いつも優雅なドレスに身を包み、綺麗な靴を履いて観客席に現れるおっとりした女性・虹森多佳子。

江戸川乱歩の「一人の芭蕉の問題」を読んで感動した著者が、「文学精神と謎の面白さの全き合一を求めよう」と、推理小説の創作に取り組みだした最初期の二長編。

江戸川乱歩の「一人の芭蕉の問題」を読んで感動した著者が、「文学精神と謎の面白さの全き合一を求めよう」と、推理小説の創作に取り組みだした最初期の二長編。

復讐は未成年でもかめへんで。人類の基本的権利やからな。

駅からキャンパスまでの通学途上にあるミステリの始祖に関係した名前の喫茶店で、毎週土曜二時から例会―謎かけ風のポスターに導かれて浪速大学ミステリ研究会の一員となった吉野桜子。

ここ“エッグ・スタンド”はカクテルリストの充実した小粋な店。

架空の都市雁立市に住む風変わりな男―名は小城江保、人呼んで氷柱―が、ある日遭遇した少女の轢き逃げ事件を契機に、自身が途惑うほどの情熱に衝き動かされて犯罪行為に手を染めていく過程を描く曠古のクライム・ストーリー『氷柱』と、入院中の元刑事「おやじさん」が見舞に

昭和十八年、大戦の劣勢が次第に深まりつつある頃、探偵小説界の巨匠・天城俊策は“ペンの従軍”を拒んだために執筆の機会を全て失った。

夏の盛りの黄金色の日暮れ時に、私は四十代半ばの美しい女性と出逢った。暫し言葉を交わした見知らぬ旅人。

京都でナイトクラブを経営するジョアンナを夜毎襲う、鋼鉄の手をもつ男の悪夢。

今の東京の物騒なことはどうだ。看板は落ちてくる。

雪の予感がする早朝、小さな村から異変を告げる急報が入った。駆けつけた刑事を待っていたのは、凄惨な光景だった。

古い大学町周辺で次々に発見される惨殺死体。両眼をえぐられ、両腕を切断され…。

神保町に店を構える村雲書店の跡を継ぐのは長女の婿か次女の婿か？　余命幾許もない主人が考えだした後継者選びの方法――それは十冊の稀書の収集合戦だった！　即売会盗難事件の犯人は、跋扈する幻の愛書家の正体は、そして戦いの果てに笑うのは誰なのか？　当代の碩学が描く

極悪非道な強腰で成り上がった実業家鯉淵丈夫は、過去買ってきた恨みつらみも数知れず。

イタズラ電話が元で、凶行直後と思しき女の肉声を聞いてしまう男が、その内容だけを手がかりに犯人の正体に迫ろうとする『妻に捧げる犯罪』。

イタズラ電話が元で、凶行直後と思しき女の肉声を聞いてしまう男が、その内容だけを手がかりに犯人の正体に迫ろうとする『妻に捧げる犯罪』。

「…被告に終身刑を命じる。

【ヒューゴー賞・ローカス賞受賞】 幼年皇帝の摂政として惑星統治を委ねられた退役提督アラール。

本の街神田神保町でビルの所有者でもある古書店主が不可解な死をとげた。

友人ニコラの新作が彼を超一流作家に押し上げることを、私は読み始めてすぐに確信した。

池袋の書店を土曜日ごとに訪れて五十円玉二十枚を千円札に両替する中年男の真意は？　若竹七海提出のリドル・ストーリーにプロアマ十三人が果敢に挑んだ、世にも珍しい競作アンソロジー。

