天国は遠すぎる
- アリバイ (477)
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「天狗の面」:ある村で新興宗教に端を発した奇怪な連続殺人事件が起こり・・・というお話。日本の地方特有のどろどろとした土俗性に本格推理小説の合理性を持ち込んだ作品。この小説は私の勝手な憶測ですが、横溝正史の影響の元に書かれた物ではないかと思いました。横溝の日本の土俗性に合理的精神を持ち込んだ傑作の影響下にある様に思えました。単なるマネといったら著者もファンも怒りそうですが、まだ土屋氏の独自性が発現していない憾みが感じざるを得ませんでした。☆3つ。 「天国は遠すぎる」:若い女性の自殺が多発する中、ある自殺だけが他殺の疑いが持たれ・・・というお話。疑獄事件にアリバイ崩しと言えば、松本清張の名作「点と線」がどうしても頭を過りますが、こちらもその影響下にあるか多大な影響を受けたと思わざるを得ない作品の思えました。悪くはないし、実際完成度は高いですが、やはりまだこの著者の個性が発揮されているとは言いがたいと感じました。☆3つ。 という訳で些か厳しい評価になってしまいましたが、この二作以降はこの人にしか書けない独自の推理小説を発表して、日本の推理小説界に特異な位置を占める存在になる、言わば過渡期作だと思いました。ですのでこの著者のファンで初期はどういう物を書いていたかが気になる人向きかも。 なので読んで面白いですが、この人の実力はまだまだこんなもんじゃないと思いました。 それと飛鳥部氏の解説がこの著者の秘められたエロティシズムに言及した画期的な評論に思い、必読だと思います。 この著者のまだ習作を二冊合わせた合本。この人のファンとお暇な方はどうぞ。 | ||||
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第3回乱歩賞最終候補(受賞作は仁木悦子『猫は知っていた』)となった第一長編『天狗の面』(1958年)は土俗的風俗描写の中に濃厚な不可能犯罪の興味を盛り込み、緻密な謎解きの面白さを堪能させる傑作。トリックメイカーとしての才能が既に全面発揮されている。 1959年発表の『天国は遠すぎる』は秀逸なアリバイトリックの名作。著者の美点である叙情性がプロットと有機的に結び付いている。 昭和三十年代という時代背景に馴染みが無い読者はやや読みづらいかもしれないが、両作品とも乱歩の評論「一人の芭蕉の問題」に刺激され、本格探偵小説の興趣と小説としての完成度の両立を目指した若き日の巨匠の情熱がほとばしるようで胸に迫るものがある。 | ||||
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探偵役である刑事が、自殺と思われた事件に引っかかりを感じ、真実を探って靴をすり減らす、といういつもの構成。 だが、作者ならではの、なぜその殺人が行われたのかといった点に視点をあてている点で、ただの推理小説に終わらないものがある。 とはいえ、トリックが割に安直であり、また、物語も今となってはありふれた感もあり、作者が狙った文学精神と謎の面白さの合一が達成出来ているかは少々疑問が残る。 50年以上も前に書かれたことを思えば、優れた作品であることには違いないが、現代においては、あまり期待しない方がいい。良質なエンタテイメントとしては楽しめる。 | ||||
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