難い出来だが、個人的には「一枚の木の葉」の構成力とそこに込められた山田先生の信条(一読の価値あり)とが一番印象に残った。母親の野辺送りのために八坂が実家に帰る「証言」を冒頭に、弟の手術見舞いのために同じく八坂が実家に帰る「安楽死」を掉尾に置く全体構成の妙も光る。山田先生の作品というと、とかく"奇抜さ"が話題になるが、本作の様な滋味溢れる作品の評価ももっと高くあって然るべきだと思った。
夜よりほかに聴くものもなし  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜よりほかに聴くものもなし 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)より
4041356733
No.5:
(5pt)

読んでください

山田風太郎は日本一面白い。国内外のミステリーは手あたり次第読んでいたけど、結局、ああ、やっぱり山田風太郎にはかなわないなあ。ということになる。
夜よりほかに聴くものもなし サスペンス篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈3〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:夜よりほかに聴くものもなし サスペンス篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈3〉 (光文社文庫)より
4334731570
No.4:
(5pt)

哀感漂う連作長編

印象的な題名はヴェルレーヌの詩の引用。
作者得意の連作形式による長編。
逆らえぬ運命に翻弄される加害者側の事情を克明に描き、人間の業や、人が人を断罪する重み、怖ろしさを感じさせる。
狂言回し役の老刑事の幕切れのフレーズの言い知れぬ重みにそれが象徴される。
風太郎ミステリ独特の無常感と哀感を最もストレートに味わえる作品。
夜よりほかに聴くものもなし  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)Amazon書評・レビュー:夜よりほかに聴くものもなし 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)より
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No.3:
(5pt)

秀作ぞろい

 山田風太郎が昭和30年代に発表したサスペンス・ミステリ12編と連作の表題作を収録。
 小市民の心の奥底に眠る欲望,ズルさ,やりきれなさを描写していく著者の筆使いの巧みさは今読んでもまったく古びていない。逆玉にのった男が女性関係を整理(?)しながらいつまでたっても逃れられない巻頭の「鬼さんこちら」に始まり,「吹雪心中」のゾクっとする雰囲気など読み応えたっぷり。
 そして「それでもおれは,君に手錠をかけねばならん」というセリフで締める八坂刑事シリーズの表題作10本。それぞれが様々な事情を抱えながら,やむにやまれず犯罪に手を染めていく哀しい人間を描きだしていく・・・。 年譜をみると,この時期の著者は物凄いペースで作品を発表しているが,ほとんどハズレがないということに改めて驚く。天性の物語作家が忍法帖で大ブームを巻き起こす直前には,こんなミステリーを書いていたというのは,非常に興味深い。
夜よりほかに聴くものもなし サスペンス篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈3〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:夜よりほかに聴くものもなし サスペンス篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈3〉 (光文社文庫)より
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