影の棲む城
- 異世界 (87)
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何回も読み返して表紙がボロボロになってしまったので、もう一冊買い増し、表紙を交換しました。同じ初版なのに程度もよく、嬉しかった | ||||
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「チャリオンの影」、「影の棲む城」、「影の王国」からなる三部作の第二部で、ヒューゴー、ネビュラ、ローカスの3賞受賞につられて読んでみましたが、とても良くできたファンタジー活劇、と言った感じでした。 よくある中世騎士物語で、それほど斬新さは感じませんでしたが、中心となるファンタジーらしい仕掛けは良く練られています。次々にイベントが起こり、緊迫した場面ではスピード感のある描写になるなどテンポの良い展開で、上下巻を一気に読み終えることができました。特に下巻はもうちょっと、もうちょっとと読み進めるうちに朝になってしまうという高校生以来の経験をしてしまいました。 第一部の「チャリオンの影」はイマイチだったのですが、本作品はこれがベースになっているので、できれば読んでおいた方がより楽しめると思います。また、第三部は残念ながら本作品の続きではないそうです。 このように本作品には満足していますが、これが3賞受賞作という点については、近年のSFの凋落ぶりを感じずにはいられません。ヒューゴー、ネビュラのダブル・クラウン受賞作には、砂の惑星、闇の左手、ニューロマンサーなどの全く新たな世界観を提供してくれる斬新な作品がキラ星の如く並んでいますが、本作品はこれらと比べると小粒感が否めません。才能のある人達は必ずいるはずですが、何処へ行ってしまったのでしょうか? | ||||
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チャリオンを蓋っていた呪いは忠実な家臣カザリルによって取り払われ、愛娘イセーレは国主になるとともにイブラ国子を婿に迎えたが、イスタ国太后の心は晴れない。 今は亡きアイアスは立派な国主だったかも知れないが誠実な夫であったとは言えず、19歳でチャリオンに嫁いでから40歳を迎えるこの年まで、彼女の半生は呪いと義務に縛られたものだった。 故郷のヴァレンダで廷臣や女官達に囲まれてはいるものの、母親の最後を看取った今ではイスタを真に理解する者はなく、このまま宮廷の中で朽ちていくのかと思うと居たたまれなくなる。 意を決したイスタは、周囲の反対を押し切って巡礼の旅へ出ることにした。 その身分からすれば供は僅かであるものの、安全には充分配慮された旅程のはずだったが・・・ イスタにとって「巡礼」は名目上のことで、ヴァレンダを離れるために用意した尤もらしい口実なのだが、神々に対して恨み骨髄に達している彼女のことだから、巡る先々の聖地に唾を吐きかけるぐらいのことは計画していたのかも知れない。 イスタ一行はチャリオンと敵対するジョコナ公国の軍隊と遭遇してしまうのだが、間もなくボリフォルス郡侯アリーズ率いる一隊によって囚われの身から救われることに。 旅の途上、イスタの夢の中で彼女に助けを求める謎の男性(with 小鳥)が幾度か現れていることもあり、ここからロマンスに発展してイスタが精神的に救われれば物語の王道というところなのだが、ボリフォルズの砦に案内されたイスタは、そこでアリーズから彼の妻カティラーラ(18歳の美少女)を紹介される。 その存在と惚気癖によってイスタと読者に深刻なショックを与えるボリフォルス郡妃だが、彼女のアリーズに対する一途な思慕の情は予想外に大きな呪いをボリフォルスに、引いてはチャリオン国に及ぼそうとしていた。 一種の逃走であった巡礼の旅の目的は庶子神の介入によって一転し、今再び呪いへ立ち向かうことをイスタに求めるが、彼女は過去にもチャリオンから呪いを取り除くべく尽力し、意図せぬ事ながら殺人という苦い結果に終わっている。 砦の外で行われる血肉の戦いに並行して描かれる、魂を相手にしたイスタの戦いは、彼女の深い葛藤とともに大きな見所だろう。 軽々に神が顕現するファンタジーはチープに感じられるものだが、人に働きかけることでしか力を及ぼせない<五神教>の神々は、見方によってはリアルな存在と言える。 また、異世界ファンタジーには国家や世界全体を巻き込む壮大なものが多いが、そのような目で見ると本書で描かれるのはさして重要とも言えない一地方の城砦の防衛戦に過ぎず、国太后という高貴の身分とは言えどもイスタはチャリオンの歴史上では脇役であり、更に定石から外れた中年の主人公でもある。 舞台としての異世界や架空の歴史を入念に整備しつつも、それへ執着することなく、背景を持った主人公を活かすべく比較的小規模な時間/空間の中で物語を展開させた定石破りは、結果として前作以上にのめりこませる効果を生み出している。 | ||||
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ファンタジー小説の世界に浸ることができます。しかも作者はあのビジョルドですから、シーン毎の描写を堪能できます。私は「士官候補生」からビジョルドの本を読み始めましたが、スペースオペラの世界とはまた違った異世界のストーリーを楽しみました。いったん読み始めるとなかなか途中で止められないのがちょっと困ります。 | ||||
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「チャリオンの影」の続編です。 中世ヨーロッパを思わせる異世界を舞台にした、ロイス・マクマスター・ビジョルドのファンタジー作品、「五神教シリーズ」の第二弾になります。 「影の棲む城」は、前作「チャリオンの影」の時代から3年後のお話で、話の流れが続いています。 読む場合は必ず「チャリオンの影」を読んでからにしましょう。そうしないと、話の流れが分からないです。 「チャリオンの影」に出ていた登場人物の多くが共通して出てきます。 ただし、前作で中心的な役割を果たした人たちは、今回は一切ストーリーに絡みません。 ですから前作を読んで、登場人物に思い入れを持って「続編を読みたい」と今作を手に取ると、肩すかしを食らいます。 ストーリはつながっていますが、作品としては別だと思って読んだ方が良いでしょう。 「影の棲む城」は、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞という SF大賞3つを受賞した傑作です。 ただ、前作の主要人物たちが活躍しないので、そこに物足りなさを感じる人が多いかもしれません。 前作の主人公はくたびれているとは言え、三十代半ばの男性でした。 男性読者にとってはすんなりと感情移入でき、とても楽しめる作品になっています。 今回は、四十代前半の中年女性(イスタ)が主人公です。 なんだかロマンスも期待できそうにない配役ですよね。 「影の棲む城」は間違いなく傑作ですが、男性読者の場合は前作「チャリオンの影」の方が面白いと感じるかもしれません。 逆に、女性読者だと今作の方が面白く感じるはずです。 上巻では最初「巡礼の旅」という感じで、割とのどかに話が進みますが、途中でイスタ不可思議な夢を見始めます。 また、神がちょっかいを出してきているんじゃあるまいか。イスタは嫌な予感を覚えます。 さらに政情不安なご時世ということで、敵性国の軍事作戦に巻き込まれてしまいます。 とろがそれは単なる軍事作戦ではなくて、前作の呪いとも関係する(不思議な夢とも関係する)、五神と人間世界との因縁に関わるトラブルだったのです。 イスタは否応もなく、トラブルの解消をせざるを得なくなる、という感じで下巻のレビューに続きます。 | ||||
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