誰にもできる殺人
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ぢちらもおもしろかった。背後にある虚無感に納得。 | ||||
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連作短編が最後につながるーといえばスマートな感じがするが、実際にはどてどてした小説で、至るところに無理がある。戦争から帰ってきた男が、その昔契った女の声が聞こえるとアパートに入るとか、だが誰がその女だか分からないとか、たまさか分かった血液型で他の住人がその女が誰か知るといった阿呆な話に始まり、大時代な聖女崇拝めいたものが入りこむは、殺人鬼の遺伝があるやら、今読むとまあ漫画みたいなものである。いかんせん、時代が古いため、バカミスの味わい、というのが感じられないのが残念。 | ||||
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山田風太郎の中篇2作品を収録した1冊。もっとも、その作風は、犯人捜しがテーマの推理小説というよりは、ロマン・ノワールと言った方がいいだろう。特に、「棺の中の悦楽」は後に大島渚により映画化されているが、確かに彼好みの素材である。 山田風太郎といえば、忍法帖シリーズのイメージが強く、推理作家としては知る人ぞ知る存在でしかない。しかし、ジャンルを問わず貫かれているのは、氏の虚無的・退廃的な指向性である。その一貫した指向性ゆえに、推理小説においても、謎解きのうまさに加えて、人間ドラマとしての面白さ、重厚さに満ちている。 忍法帖シリーズのインパクトゆえ、氏の推理小説を片手間に書いたものと捉える向きもあるかもしれない。しかし、そうしたイメージだけで氏の忍法帖以外の作品を無視するのはあまりにもったいない。本作も、推理小説としてももちろん一流だが、氏の作品の持つ虚無の深さは、現在の作家の作品ではなかなか見当たらない要素である。現在の口当たりの良い推理小説に退屈している向きや、チャンドラーなどの海外ハードボイルド作品が好きな向きには、本作は大いにおすすめである。 | ||||
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連作形式のスタイルに巧みな騙しが潜むトリッキーな「誰にも出来る殺人」 大島渚により「悦楽」として映画化された「棺の中の悦楽」 どちらもとびきりの傑作。(例によって作者自身の評価は低いようだが・・・) とりわけ後者は丹念な心理描写の果てにフランシス・アイルズの某作品を思わせる意外な幕切れの、風太郎ミステリの中でも特異な作品。 作者の女性に寄せるロマンティシズムと諦念の両面を感じて興味深い。 | ||||
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アパート〈人間荘〉の十二号室には、歴代の間借人に受け継がれていたノートがあり、そこには彼らがかかわった犯罪の記録が書き残されていた……。■「女をさがせ」 第一の間借人は、十三号室の山名という盲目の男が、 行方不明になった妻を捜しているという話を聞いた。 どうやら人間荘に住んでいる女性の内の誰からしいのだが……。■「殺すも愉し」 第二の間借人は、十六号室に住む仁木の天邪鬼な性質を煽り、 四号室の津田という男を殺害させようと画策するのだが……。 ■「まぼろしの恋妻」 失踪した妻子を捜している十五号室の椎名。第三の間借人は、偶然知り 合った狂気を帯びた女性を、椎名の妻に仕立てる計画を実行するのだが……。■「人間荘怪談」 第四の間借人は、九号室の木室老人に便宜をはかってもらい、人間荘で 暮らすことになるのだが、その日の夜、八号室の青沼の妻が、階段から 落ちて事故死する。 後日、青沼は、妻の墓参りをするために北海道に 向ったのだが、思いもしなかった災厄に見舞われ……。■「殺人保険のすすめ」 掛金を貰えれば、殺人時のアリバイの証人になってやる ――という“殺人保険”を行っている十四号室の座光寺。 実際に第五の間借人が、その保険の契約を 結んだという話を聞いた第六の間借人は……。■「淫らな死神」 歴代の間借人が書いた全ての手記を読んだ「私」は、過去に人間荘 で起きた数々の事件の裏に隠された真相があることに思い至る……。 短編の連鎖が長編の流れを生む――という、平成の新本格以降、お馴染みとなった〈連鎖式〉の嚆矢。事件の“黒幕”――あるいは物語としての着地点――の見当をつけることは比較的容易だと思いますが、どんでん返しのつるべ打ちの果てに提示される戦慄すべきラストシーンは、忘れがたい印象を残します。 | ||||
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