(短編集)

毒笑小説



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    初公開日(参考)1996年07月
    分類

    短編集

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    毒笑小説 (集英社文庫)

    1999年02月01日 毒笑小説 (集英社文庫)

    塾にお稽古に家庭教師にと、VIPなみに忙しい孫。何とかゆっくり会えないものかという祖父の訴えを聞いて、麻雀仲間の爺さんたちが“妙案”を思いつく…。前代未聞の誘拐事件を扱った「誘拐天国」をはじめ、毒のある可笑しさに満ちた傑作が1ダース!名作『怪笑小説』に引き続いて、ブラックなお笑いを極めた、会心の短篇集。「笑い」追求の同志、京極夏彦との特別対談つき。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    毒笑小説の総合評価:8.02/10点レビュー 118件。Bランク


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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (7pt)

    かなり吹っ切れてます

    東野氏のダークな笑いが炸裂するユーモア短編集第2弾。今回もその筆の勢いは止まらない。

    まず最初の作品は「誘拐天国」。
    孫と遊ぶために狂言誘拐を計画する、という着想の妙も東野氏らしいが、さらう側の老人たちが大会社の元経営者で隠居の身というのがミソ。
    身代金の1億円がはした金にしか見えないくらいの大富豪ぞろいで、ハイテクを駆使した誘拐騒動の顛末を徹底的にマンガチックに東野氏は語っていく。

    次の「エンジェル」では核実験が盛んに行われた南太平洋の島で見つかった新種の生物エンジェルのお話。
    一読星新一氏の作品のような味わいを残す。新生物の発見から社会に浸透しやがて起こる新たな社会問題に、最後の皮肉な結末とまさに星テイスト。
    こんなのも書けるのが東野氏の芸達者なところだ。

    「手作りマダム」は思わず「あるある!」と声を出したくなるような作品だ。
    Yahoo!知恵袋の相談にも出てくるような話だ。
    いわゆる社宅族たちの抱える問題。会社で地位のある方の奥さんが無類の世話好きだったというもの。善意と思ってやっているからこれがまた性質が悪い。人によっては他人事とは思えない話だろうなぁ。

    「マニュアル警察」は題名から察せられるようにマニュアル化した警察のお話。
    星新一の作品になんかこういうのがあったなぁ。これは題名からネタも解ってしまうし、実に東野氏らしい皮肉に満ちた内容。
    確かこの頃マニュアル社会とかサラリーマン教師とか色々云われていたっけ。

    「ホームアローンじいさん」もB級ネタで笑わせてくれる。
    東野氏のB級路線が色濃く出た作品。そりゃあ教職に就いていた爺さんだってAVは見たいだろう。メカ音痴であるのがここではミソだろう。そしてそこへ空き巣の侵入を絡ませるあたりが上手い。
    しかし男の哀しい性よのお。

    マザコンというのが注目されたのがもしかしたらこの頃だったのか。「花婿人形」は全てを母親に仕切られて生きてきた男が結婚を迎える話。
    極端な過保護で育てられた男が結婚式の段に母親に聞きたかったこととは?この謎で引っ張るのだが、これがホントしょうもないこと。

    「女流作家」は思いもかけない展開を見せる。
    妊娠になった女流作家が休筆するという当たり前な導入からSF的な展開になるのがミソ。

    「殺意取扱説明書」も一風変わったお話。
    殺人計画立案が書かれているわけでなく、殺意の醸成の仕方、殺人行為に至るまでの心構えなどを解説している取説という設定が面白い。
    いざ殺る段になって躊躇する心理なども扱われていたりとケーススタディが事細かに書かれているあたりが理系作家東野氏の遊び心だといえよう。もう少し結末にパンチがあればよかったが。

    「~笑小説」と書かれているが全てがユーモアの話ではない。中にはジーンとくる作品もある。次の「つぐない」がそれだ。
    意外な導入部、ピアノレッスンの生徒が50のオッサンというギャグのような冒頭から最後はジーンとなる結末に持っていく東野氏の上手さが光る1編。

    「栄光の証言」は会社でも冴えない男が殺人現場を目撃して、それを証言したがためにいきなり会社はもちろんご近所からも注目されるというお話。
    普段誰からも注目されない男が一躍注目の的になるというのは気分がいいもの。ここに書かれているしつこく何度も同じ話を繰り返されることや、いつもしゃべることでどんどん肉付けがなされていき、いつの間にか想像のことを恰も見たかのように話してしまうというのもよくある。
    最後のオチのしょうもなさといい、ショートフィルムに使われそうな作品だ。

    「本格推理関連グッズ鑑定ショー」はその名から想像されるように「なんでも鑑定団」をパロッた作品。
    東野氏の悪ふざけが横溢した作品。というよりもこの頃1996年から「なんでも鑑定団」ってやっていたのだなぁと感心してしまった。
    単に番組のパロディに終始するわけではなく、逆にそれを素材にして意外な真相を導き出すというのがアクセントになっているがミステリとしてはあまり出来がよくないので、やはりこれはパロディを愉しむのが吉だろう。
    しかし番組司会者の名前が黒田研二というのは何か意図があったのだろうか?また鑑定品が天下一大五郎の事件ゆかりの物というのが面白い。天下一大五郎は東野ワールドの影のシリーズキャラになりそうだ。

    最後の「誘拐電話網」も実に東野氏らしい作品。
    他人の誘拐児の身代金を要求されるというアイデアと学校や会社で使われる連絡網を組み合わせることで実に皮肉に満ちた作品になった。


