模像殺人事件



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初公開日(参考)2004年12月
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長編小説

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模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)

2004年12月11日 模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)

木乃家の長男・秋人が八年ぶりに帰郷を果たした。大怪我を負ったという顔は一面包帯で覆われている。その二日後、全く同じ外見をした“包帯男”が到着、我こそは秋人なりと主張する。二人のいずれが本物ならんという騒動の渦中に飛び込んだ大川戸孝平は、車のトラブルで足止めを食い、数日を木乃家で過ごすこととなった。日頃は人跡稀な山中の邸に続発する椿事。ついには死体の処理を手伝いさえした大川戸は、一連の出来事を手記に綴る。後日この手記を読んだ進藤啓作は、不可解な要素の組み合わせを説明づける「真相」を求めて、ひとり北辺の邸に赴く。 (「BOOK」データベースより)




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No.9:
(5pt)

10年かけて構成された、240頁

作者は1995年、鮎川哲也賞に佳作入選した人で、この本はそれから10年後に書かれた、「第二作」なのだそうです。

物語の最初、山中で迷った小説家が、山奥に豪邸をみつけ、助けをもとめます。その家には、8年ぶりに帰郷をはたしたという、「包帯で顔をおおった男」が「ふたり」います。「本物の長男」は、はたしてどちらのほうなのか…

解説の千街昌之さんが、この作品はいかにもそうした横溝らしい要素をおりこみながら、「ほらほら、横溝ですよ」という感じは希薄で、この作品はパスティーシュ小説とは無縁のところに身を置いている、ということを書いておられて、本当にその通りだなあ、と感じました。

この作品は、たとえばスーザン・ヒルという現代作家が、アン・ラドクリフの恐怖小説やヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」に骨格を学んで「黒衣の女」を書いたのと同じように、あくまでも古典の「外見のコピーではなく骨格を習得すること」によって作りあげられた、現代に再構築された「オリジナル」なのだ、という感じがします。
(そして、佐々木俊介がこの物語の教科書にした探偵小説は、「横溝」のほかに、やはり「鮎川哲也」なのだろうという気がします。)

描かれているミステリーは、作中に「誰が殺した、いかに殺した、問題はそんなところにない、問題はこの屋敷で何が起こったか、ということだ」というせりふが出てくることからも明らかなように、「ホワットダニット」の謎です。

この本にのっている千街昌之の解説は、いかにもこの人でなくては書けないもの、という感じがします。(小説のラスト頁から、「解説」にはいる本の流れが、とてもいいです。)

この本が作られてからさらに10年たっているので、もしかしたらそろそろ3作目がでないかな、とか、そんな話は、ないのかなあ。
模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)より
4488012035
No.8:
(5pt)

“そこで何が起ったのか?”――《ホワットダニット》テーマの秀作

隠遁の富豪一家のもとに、長らく音信不通だった長男を名乗る
男――頭部を包帯でグルグル巻きにした――が二人も現れる。
マイナー推理小説家の大川戸は、道に迷い、成り行きでその家に
泊まることになったのだが、いずれが本物ならん、という騒動に
巻き込まれ、遂には殺人事件にまで立ち会う羽目に陥ってしまう。
のちに大川戸は、そこでの出来事を手記にまとめたのだが、ある男が
それを入手し、旧友の進藤啓作に依頼して事件の真相を探ろうとする。
なぜなら、彼らの共通の知人が、この事件
にかかわり、行方不明になっていたからだ……。
『犬神家の一族』や『曲った蝶番』を彷彿とさせる発端、手記をもとに安楽椅子探偵
スタイルのディスカッションが行われる中盤、そして探偵役が現地に乗り込み、犯人
と対峙してホワットダニット――「その屋敷で、いったい何が起こったのか?」を解き
明かす終盤、と展開されていく本作。
「二人の“包帯男”の正体はそれぞれ誰なのか?」という謎が軸になりますが、
あまりそれに囚われすぎると、著者の仕掛けた“罠”にまんまと嵌り、事件の
全体像を見誤ることになります(“包帯男”という、いかにもなガジェットは、読者
の目を真相から逸らす、巧妙なミスディレクションなのです)。
真相が明かされると、それまで読者に提示されていた構図が反転し、
手記に記されていたさまざまな場面の意味が、まったく違うものになる
という精緻に計算し尽くされたプロットが圧巻。
物語としては起伏に乏しく、淡々とした印象ですが、複雑に絡まった因果の糸を
鮮やかに解きほぐしてみせる解決場面のプレゼンテーションの巧さは特筆もので、
地味ながら独自の世界観を描き切った秀作といえると思います。
模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)より
4488012035
No.7:
(5pt)

