しのぶセンセにサヨナラ-浪花少年探偵団・独立篇



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初公開日(参考)1993年12月
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長編小説

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新装版 しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)

2011年12月15日 新装版 しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)

休職中の教師、竹内しのぶ。秘書としてスカウトされた会社で社員の死亡事故が発生。自殺にしては不自然だが、他殺としたら密室殺人。かつての教え子たちと再び探偵ごっこを繰り広げるしのぶは、社員たちの不審な行動に目をつける。この会社には重大な秘密が隠されている。浪花少年探偵団シリーズ第二弾。 (「BOOK」データベースより)




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しのぶセンセにサヨナラ-浪花少年探偵団・独立篇の総合評価:8.26/10点レビュー 35件。Cランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

続編が望まれる肝っ玉女先生の奮闘記

前作『浪花少年探偵団』から5年。あのしのぶセンセが帰ってきた。
本書も前作同様、しのぶセンセこと竹内しのぶと彼女の元教え子の2人が主要登場人物の連作短編集となっている。そしてタイトルが示すとおり、本書がシリーズの幕引きとなる一冊でもある。

まずは復活の一発目「しのぶセンセは勉強中」。
本書が刊行されたのは1993年だから本編が発表されたのはそれ以前であろう。当時はまだ私も学生の身だったので、その頃のパソコンの普及率を考えると世の中の変化についていけない者が出てきて、社会に淘汰されていくというニュースも出ていた記憶がある。
時代と共にやはり内容も古びてしまう。それでも今なお本書が当時の内容で刊行されているのは東野人気のためだろうが。

続く「しのぶセンセは暴走族」ではしのぶセンセは子供達に交通事故の恐ろしさを教え、守ろうという動機から自動車教習所へ通って免許取得にチャレンジ中。
恐らく読者のほとんどが経験しているであろう自動車教習の部分がやはり面白い。確かに金払っているのにあれだけ傲慢に振舞い、罵倒されなきゃならない境遇は珍しい。私もそう毅然と云えればよかったが、やっぱり無理だよね。謎としては小粒か。

次の「しのぶセンセの上京」は文字通りしのぶセンセ東京進出の話。
前作で新藤の恋敵役だった本間義彦再登場。彼は大阪から東京に転勤しており、しのぶセンセの東京ガイドという役回り。とはいえ、やはりここに新藤が絡まないと単なる道化役にしかなっていないのが惜しいところだ。

さすがのしのぶセンセも病気には勝てなかった。「しのぶセンセは入院中」では急性虫垂炎で入院したしのぶの所にも事件は訪れる。
ここは素直に登場人物たちのやり取りと小出しに発生する事件に頭を捻りながらストーリーに身を委ねて、愛すべき登場人物たちが織り成す笑劇に浸るのが吉。

とうとう学生生活から先生へ復帰するしのぶセンセは実家に戻ることを決意する。「しのぶセンセの引っ越し」では住んでいたアパートに最近越してきた母子が、新藤が担当する強盗殺害事件に絡む。
非常に狭い範囲で展開する物語。真相は小粒で、安西と松岡老人とのミッシングリンクを探る物であるが、本格ミステリ度はやはり低く、読者が推理して解明できるプロットではない。真相を知ることで加害者と被害者どちらが悪いのかという正義のあり場を考えさせられる話だが、シリアス度はさほど感じられない。

そしてシリーズの最後を飾るのが「しのぶセンセの復活」。
シリーズ最後の本編は原点回帰ともいうべき、しのぶのクラスで起きる事件を描いたもので刑事事件でもなく、虐めの萌芽と馴染んでくれない生徒達に何とか立ち向かうしのぶの姿が描かれる。したがってこの短編にはレギュラーメンバーである田中と原田は登場しない。それこそしのぶセンセの新たな出発の象徴といえよう。