本と古本を巡る奇々怪々な人々を巻き込んで起こる様々な事件。

音信も絶え、生死のほどさえ分からなかった親友に、こんな大都会の片すみで、こうしてバッタリ座席を横取りされようとは…。

英国紳士の社交場―クラブ。憩いを求めて三々五々、会員たちは足を運ぶ。

三年に一度の地方検事選挙を控え、町はなにかと騒がしい。

しがない中二階なれど魅入られた世界から足は洗えず、今日も腰元役を務める瀬川小菊は、成行きで劇場の怪事件を調べ始める。

ある日突然、人間を攻撃しはじめた鳥の群れ。

夕闇せまるパリの一角、エレベーターに閉じ込められたジュリアンはそこから脱け出そうと悪戦苦闘していた。

我利我利亡者の地主、不気味な絵を描く洋画家、弾けなくなった天才ピアニスト、元博徒の顔役、腺病質な少年、書かない少説家…といった人々が住む小島、知る人ぞ知る“変人島”に続発した事件の犯人は?本格仕立ての『変人島風物誌』と、冒頭にプロローグとエピローグを並列し

寝たきりの母をひとり世話する老女。

怪奇小説の真髄は短編にあり、醍醐味はその語り口にある――一瞬の怪異も鮮やかなアスキス女史の佳品を筆頭に、狂気と超自然のあわいを描いたギルマンの逸品など、通にして手練れの三人が選り抜いた古典女流の十二編！

讃岐名物の「醤油豆」。焼いたカマスのすり身と味噌をこね合わせた「さつま」、黒砂糖と醤油で煮つけた豆腐と揚げの煮物。

卓抜なプロットを詩情豊かに描く本格推理の巨星・土屋隆夫の業績を俯瞰する待望の集成第二巻。

卓抜なプロットを詩情豊かに描く本格推理の巨星・土屋隆夫の業績を俯瞰する待望の集成第二巻。

2月29日の深夜、名士たちのパーティから一人の女性が姿を消し、翌朝、死体となって発見された。

十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。

謎の人物アスタロトを智慧袋に、正義感あふれる学生グループが金城学園大学の「革命」に乗り出した。

ひさしぶりに英国へと帰ってきた青年ロビンは、せっかくの休暇に殺人事件に巻き込まれてしまう。

オリーヴ・マーティン―母妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所に血まみれの抽象画を描いた女。

風光明媚な田舎町キャルベイの海から、少年の死体があがった。

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。

スーザン。彼女はとても美しい。

渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には、今日も怪異な現象に悩むお客さんがやって来る。

砂浜におりる階段の下にころがった死体がアンジェラのものなら、誰もが他殺と決めてかかり、少しも驚かなかったろう。

チャンスに恵まれない芸能エージェント、ビミー。

甲府有数の名士・八田家の当主が癌の告知を苦にして自殺を遂げた。

驟雨に洗われた坂道を疾走し、三途の闇に向かって崖縁を飛び越えた真新しいブルーの車体。

どしゃ降りの雨の夜。

橋の途中で消え失せた馬車、“小人”と書き残して密室で殺されていた車掌、行き止まりの廊下から消え去った強盗、誰も近づけない空中で絞め殺されたスタントマン等々、次々と発生する怪事件!全編不可能犯罪をあつかった、サム・ホーソーンものの初期作品十二編に加え、特別付

落馬事故による昏睡から目覚めると、彼はシャーロック・ホームズになっていた。

大伯父の誕生日を祝うべくマドック達は英国ウェールズを訪ねた。

1974年にヨーロッパへ取材した薔薇と香りの虚用書『薔薇幻視』『香りへの旅』を一巻に収録。

塔から飛び降りたはずの物理学者の死体が屋上で発見され、塔の下には別人が死んでいた…!?(「神なき塔」)、ノアの方舟を再現し来たるべき大洪水に備えようとした男が変死する事件の意外な真相(「ノアの最後の航海」)、死体となって見つかった後消失した当主のものと思し