“そこで何が起ったのか?”――《ホワットダニット》テーマの秀作

隠遁の富豪一家のもとに、長らく音信不通だった長男を名乗る
男――頭部を包帯でグルグル巻きにした――が二人も現れる。

マイナー推理小説家の大川戸は、道に迷い、成り行きでその家に
泊まることになったのだが、いずれが本物ならん、という騒動に
巻き込まれ、遂には殺人事件にまで立ち会う羽目に陥ってしまう。

のちに大川戸は、そこでの出来事を手記にまとめたのだが、ある男が
それを入手し、旧友の進藤啓作に依頼して事件の真相を探ろうとする。

なぜなら、彼らの共通の知人が、この事件
にかかわり、行方不明になっていたからだ……。

『犬神家の一族』や『曲った蝶番』を彷彿とさせる発端、手記をもとに安楽椅子探偵
スタイルのディスカッションが行われる中盤、そして探偵役が現地に乗り込み、犯人
と対峙してホワットダニット――「その屋敷で、いったい何が起こったのか?」を解き
明かす終盤、と展開されていく本作。

「二人の“包帯男”の正体はそれぞれ誰なのか?」という謎が軸になりますが、
あまりそれに囚われすぎると、著者の仕掛けた“罠”にまんまと嵌り、事件の
全体像を見誤ることになります(“包帯男”という、いかにもなガジェットは、読者
の目を真相から逸らす、巧妙なミスディレクションなのです)。

真相が明かされると、それまで読者に提示されていた構図が反転し、
手記に記されていたさまざまな場面の意味が、まったく違うものになる
という精緻に計算し尽くされたプロットが圧巻。

物語としては起伏に乏しく、淡々とした印象ですが、複雑に絡まった因果の糸を
鮮やかに解きほぐしてみせる解決場面のプレゼンテーションの巧さは特筆もので、
地味ながら独自の世界観を描き切った秀作といえると思います。
模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)より
4488012035
No.6:
(4pt)

ノスタルジック本格ミステリー

どうやら10年振りの第2作目という事らしいですが、なるほど、満を持してという感じの質の高い作品でした。全編に漂うレトロな雰囲気、それでいて現代だとはっきりわかる不思議な設定。この雰囲気こそが、この作品の最大の売りかもしれません。一方、包帯で顔を隠した怪しい男(二人も!)に加え、精神を病む少女も登場するなど、様々なガジェットを用いても決して安っぽくならず、トリックの切れ味も悪くありません。物語は平板な印象がありますが、本格ミステリーとしては良い出来栄え。リーダビリティよりも雰囲気を重視している点で、もしかすると好みは分かれるかもしれません。
模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)より
4488012035
No.5:
(4pt)

ノスタルジック本格ミステリー

どうやら10年振りの第2作目という事らしいですが、なるほど、満を持してと
いう感じの質の高い作品でした。
全編に漂うレトロな雰囲気、それでいて現代だとはっきりわかる不思議な設定。
この雰囲気こそが、この作品の最大の売りかもしれません。
一方、包帯で顔を隠した怪しい男(二人も!)に加え、精神を病む少女も登場す
るなど、様々なガジェットを用いても決して安っぽくならず、トリックの切れ味も
悪くありません。
物語は平板な印象がありますが、本格ミステリーとしては良い出来栄え。
リーダビリティよりも雰囲気を重視している点で、もしかすると好みは分かれる
かもしれません。
模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:模像殺人事件 (創元クライム・クラブ)より
4488012035



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