姦の忍法帖
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6篇を収載。まず「姦の忍法帖」。 忍法帖は第一作「甲賀忍法帖」以来、トーナメント形式の忍法対決という見方が定着しているが、実は一回戦で終わる話ばかりで、準決勝や決勝戦が出てこない。トーナメントを進めたらどうなるのか。 各大名所有の武具の銘品を将軍上覧で競い合わせることになり、兜・剣、槍・鎧、弓・盾、剣・十手などの対決が甲賀組対伊賀組の形で行われる。しかも、武術対決の前には必ず交合対決があるという濃い設定で、甲賀組はすべてくノ一が出場する。 対決は決勝戦まで続くのだが、さすがにくどいし飽きる。作者自身あきれたようで、登場人物の一人、松平伊豆守に「ここに起こったことは・・・ 荒唐無稽の物語と思いたいほどじゃが、物語としてもまったく意味がない」と言わせている。実験作にして壮大な失敗作。 「胎の忍法帖」。 風太郎ならではの“遡る怪生理学”がテーマ。忍法「杓子返し」でいきなり出現する人間大の卵子と巨大オタマジャクシ様の精子という衝撃的なビジュアルがハイライトだろう。科学者の客観的な目で妊婦の変化を独白する針ヶ谷掃部がナチス風でちょっと怖く、囚われの妊婦を奪還する能登忍者のアクション場面と交互に配し、緊張感を高めていく構成が上手い。 「笊(ざる)の忍法帖」。 美男忍者・卯ノ花銅馬は芯からの女好き。研究と称してこれまで397人の女と交わったが、伯父・錫兵衛に呼び出され、400番目まで三人の女性との交わりを異様な形で強制される。それは銅馬の女性観を根底から覆し、その後にお家の大事に当たらせる準備だったが・・・ 性格は変わらないというオチの艶笑喜劇。 「転の忍法帖」。 特殊な体質の忍者が組を追放され、町で“性形”外科業を始める。はじめは男根交換移植だったのが発展し、性転換を行うようになって 風太郎得意の部位交換おとぎ話の発展系。 「牢の忍法帖」。 切支丹ものにしてはあまり盛り上がらず、出来はいまいち。 「〆の忍法帖」。 忍法「馬吸無」という術名の素晴らしさ(“ビューン”という音が出る!)と、それを使って死ななければならない主君の精子を吸引・保存・運搬し、人工授精するという発想の奇抜さ鋭さ。加えて、その間は排尿できないという弱点を設定する怪なる合理性・・・ ばかばかしさを軽く突き抜けてシュールな世界に達している。最高。 | ||||
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忍法帖短篇はナンセンスかつシュールなものが多いのですが、 この作品集はその集大成といえましょう。 「のぬふ! のぬふ!」がなんとも笑える「姦の忍法帖」は 結局何がしたかったのかに悩みつつも、リングアナウンサーの 如き由井正雪と、それに頷く将軍家光に爆笑させられます。 さらに「〆の忍法帖」では「忍法 馬吸無(バキューム)」が登場。腹の皮がよじれるシュールさです。 | ||||
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