忍法聖千姫
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女性の隠された怖ろしさを強調する短篇7本とエッセイ1本を収録。 「忍法聖千姫」。 千姫の妖気に当てられてフェチシズムの性倒錯とスカトロジーにおちた三人の剣法者の話で、Bランク作か。 「忍法ガラシャの棺」。 光秀の娘、細川ガラシャ珠子の人格を二分してみたら・・・ 忍者・鴫留盃堂(しぎるはいどう、つまりジキルとハイド)の忍法「陰陽分身」が暴露したのは、聖女の内に秘められた女性の恐ろしさだった。Aランク。 「忍法穴ひとつ」。 生殖と排泄に使う道がひとつであるという非合理をネタにした、子供じみて単純なパンセクシャリズムのおとぎ話。シモネタの落語と同様で、風太郎らしいヒネリを効かせても感心する出来にはならない。Cランク。 「忍法眼録」。これは面白い、本短篇集中でベストではないか。 志摩藩十鬼組が開発した忍法“眼録”の秘密を公儀服部組が探る顛末。眼録の内容は読んで字の如し。半蔵の報告書3本と、その間に挟んだ現在進行形のストーリーという構成が上手い。最後のどんでん返しで明かされる真実は、やはり女の恐ろしさを思い知らされるもの。Sランク。 エッセイ「首切り浅右衛門」。 2頁に満たず短いが、まさに驚くべき内容。本書中でいちばんの面白さかもしれない。 著者の先祖は新陰流を直新陰流に改めた山田一風斉なる剣人で、その四男・浅右衛門吉時が直接の祖先であり、これがまさに初代・首切り浅右衛門! 先祖をさらにたどると、別の流れが例の「万川集海」にまで名が載る忍法名家。伊賀服部家と交流があり、家には系図のほか忍法相伝書なるものが残っている! いやはや、忍者の子孫が忍法小説で当てたのか。浅右衛門のことも先祖の話を書いたのか!? それにしても本当だろうか、驚いた。 | ||||
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『Y十M』でもファンの目を喜ばせている山風屈指のヒロイン・千姫。 『くノ一忍法帖』のその後にあたる本書では、妖しい美貌を誇る魔女として再登場します。その丁寧に描きこまれた美貌と「お千の知ったことではない、勝手に死ね」と言い放つ高慢さ。そしてその妖艶さの虜となる男たちの倒錯ぶりが見物です。はじめは理解に苦しむ男たちの行動も、ページをめくるたび違和感がなくなっていき、最後のほうでは自分も姫に悩殺されたいと思わせる山田風太郎の筆致。これこそこの作品最大の「妖しさ」かもしれません。 | ||||
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