くノ一死ににゆく
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「試合もの」8篇を収録しているが、以下の3篇が傑作だと思う。 「逆艪試合」。剣法の工夫が面白く、また、真の愛情は陰間にあったというオチもよく、伏線の張り方も効果的。 「かまきり試合」。シンメトリー構造を繰り返す風太郎独自の様式美がきっちりと決まった、残酷かつエロチックなおとぎ話。 「モーパイ試合」。バカバカしい設定もここまで来れば芸術的。エロチックでグロテスクで残酷。ブラックユーモアに満ちたおとぎ話。 次はAクラスの2作品。まず「捧げつつ試合」。 タイトルに似つかわしい内容の一篇。くノ一が、預けられた「大切なもの」を届けるために死地をくぐり、傷だらけになりながらも届け終えた瞬間に凄惨な最期を遂げるという、直線的で単純なストーリー。よく出来ているが、届けるものがわかってしまうと興趣が落ちる(それが最後のオチに関連するけれど)。 「つばくろ試合」。 将軍家光の晩年、鄭成功から明再興の援軍依頼が来る。その機会を捉え、偽の使者を仕立ててクーデタの陰謀を進める由比正雪と、それに乗る紀伊頼宣。それを阻もうとする知恵伊豆。前者は根来忍者を使い、後者は柳生兵助(後の連也斉)と少林寺拳法の達人、明の老僧陳ゲンピンを使う。 ストーリーは忍剣勝負を繰り返しながら品川宿へ。そこで明らかになる驚愕の結末・・・。かなり面白いが、全体としてやや迫力に欠ける。 しかし、「国姓爺」という言葉の意味がわかったのは良かった。旧明の皇帝が鄭成功に帝姓の朱を与えたのでそう呼ばれることになったという。爺はおじいさんの意ではなくて単なる尊称。 それ以外の3作品、「濡れ仏試合」「膜試合」「麺棒試合」はB級作と思った。 | ||||
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期待しても、必ずその期待以上の見返りがくるのが嬉しい山田風太郎ですが、女の力を書いた「捧げつつ試合」は迫力に圧倒されます。また名作「魔界転生」のプレ作品とでもいうべき1篇では由井が登場するなど、ファンであれば一度は読んでおきたい作品です。是非、読んでもらいたい。 | ||||
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『くノ一死にゆく』は短編集としてのタイトルで、表題作なるものは存在しません。 必ずしも『くノ一忍法帖』のようにくノ一が主役とはいえない作品もありますが、やはり全体としては男同士の忍法争いだけではなく、女性や女忍者の果たす役割が印象に残るような作品ばかりです。中でも表紙絵にもなっているおふうの登場する『捧げつつ試合』は哀切にして凄絶で必読といえるでしょう。山風作品に外れはまずありませんから、当然ながら本書もお薦めです。 | ||||
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