    東野氏の裏ライフワークと呼ばれている(?)ブラックユーモア短編集『~笑小説』シリーズの第2弾。

    発表されたのは1996年。その頃の世相を反映していることもあってかネタ的には古さを感じる物もあった。

    子供の「お受験」対策の過熱化する多くの習い事や社宅族にある上司の奥さんとの付き合いやマニュアル社会や母親の過保護のせいでロボット化するマザコン息子など。テーマとなった社会現象や当時のドラマが目に浮かぶようだ。
    女流作家が題材となった作品は宮部みゆき氏や髙村薫氏ら女性作家の台頭や海外の女性ミステリ作家、いわゆる4Fブームが反映されているのだろうか。

    『あの頃ぼくらはアホでした』で吹っ切れたかのようにお笑い路線でも才能を発揮した1作目の『怪笑小説』からさらにその路線はエスカレートし、なんだか子供じみたネタまで躊躇せずに開陳するところがすごい。
    日常でありそうな事象を実に皮肉に、時に淡々と語る筆致はB級ギャグの応酬ともいえる。特にAVを観るために留守番を買って出るおじいさんなどは話としては脚色されているが、実際こんなジイサンいそうだな。かように慎ましく生きている庶民に訪れたある変化を面白おかしく綴っている。

    ここで注意したいのはこれらお笑い小説を書きながらも手法はミステリのそれであること。シチュエーション・コメディやSF的な設定においても最後のオチにつながるのは意外な結末である。「
    女流作家」や「つぐない」などはある謎が最後に明かされる(「花婿人形」もそれに当たる)。さらには「誘拐天国」や「誘拐電話網」など犯罪そのものの作品もその過程を愉しむことができる。
    いわばお笑いのオチとはミステリの謎解きにつながるものがあるのだ。
    余談だが、この短編集は誘拐で始まり、誘拐で終わっている。ミステリ読者を笑いの世界へさらっていき、最後にまた笑いの世界からさらわれたという隠喩と考えるのは…さすがに穿ちすぎか。

    特に国民的ベストセラー作家になった今でも『歪笑小説』と最新作を出すのだから作者の芯は全くぶれていないと云っていいだろう。それは全ての作品が絶版されていないことからも窺える。
    ふつうここまで売れっ子になると過去の出来の悪い作品などは封印してしまうのだが、東野氏は全ての作品に全力投球していると公言しているからそういうことは全くしない。素晴らしいことだ。
    東野作品を読む方はその作者の心意気をきちんと汲み取るべきだろう。

    とはいえあまり難しいことを考えて読むのもまた作者の意図には反するだろう。本書はその名の通り毒のある笑いを何も考えずに愉しむことが正しい読み方だろう。

    決して名作とか傑作とか評されることのない短編集だが、こういうのがあってもいいではないか。これもやはり東野圭吾氏なのだから。
    次の『黒笑小説』も楽しみだ。


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    Tetchy
    WHOKS60S
    No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    2作目

    怪笑小説に続き2作目になります。
    単純にどの話もさっくりと読め、面白いです。
    有りそうなネタから絶対にありえないだろみたいなものまで
    幅広いですね。
    12作もの作品が盛り込まれている本初ですが、
    個人的オススメは手作りマダムですね。
    もう笑わずにはいられなかったです。

    一話一話全く関係なく完結しているので
    ちょっとした時間があるときや他の本を読んで疲れた時の息抜きにもいいです。
    一気に全部読まないといけないようなものではないので
    軽い気持ちで手に取っていただいたらいいと思います。

    マビノギオン
    ETOPY8N1
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    No.116:
    (5pt)

    好きです。

    笑える。
    怪笑小説 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:怪笑小説 (集英社文庫)より
    4087488462
    No.115:
    (5pt)

    VERY GOOD

    東野圭吾ファンです、楽しく読んでます。
    怪笑小説 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:怪笑小説 (集英社文庫)より
    4087488462
    No.114:
    (3pt)

    あとがきがあった

    視点は面白いがどこか吹っ切れない短編集。かと思えば珍しく最後にあとがきがあり、作品ができた背景が語られている。それで半分すっきり、ネタがわかる人にはさらに面白いと思う。
    怪笑小説 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:怪笑小説 (集英社文庫)より
    4087488462
    No.113:
    (4pt)

    あとがきとセットでどうぞ

    久しぶりに東野圭吾が読みたいけれど、長編を読む集中力が最近ない。だから短編集があればいいなと探していて辿り着いた。

    まずは最初の鬱積電車を読み終えて「え?ここで終わり!?」となり、あとがきを読んでスッキリ。以降はあとがきから先に読んで物語を楽しむことにするとニヤニヤしながら味わうことができた。

    おっかけバアさんは、自分も推し活をたまにするけどここまではなるまい…って思ってる私のような人ほど予備軍かもしれないと震えた。
    しかばね台分譲住宅はカフェで読んでいたが、周りから見たらさぞ不気味だったろう。
    あるジーサンに線香を、を読んでアルジャーノンに花束をはドラマを少し見て辞めてたなと思い出したので、原作も読みたくなった。

    動物家族も面白かったけれど、全編通してオチが荒々しく思える作品が多く感じた。短編集はこういうものなのか、それとも20年以上前の作品だからなのか気掛かりではあるが、他の◯笑シリーズも早速ポチったところなので「他も読みたい!」と思えるぐらいには十分楽しめた。
    怪笑小説 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:怪笑小説 (集英社文庫)より
    4087488462
    No.112:
    (4pt)

    思っていた本ではなかった

    笑える小説を探して、まとめサイト等を巡りたどり着いた小説だったのですが、最後の2作は笑いどころは無く読んでいてしんどかった
    怪笑小説 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:怪笑小説 (集英社文庫)より
    4087488462



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