忍法破倭兵状
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いわゆる短編集であり、全体としては平均的かな、という印象でした。 ただ、数十年ぶりに読み返すと、「魔界転生」原作には登場しなかった細川ガラシャが、深作欣二監督劇場版に登場したかげに、本書収録の「忍法ガラシャの棺」の存在があったのではないか、と考えさせられました。また、「忍法おだまき」は、「伊賀忍法帖」登場の果心居士を術者とする魔界転生のヴァリエーションとも読めるという楽しみ方もありました。 | ||||
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以下、異国ものや切支丹ものを中心とした7編を収録。 「忍法破倭兵状」朝鮮の役の裏で暗闘する日本の忍者と朝鮮の忍者 「甲賀南蛮寺領」信長によって教会建立のために甲賀の地を与えられた神父オルガンチーノと甲賀忍者の闘い 「忍法おだまき」秀次事件の影に妖しく繰り広げられる果心居士の幻術 「忍法ガラシヤの棺」関ヶ原の戦いを前に決断を迫られる細川ガラシャ前に現れた忍者の示した忍法とは 「忍法天草灘」長崎の切支丹宗徒たちを色地獄に落として転ばせようとたくらむ忍者たち 「ガリヴァー忍法島」のちの赤穂義士たちが道中で出くわした異人一行の正体とは 「お庭番地球を回る」万延元年遣米使節団の副使外国奉行村垣範正は幕府お庭番の出だった。彼が井伊大老から受けた密命とは どれもはずれなく面白いのだが、切支丹もの「甲賀南蛮寺領」「忍法ガラシヤの棺」「忍法天草灘」の3篇は特に傑作。 「忍法天草灘」の最後に日本人切支丹の「懺悔録」引用のあからさまな内容には驚倒。いつか原典()を読んでみたい。『』の「土佐源氏」以来の衝撃。 その他、「ガリヴァー旅行記」が書かれたのが赤穂事件と重なる時期だったんだなとか、「お庭番地球を回る」の遣米使節団の様子は結構史実に基づいているようだけれどどこまで本当かなとか、いろいろ考えさせられ、楽しませてくれる。 ただ、「忍法〇頭相続」というのは、本当に気色悪い。忍者でなく一般人でも出来ると思うけどやられた方は絶対トラウマになる。。。 | ||||
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「忍法鞘飛脚」は、風太郎ならではのテクニックが冴えわたる“一粒で二度、三度美味しい”傑作。短篇忍法帖の最高作と思う。 冒頭から、史記にある前漢・呂后(りょこう)の人豚の残酷話を忍法帖に翻案したと察しがつくし、話はその予想通りに進行する。主人公の不運な忍者は任務を果たせないまま、哀れ人豚となって死ぬ。が、最後に意外な展開があり、使命が果たされていたことがわかる。 ここから、読者の中で新たな物語が始まる。まてよ、二人の忍者は接触しなかったはずなのに、どうして通信文を受け渡すことができたのか? 注意深く読み返すと、受け渡しの可能性は一つしかなかったことがわかる。それはまた、冒頭部分が巧妙な伏線であって、哀れな忍者にも救いがあったことがわかる仕掛けでもある。死んだ人豚の忍者がなぜ「にんまりと笑っているように見えた」のか、その理由も明らかになり、タイトルの意味もわかって思わずニヤリとしてしまう。 「忍法肉太鼓」は、5代将軍就任をめぐる酒井雅楽頭と堀田正俊の暗闘を背景に、ある忍者の開発した忍法が、その論理ゆえに実に虚しい「隠密御用」を開発者に強いるというよくできたストーリーで、独自の形式美が実現している傑作。 風太郎の形式美は「シンメトリー、反復繰り返し、型」からなる。 シンメトリーは、例えば冒頭と結末を全く同じ情景にするという形で作品にしばしば現れ、反復は例えば一対一の忍法対決を繰り返すという様式になり、型は忍者が忍法を使ったあと必ず術名をつぶやくという定型になる。 この形式を上手く組み合わせると、詠嘆の情が増幅され、スピード・リズム感が生まれ、カッコ良さが強化される。歌舞伎と同じだ。忍法帖がなぜこれほど面白いのか、その秘密がこの形式美にあると思う。 「破倭兵状」「忍法おだまき」はいわゆる“時間移動SF”で、内容的には非常に面白いのだが、このアイディアに付随する矛盾は、さすがの風太郎も克服していない。 しかし、秀吉の朝鮮役を背景とする「破倭兵状」には朝鮮側の資料がたくさん引用されていて興味深い。風太郎は「日本軍が三百数十年を経て、ほとんど何も学んでいなかったことに驚くのである」と日中戦争、太平洋戦争に触れる。特に兵站軽視について、「最初から掠奪を当てにしているのだから長期戦も民心把握もできるわけがない」と、両方の戦に共通する致命的な欠陥を喝破している。 | ||||
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中には異国というよりも 切支丹信者、という風な関わり方のケースも ありますが、外国が絡む作品集です。 もちろん著者らしく色気あふれる、 人によっては赤面してしまう忍法が出てきます。 そんな忍法破むろん、ありえない代物なのですが それでも読ませてしまうのはあまりにも非現実的だからでしょう。 その中で面白いな、と思った作品は オランダ人関連ではない作品の 後半2作品です。 特にそのうちの先に出てくる作品は どこかで見たことのある ある「しるし」がでてくるので ちょっと驚いてしまうかもしれません。 内容も同様で外国人の者の狡猾さを 垣間見れます。 後者の作品は 面白いテイストで語られる 忍者物語。 だけれどもラストには著者らしい 哀愁も漂います。 少しおとなしく感じるかもしれません。 | ||||
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