シリーズ1作目同様、肩の力を抜いて楽しく読めるキャラクター小説である。こちらの独断かもしれないが、物語の構成が手がかりを提示した本格ミステリの風合いから次々と事件が起きて読者を愉しませるストーリー重視の犯罪物に変わっているように思う。
それぞれの短編の雑誌掲載時期が載せられていないので、どの作品がいつ頃書かれたか解らないため、これが東野氏の作風の変遷と同調しているのかが解らないのが残念なところだ。
しかしあとがきにも作者自身が作風の変化を自覚していることを述べているからこの推察は間違いないだろう。読者の推理の余地がないので、本格ミステリ度は薄いが、逆に東野氏のストーリーテリングの上手さと、関係のないと思われた事象がどのように繋がっていくのかを愉しんで読める作品になっている。

従って推理するという作品ではなく、しのぶセンセとレギュラーメンバーである浪花少年探偵団(といってもたった2人だが)こと田中鉄平と原田郁夫、そいて新藤刑事に恋敵本間義彦らが織り成す涙と笑いのミステリ風大阪人情話なのだ。

そして今回しのぶセンセは教師ではなく、兵庫の大学に内地留学している身である。
これが本作にどう影響しているかというと、教え子が絡む小学校に関係する事件ではなく、しのぶセンセを取り巻く環境で起きた事件を題材にしている。そして前作でレギュラーだった田中鉄平と原田郁夫が元教え子として絡む。従って自由度は以前よりも上がっているから事件も学校・生徒という限定空間から外側に広がっている。

各短編の出来は平均的といってよく、駄作もなければ傑作もない。強いてベストを挙げるとなるとやはり最後の「しのぶセンセの復活」となるか。子供の跳び箱事故からある家族の家庭事情に繋がり、教師の転勤へと繋がっていく話の妙はさすがだが、この短編の読みどころは教師生活にブランクを置いたしのぶの再起する姿にある。シリーズの終焉に相応しい好編だ。

大阪弁を前面に出した軽妙なストーリー運びと下町の姉ちゃんと呼べる威勢のいい女教師のこのシリーズ、シリアスな作品が多い東野作品の中でも異色のシリーズだっただけにたった2冊でシリーズを終えるのは惜しいものだ。
現在押しも押されぬ国民的人気作家となった東野圭吾氏がこのシリーズを再開するのは限りなく0%に近いだろうけど、執筆活動の気晴らしとしてまたぼつぼつと書いて欲しいものだ。


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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

しのぶセンセにサヨナラ-浪花少年探偵団・独立篇の感想

最後はなんだかほっこりして終わる。

ぴよくみ
4WLMRKM9
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No.33:
(5pt)

セットで

読みやすくとても面白い
はまります
しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)より
4062634120
No.32:
(5pt)

おもろい

じゃりン子チエが大人になると学校の先生になっております。読んでいて楽しかった。
しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)より
4062634120
No.31:
(4pt)

関西弁独特の会話が魅力。

しのぶセンセの女性らしからぬ行動力と子供たちの小賢しさが絶妙に愉快。
しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)より
4062634120
No.30:
(5pt)

大阪弁のやりとりが心地良い

前作と同様、しのぶセンセが探偵役となって、事件を解決していきます。

元教え子や刑事・新藤、前作でお見合いをした本間も登場。

1996年の発行ですが、大阪弁のやりとりは今の漫才でも通用しそうなテンポの良さと面白さがあります。

自動車の教習所で仮免のしのぶ。運転が上手な方ではなく、クラッチの操作に苦戦して何度もエンスト。それでも怪しい車とカーチェイスを繰り広げます。

しのぶへの恋がなかなか実らない刑事・新藤は気の毒で面白い。
しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)より
4062634120
No.29:
(5pt)

大阪弁が満載

初めて氏の、全面、大阪で覆われた作品を読みました。大阪弁が軽妙で新鮮な感じがしました。
しのぶセンセが言ったセリフのなかで、「東京の人は偉い 電車を待つのにきちんと並ぶから 大阪ではかんがえられへんことです」とあり、本当だなーと、私も何年か前に大阪の地下鉄だかに乗った時のことを思い出しました。入り口を取り囲んでいた人たちが、ドアがあくと同時にドヤドヤと人にぶつかりそうな感じで我さきに、と言う感じで乗ってきて(すごいな、大阪は)と思ったけど、それがこの本をよんで、大阪のバイタリティーというものだと分かりました。
それと、唯一、作品の題名になっているしのぶさん(元同僚らしいけど)も凄いなーと思いました。
しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)より
4062634120



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