十年前に逝った妻子への贖罪の想いを抱え、日高は日雇い労働者としてひっそり生きていた。

高校一年の千幸は、父が電車内で痴漢を働き、咎めた男性を線路に転落死させたと知らされる。

親友・美佐子の突然の死を知らされた三十九歳の翻訳家・麻子。

36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。

裁判員制度勉強会で知り合った桜井香子に一目惚れして以来、一色知也の人生は、次第に暗がりへと呑み込まれていく。

弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。

梵貝荘と呼ばれる法螺貝様の異形の館。

安優海は臨月を迎え産休中。夫が寝言で女性の名前を呼び、浮気を疑い始める。

人は、死んだらどうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、凰介の母は病死した。

添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。

日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞 寒村でおきた殺人事件の犯人と疑われた大学生・静馬を救った隻眼の少女探偵・みかげ。

初めての恋めいた体験に胸をときめかせる大学一年生の直子。だが、彼女には姉・幸恵の存在が重くのしかかっていた。

雪に閉ざされた山荘に、UFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女性作家、癖の強い面々が集められた。

刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。

過去に金のために卵子を売った木綿子と、不妊に悩みその卵子を買った絹恵。

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

オンライン塾の講師・能見が、「高校生の息子が四十八歳の先生に誘惑されている」というクレームのあと失踪。

妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。

旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の中西社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。

女性教師が自宅で変死-- 謎が謎を呼び、推理が推理を呼ぶ 貫井徳郎 本格ミステリの最高傑作! 女性教師はなぜ死んだ? 多重解決ミステリの神髄!! 小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。

中学一年の史子は、生まれる前の記憶があると語る不思議な女の子シーちゃんと友達になる。

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。

夏生は人工呼吸器なしでは生きられない。ある日入院してきた瑞江と、彼女の恋人の双一郎と出会う。

幼い命の死。報われぬ悲しみ。

ネット上で募集した小説に殺人予告が含まれている。執拗な脅迫が、作者の蘇芳千尋に届いた。

極秘来日していたオノコロ国のトップが“暗殺”された。自首したのは、衆議院議員の息子で創薬研究をする大学院生・一臣だった。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。

あの強固な呪縛から、いつか解き放たれたかった。

ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。

色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。

「普通じゃないのよ、この家は」 十字屋敷の主人・頼子がバルコニーから転落死して四十九日。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

猟銃を持った殺人犯(黒のキング)が、妻・友貴子(白のクイーン)を人質に我が家に立てこもる。

史上初！ 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい！」という声が続出した話題作。

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む―『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。

神田川病院に勤務する医師の早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、患者の気持ちがわからないのが悩みの種。

望むことは、罪ですか？　誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったＤＶ男との逃避行──。

高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。

塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?― ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編! ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。

共同下宿の古アパートで起きた、ミニコミ誌制作サークルのメンバーを狙った連続殺人の真相は? 青年探偵・森江春策初登場作にして本格ファン必読の第1回鮎川哲也賞受賞作。

完全黙秘の容疑者。その背景には何が? 後山の指令で、長く完全黙秘を続ける男を取り調べることになった大友。

ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。

「精神鑑定」に真っ向から挑む感動作! 「心神喪失」の通り魔犯に娘を殺された夫婦。

子どもへの性犯罪が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。

自らが犯した不祥事で職を追われた元警官の佐伯修一は、今は埼玉の探偵事務所に籍を置いている。

どこに行っても喫煙者には肩身の狭い時代になった。

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。

死んだはずのあの男がいた。

かつて売買されたひとつの卵子が、16年後、殺人鬼に成長していた。凄惨な現場に残された「VS」の文字に秘められた謎とは―。