忍法忠臣蔵
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忠臣蔵と忍法を結びつけるとしたら、正攻法でいくんだったら赤穂浪士を忍者が助けるとか、討ち入りの裏側で赤穂を吉良の忍者合戦が行われるとか、変化球で四谷怪談を絡める考えそうだけどそうはしないで、上杉側から描くとはさすがの風太郎。 狂言回しに忠義嫌いの忍者を持ってきて、さらには登場人物達に討ち入り、義挙への疑問、批判を述べさせ忠義にもろ手を挙げて賛成の世相を皮肉る。 忍法帖の中でもグロテスク要素がちょっと高め。 「血まみれの腓腸筋、外股筋、内転筋、臀筋の堆積」-へぇ、脚ってそんなにいろんな筋肉があるんだぁ。 あと、寄生虫の名前がずら~っと出てきて勉強になるところがあるけど、写すのが面倒なので割愛。 | ||||
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上杉の国家老、千坂がくの一達を使い色仕掛けを持って赤穂浪士達の内部崩壊(自滅)を企てる。一方、上杉藩主である網憲は上杉子飼いの別の忍びを使い赤穂浪士達をことごとく亡き者にしようと企図する。藩主の意向に逆らう家老千坂の意図とは? 忍者達の奇想天外な秘術も必見。 | ||||
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血盟した赤穂浪士の中から脱落者が何人も出たのは史実だが、その裏にはさる筋が放った忍者の暗躍があった という設定で、12月14日の討ち入りに至る上杉方と大石方の動きを追って、物語が展開する。 コンパクトな章立てで歯切れがよく、筋の展開も忍法バトルも充実した申し分ない出来のAクラス作品、非常に楽しめる長篇忍法帖の第7弾。 なのだが、これは奇想の作家、山田風太郎でなければなしえない、異常な構造を持った小説だ。 冒頭に忍法帖短篇の傑作「忍者帷子(かたびら)乙五郎」を主人公の名前を変えて(帷子乙五郎 → 無明綱太郎)そのまま使い、重要な伏線としている。さらに忍法帖連作短篇集「妖説忠臣蔵」の中の一篇、これも傑作だが、「変化城」の主要部分を長篇の終幕のところでほぼそのまま使っている。つまり、自作の二つの短篇を流用し取り込んで別の一つの長篇を作っているのだ。 こんな作り方をした作家がほかにいただろうか? 奇想と評するのは簡単だが、風太郎の場合、そのレベルは異常だ。なぜなら、この3本の小説をどの順番で読んでも、三つとも楽しめるように作ってあるからだ(さすがに、ある程度の時間を置いてから読んだほうが楽しめるが)。本作も、読者に「なんだ、自作を流用して引き延ばしただけじゃないか」と言わせないだけの工夫が凝らしてある。 既存の自作を取り込みつつ、まったく新しい別の物語を創り上げる・・・ どうすればこんなことが可能なのか、想像を絶する。風太郎はまったくとんでもない作家である。 | ||||
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まだ、読んだことがなかったので購入しました。風太郎ファンは買うべし。 | ||||
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本作の、2つの忍者のグループがお互いの術を駆使して戦うという構図は、他の忍法帖シリーズと変わらないおなじみのものである。 しかし、無明綱太郎という強力な第三者を中心に動く本作では、「甲賀忍法帖」のような壮絶な対決はない。 だから、忍者が駆使する術のエログロと面白さは相変わらずだが、個々の忍者、特に上杉家当主に雇われた忍者グループの存在感は非常に薄い。 本書でも、緻密な時代考証と該博な医学的知識に裏打ちされた話の面白さは抜群である。 とはいえ、「柳生忍法帖」「甲賀忍法帖」「魔界転生」のようなカタルシスやドライブ感を期待する向きには、物足りなさが残るだろう。 こうしたエンターテインメントの代わりに前面に出ているのが、日本人好みの「忠義」という価値観への強烈なアンチテーゼである。 「忠義」という錦の御旗を揚げてそれに伴う他人の犠牲を顧みない身勝手さ、さらに「忠義」の仮面に隠れた人間の欺瞞を、本作ではこれでもかとばかりに描いている。 忠臣蔵という、多くの日本人に愛されている物語の骨格を変えずにここまで違う作品に変質させるのは、山田風太郎以外には到底不可能だろう。 ただ、こうした作風故に、主人公を含めた各登場人物に感情移入するのが難しく、他の山田作品と比べてどこか物語の世界に入りづらい。 おかげで、奇想天外な物語の面白さやメッセージ性の強さは評価できるが、他の山田作品の名作にある読後感の爽快さが本作にはない。 その点で☆を1つ減点した。 | ||||
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