新進デザイナーの春物コレクションのスケッチが盗まれた。次いで五万ドルの現金の要求。

新宿歌舞伎町で酔いつぶれた「おっぺ」こと小川兵介は、見馴れぬ場所で目を覚ました。

超小型ロボットを手がける民間企業で、二足歩行のマイクロマシンに人間が直接神経接続して操作する技術が生まれようとしていた。

18世紀、ジャージー島、子爵家の美少女ジュリエットの水浴姿を見てしまったジョンの父は、猟犬にズタズタに噛み殺される。

スミソニアン博物館では一大イベント、民俗フェスティバルが企画されていた。

妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。

かの名探偵シャーロック・ホームズの語られざる事件簿に、イギリス・ミステリ界の名手が挑む。

大学の文学部の教師の父親と、その優秀な教え子であった母親の次女として生まれた著者は、教育熱心な母親の指導のもと、18歳にして「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に「十八歳の自叙伝」を発表する。

ルフトハンザ航空3216便がテロリストにハイジャックされた。

1994年、ボスニア。カーラはすべてを失った。

学芸員でもないヘンリーに、突如インド展開催の命が下った。

ある晩、突然トビーを訪ねてきた娘は、事情も言わずに金を借りて去っていった。

バラクラヴァ農大が誇る酪農管理の第一人者で、“牛乳配達”と仇名される変わり者の教授が、友愛会の秘密の会合にでかけたきり、忽然と姿を消した。

『セントルイス・ニューズ』のエヴェレットは、事故で重傷を負った同僚の代わりに、その夜死刑になる男へのインタヴュー記事を担当するよう命じられた。

美しい薔薇園に包まれた邸に相沢花梨は嫁いだ。二番目の妻良江が謎の墜死をとげた直後。

ヘンリー・スクラッグズ、四十二歳、渉外業務室職員。新たな出向先、スミソニアン博物館へとやってきて半年。

あの猫丸先輩が、珍奇なアルバイト先で出くわす怪事件の数々。

捜査中の事故でモンクがすべての記憶を失ってから四カ月がたった。だが、いまだ記憶は戻らない。

自殺を図り奇跡的に助かったらしい写真家の女性は、昏睡から目醒めたとき過去数日間の記憶をなくしていた。

クロックフォード―どこにでもありそうな平和で平凡な町。

無人島とはこれまた古風な―とは言い条、お得意ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店“北斎屋”の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。

クリスマスを控えた町から、二人の少女が姿を消した。誘拐か?刑事ルージュの悪夢が蘇る。

表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。

アリスがまだ魔女や妖精を信じる幼い少女だったころ、親友のエルシーが突然姿を消した。

パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々―ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。

2034年、地球の夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包みこんだのだ。

彼女は脱ぎ捨てられた服のように横たわっていた。

「これは殺人じゃないわ。処刑よ」リディアは宣言した。

科学者ジョー・コリガンは見知らぬ場所で目を覚ました。

奇術師フーディーニは、ある貴族の屋敷を訪れた。知友のコナン・ドイル卿も招かれ、降霊会が催されるからだ。

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。

心霊学研究者モンタギュー博士は、幽霊屋敷として知られる「丘の屋敷」を調査するため三人の男女を呼び集めた。

デリカテッセンの開店記念パーティの最中に、倉庫で弁護士がハム用ラックの下敷きになって死んでいるのが見つかった。

中国の僧坊で伏虎拳の修得に余念がなかったニールに、父親にさらわれた二歳の赤ん坊を無事連れ帰れ、という指令がくだった。

邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。

シャワーカーテンの隙間からのぞく仮面のような顔。ぎらつく二つの目。

吹雪に閉ざされた屋敷では、折しも遺産争いの真っ最中。遺言も風変わりなら、集まった一族もこれまたちょっとおかしな人ばかり。

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

「あなたがどんな命令を受けているかはわかっています。

英国を代表する詩人トリストラム・アブリー。

不慮の事故で命を落としたクリス。彼がたどり着いた死後の世界は「常夏の国」と呼ばれる楽園だった。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

グルメ・ガイドブック『ル・ギード』の覆面調査員で元パリ警視庁刑事のパンプルムース氏は、編集長に呼び出され、ある秘密任務につくことになった。

五つの時計／白い密室／早春に死す／愛に朽ちなん／道化師の檻／薔薇荘殺人事件／二ノ宮心中／悪魔はここに／不完全犯罪／急行出雲／の十編を収録。