スピリット・リング
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内容のレビューではないので申し訳ないのですが、日本語訳の『スピリット・リング』のkindle版をクリックすると原書のThe Spirit KingのKindle版が表示され、レビューは日本語版を読んだ方々のものが表示されています。まぎらわしいので、日本語訳のKindle版がまだないのならリンクを切ったほうが良いと思います。Kindleで読めると思ったのにがっかりしました(文庫版は字が小さいので)。 | ||||
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これほど楽しめた物語は、初めてです。ひねくれたレビューばかり書いていましたが、 この作品に対しては脱帽です。素直に感謝と敬意を表するしかありません。 今私にあるのは、満足感と一抹の寂しさ。続編を切望しています。 読めば誰もが、ふたりと仲間の暮らすモントフォーリアの運命への期待に 胸を膨らませずにはいられないのではないでしょうか。 | ||||
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時代はルネサンス、場所はイタリア。 大魔術師にして金属工芸家ベネフォルテは、二つの仕事に取り掛かっていた。 一つはモンテフォーリア公サンドリノから発注された黄金の塩入れで、それを使えば全ての毒が無効化されてしまうという魔法の品。 もう一つは自身の名声を確固たるものにするべく、ベネフォルテが総力を注ぎ込んでいるペルセウスのブロンズ像。 16歳になる娘のフィアメッタは父の仕事を手伝いながら、自分でも指輪などの小さな作品を作るまでになっているのだが、結婚願望も出てくる年頃で、ペルセウス像のモデル役をしているサンドリノ公の衛兵隊長、ウーリ・オクスに密かな恋心を抱いている。 ベネフォルテは、サンドリノ公の娘ユリアとロジモ公フェランテの婚約の祝典ににおいて、完成したばかりの黄金の塩入れを披露することとなり、フィアメッタとともに伺候するのだが、目出度い席は思いもよらぬ裏切りと殺人の現場となる。 フェランテが義父となるはずであったサンドリノ公を殺害し、モンテフォーリアを我が物にせんとの魂胆を明らかしたのだ。 フェランテとその部下によって殺戮が行われるモンテフォーリア城から、ベネフォルテ親子は魔術の才覚によってなんとか脱出に成功するのだが・・・ タイトルとなっているスピリット・リング(死霊の指輪)とは、その持ち主に死者の魂と力を隷属させる恐るべき魔法の品で、教会からは邪悪なものとされているのだが、知識欲旺盛なベネフォルテは、その原理にも通じており、フェランテの指輪から束縛されている霊を解放する。 しかし、皮肉なことに逃避行の途中で追っ手に捕まり命を落としたベネフォルテの魂は、指輪を再生させるために利用されようとするのだ。 兄ウーリの紹介でベネフォルテに弟子入りせんとスイスから来た鉱夫トゥーリ・オクスと偶然出会うこととなったフィアメッタは、魔術にも造詣の深いモンレアレ司教を頼り、力をあわせてフェランテとその部下である魔術師ニッコロ・ヴィテルリに対抗して行く。 ロジモから援軍が到着してしまえば、モンテフォーリアは完全に敵の手中に落ちて、全ての努力は水の泡となる。 一方、死後も大魔術師の才覚でスピリット・リングに囚われまいとするベネフォルテではあるが、こちらも時間の問題であり、彼が一旦屈すればフェランテの力は世界を揺るがすほどに高めてしまう。 この二つのタイムリミットが、物語をスリリングにしていて厭きさせない。 ファンタジーにおける女性の主人公のというと、お転婆であったり男勝りであったりする一方でそれ以外の特質について重視されない場合が多いが、フィアメッタは控え目ながらも実際的な性格だ。 多少ファザー・コンプレックスな部分も含めて、女性作家のみが生み出せたキャラクターと言えるのではないだろうか。 また、著者あとがきを見て少し驚かされた。 実在の人物や時代を設定に用いていることから、多くの参考文献があったようだが中でもキーとなったのは、死者の恩返しに関する民間伝承の論文、採鉱と冶金学の論文、そしてベネフォルテのモデルとなっているベンヴェヌート・チェリーニの自伝の三冊だという。 驚いた理由は、最後の一冊は著述上の必然としても、他の二つの論文との関連性が低く、論文相互にあっては殆ど無関係と言えるからだ。 三つの言葉から一つの話を生み出す日本の話芸「三題噺」を彷彿とさせるようなこのエピソードは、作者の発想力の豊かさを如実に示しているように思える。 そんな才能を持ったビジョルドの書く作品は、ファンタジーに限らずきっと面白いに違いない。 | ||||
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「ハリー・ポッター」シリーズ以外でこの手の「剣と魔法」的な作品は読んだことがなかった。 中世を舞台に大魔術師の娘が繰り広げる「死霊の指輪」を操る邪悪な者たちとの戦い。城郭都市や建物の描写、鉱山労働の様子、金細工師、彫刻家、貴族の暮らしぶりや衣装、飲食物などまで、描写が細かくてもの珍しい。洋服の素材やひだの描写まで、さすが女性作家という気がする。 主人公の少女のキャラクターが現代的で活き活きしていて、周りの大人と協力して悪に対抗していく、そんな成長が見ものだ。大成しなかった魔術師でもある修道院長が抱える魔術の実力に対する劣等感や、主人公と行動を共にする元鉱夫が近衛隊長であった兄に持つ感情など脇役も個性的な人間として描かれている。敵役とその参謀である黒魔術師でさえ、時に魅力的に描かれている。 魔術あり、肉弾戦あり、ドラマあり、ロマンスありで500ページ超の物語もあっという間だ。 | ||||
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良く出来たファンタジーらしく、あきさせぬ展開。 かなり魔法の素質がありそうなのに,女だからと認めてもらえない ヒロインのフィアメッタが実にいきいきと描かれている。 彼女の前向きな行動力、これに穏やかながら誠実で芯の強いトゥールが 組み合わさって,魅力的な作品になっている。 | ||||
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