繭の夏
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第六回鮎川哲也賞佳作。北森鴻著『狂乱廿四孝』に競り負けた形です。『狂乱廿四孝』が相手では仕方がないか…残念! 自殺した従姉がかつて住んでいた部屋から見つかった人形には殺人を告発するメッセージが。好奇心から探偵活動を始める姉弟のひと夏。情感豊かな描写と瑞々しい筆致で描かれる「スリーピング・マーダー」テーマの一冊であります。 派手な事件に遭遇することなく、かつての関係者たちの許を地道に訪ね歩いて話を聞いてまわるという展開の繰り返しで退屈させずストーリーを進めていく手際がまことに鮮やか。 それだけにトンデモがかった動機やバカミス紙一重のメイントリックは脱力してしまうところですが、それを補って余りある、もう一つの「真相」の衝撃が素晴らしい。青春ミステリの魂を揺さぶる大傑作。 | ||||
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端正なミステリー小説。文章が良くテンポもいいので読みやすい。 導入部は少々地味ですが、中盤あたりから物語展開にグイグイと引き込まれます。 少々の粗があっても気になりません、なぜ今まで敬遠していたのかと悔やまれる傑作ミステリー。 ラストの心の叫びは重く苦い、ハンマーのような破壊力で胸を打つ。 | ||||
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トリックや動機は偶然に頼り切ったこじつけが多く、全てにおいて ご都合主義すぎ。本格ミステリとして期待するとがっかりします。 ヒントや伏線はかなりわかりやすく提示されているんですが、 犯行との関わり方に無理がありすぎて納得できませんでした。 ただ、この作品の場合は、そういった欠点を払拭するほど、 成長物語、青春小説としての出来がいいです。 学生の視点で見た「夏休みの最後の2週間」の描写が上手く、 また主人公姉弟のキャラクターが等身大で、超人的な推理力が 備わってるわけでも、社会的・金銭的に恵まれてるわけでもない、 きわめて普通の学生なところに感情移入できました。 引越しの荷物整理の描写や、関係者に話を聞きだすところも 学生ができるいっぱいいっぱいという感じで微笑ましいです。 キャラクターの魅力というより、描写全体が瑞々しい魅力に溢れています。 ラストの後味も別段悪くありませんでした。 現実的で主人公たちの成長を感じさせる、いい終わり方でした。 | ||||
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1995年に出た単行本の文庫化。 第六回鮎川哲也賞の佳作に輝いた作品。なかなか巧みな文章、魅力的な登場人物、思わせぶりな展開と新人離れした力量を感じた。読んでいて「なぜ佳作止まりなのだろう?」と疑問に思ったほどだ。しかし、結末まで読むと本賞を取れなかった理由が良くわかってしまう。謎の解きほぐし方があまりにも下手。というよりも謎の作り方がお粗末。期待が高かっただけにがっかりだった。 とはいえ、謎の部分をどうにかすれば将来性の高い作家だと思う。もっと読んでみたくなった。ところが、調べてみると第二作の『模造殺人事件』は2004年の出版。10年もの間隙がある。どういう事情があったのか知らないが、とりあえず読んでみようと思う。 | ||||
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いわゆる「バカミス」系の新本格華やかなりし時代に発行された、オーソドックスな本格ミステリ。過去に起こった「かもしれない」殺人事件の謎を追って、大学生と高校生の姉弟が時を遡行する“回想の殺人”モノです。地味な印象があったため、最近まで手を付けずにいましたが(実際たしかに地味ではあるのですが)、読み終えてみると、これは想像以上に良質なミステリでした。帯に「青春ミステリ」と銘打たれているように、活発な姉・祥子と内省的で読書好きな弟・敬太郎のやりとりが初々しく、テレビドラマにしてもいけそうな感じです。ただしトリック的に映像化は難しいでしょう)。本格的としてもしっかり伏線が張られており、着地もきれいに決まっています。犯行の動機は「?」ですが、おそらく作者としては確信犯的な試みかと。読了後は、過ぎ去り、二度と帰らない青春時代への切ない想いが胸に残ります。若竹七海さんの解説も二重丸。 | ||||
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