最後の逃亡者
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ソ連社会がどんなものかを教えてくれる。 能力ある人も自力で道を切り開くことができず、官僚統制国家に適応できる人が(余計な能力のない人)が威張れる社会。 小説の形で、男女・生き死にを含めて描いてくれることによって、人間の体臭レベルで教えてくれた。 | ||||
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ソ連の閉塞した空気。腐敗した役人。陰湿な捜査や手口。そういったものや情景。人。全ての下地がしっかりしている故にこの作品には物凄いリアリティーを感じる。そのリアリティーは並みのものではない。これは作者が貿易商社勤務をしていた事もあり、共産圏貿易の経験がある故に出来た作品だろう。これは彼にしか書けないものだと思う。 だが、作中の逃亡者五人のうち逃亡中にナターシャ、ビタウタスが死んでしまったのが悲しかった。愛し合う二人には是非とも亡命を成功してもらいたかったなと思った。更に、日本に来た岡部、エレーナ、アンナの内岡部とエレーナも殺されてしまう。一人残されたアンナにも死の影が伺える。結果的にこの作品の逃亡者は皆ハッピーエンドにはならない。ソ連…ロシアはそう易々とハッピーエンドなど与えてはくれない。その国の大地の様に冷たく重苦しい。そんな印象を与えられた。だが、今のロシアはどうなのかは今の私には知る由もない。 この作品はミステリー大賞を取っているが、どちらかと言えばミステリーよりも冒険小説の印象を受けた。 なおこの作品は 【第11回(1993年)サントリーミステリー大賞】受賞作。 | ||||
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舞台はペレストロイカ前夜のソ連。現地の女性と、ソ連在住の日本人商社マンが、それぞれ理由は違うが、ソ連治安機関に生命を脅かされる羽目になり、壮絶な逃避行を展開する。小説もとてもおもしろかったが、それよりも興味深いのは著者の身元。潜水艦のスクリュー音を低下させられる工作機械をソ連に密貿易した、東芝機械のココム違反事件を、当局に通報した人物である(東芝機械とソ連を仲立ちした商社に勤めていた)。この一件については、同じ著者のノンフィクション、「モスクワよ、さらば」に記されている。併読するとさらにおもしろさが増すので、本書に興味を持たれたら、ノンフィクションの方も一読をお薦めする。閑話休題、この小説はとてもおもしろかった。ひたすら逃げるだけの単純な話だが、とにかく無茶苦茶な迫力がある。また、著者はソ連滞在が長かっただけに、生き生きとしたソ連の描写がすばらしく、話に厚みを与えている。クライマックスの後の結びの部分は、冗長であるばかりか、とてつもなく暗くて、娯楽小説としてはいただけない。だが著者は、ココム違反摘発の "クライマックス" の後も辛い思いをし、その思いがこの暗いエンディングに反映されているのかもしれない…そう考えると興味深い。 | ||||
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舞台はペレストロイカ前夜のソ連。現地の女性と、ソ連在住の日本人商社マンが、それぞれ理由は違うが、ソ連治安機関に生命を脅かされる羽目になり、壮絶な逃避行を展開する。 小説もとてもおもしろかったが、それよりも興味深いのは著者の身元。潜水艦のスクリュー音を低下させられる工作機械をソ連に密貿易した、東芝機械のココム違反事件を、当局に通報した人物である(東芝機械とソ連を仲立ちした商社に勤めていた)。この一件については、同じ著者のノンフィクション、「モスクワよ、さらば」に記されている。併読するとさらにおもしろさが増すので、本書に興味を持たれたら、ノンフィクションの方も一読をお薦めする。 閑話休題、この小説はとてもおもしろかった。ひたすら逃げるだけの単純な話だが、とにかく無茶苦茶な迫力がある。また、著者はソ連滞在が長かっただけに、生き生きとしたソ連の描写がすばらしく、話に厚みを与えている。 クライマックスの後の結びの部分は、冗長であるばかりか、とてつもなく暗くて、娯楽小説としてはいただけない。だが著者は、ココム違反摘発の "クライマックス" の後も辛い思いをし、その思いがこの暗いエンディングに反映されているのかもしれないそう考えると興味深い。 | ||||
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