家族の行方
- 心理ミステリ (27)
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矢口敦子の第2作である本書は、偏見を承知で言えば、「女性だからこそ書けた作品」ではないか。 夫と離婚して大学生の息子の勇起と二人暮らしの女流作家「私」のところへ、いなくなった息子の明を探してほしいという依頼が舞い込む。私は探偵ではないが、勇起に励まされて明の失踪調査に乗り出す。ようやくたどり着いた岩手県の農家で、ふたりの死体と、ワープロに残された日記を発見することになるのだが… この日記には驚いた。なにしろ、本書の4分の1にも渡って展開するだけでなく、そこで綴られている年上の男性への思慕はやおい系のそれなのだから。さらに言えば、この日記は新たな謎をもたらすが、失踪の謎を解決してくれない。小説の結末で謎解きが一応行われるが、「とにかく、今回のことにはずいぶん偶然が重なっていた」というセリフが示すように、これほどご都合主義な物語はミステリとしては評価できない。 実は本書のタイトルは、「私」と息子そして失踪した夫の三人家族の行方も指している。明が年上の男性へ寄せる思いと、離婚した私が息子へ寄せる思いはその微妙な空気感において相似的だが、そこへ便所(!)を舞台とするふたつの事件(?)が謎として横たわることで、生理的な禁忌として読者に訴えかけてくる。これに嫌悪を覚えるかどうかで本書の評価が割れるところかもしれない。ただし、本作のミステリとしてのいびつさは逆に、家族とは何か、他者との関係をどう築くのか、という深刻な問いを前面に押し出す結果になっており、独自の個性として高く評価すべきだろう。 | ||||
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1994年に出た単行本の文庫化。 著者の実質的なデビュー作である。 読みやすい文章であるのは間違いない。しかし、その読みやすさに惑わされてスルスル読んでしまうと、何が何だか訳が分からなくなってしまう。というか、私はなった。 家族のなかに潜む不安とか、簡単に崩れていってしまう関係とか、農業の難しさとかが描かれているのだが、何が書きたかったのか、結局、最後まで掴むことが出来なかった。 みなさんは慎重に読み進めて欲しい。 | ||||
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