ラブホテルで盗聴したテープを心ときめかせて聞いた雑誌編集者の宮脇平助は、それが死の演奏への序曲だと知った。

枯野の襖絵に点睛を加えるために、初めて会った芸妓に野原で扇を落させる流れ絵師。

検事朱子は不倫な関係にある郷原と飛騨の旅に出た。旅の後、傷害致死事件が発生。

2020年は著者没後30年。 再び味わいたい、池波正太郎の世界。

「あの島には悪霊がとりついている】額から血膿の吹き出した凄じい形相の男は、そう呟いて息絶えた。

あの島には悪霊がとりついているーー額から血膿の吹き出した凄まじい形相の男は、そう呟いて息絶えた。

現代推理小説界の気鋭が綴る女の微妙な心理や主婦としての日々。

同時に、しかも別々に誘拐された美貌の妻と娘の悲鳴がはるかに聞こえる。

天井から垂れ下がった糸をつたって、乳色の液体がしたたり落ち、眠っている美女の唇に吸い込まれていった。

命を賭した忍術合戦!美しきくの一たちが仕掛ける妖艶な忍術とは…。

青江又八郎、26歳。江戸・裏店(うらだな)にて、生活のため用心棒稼業に手を染める。

第3回（1967年） 谷崎潤一郎賞受賞

22時48分着の下りで浜松に降り23時29分発の上りで帰る、それを繰り返した女が一週間目に死体で発見された―。

何者かによって父を殿中で殺され、家禄削減を申し渡された加乗与四郎が、事件の真相をあばくまでの記録『花杖記』。

思わぬゆき違いから結びついて、たがいに激しく憎悪しあうようになった男女が、太平洋にただよう小さなヨットの中で殺意をむき出しにして対決した。

スキー宿をかねた温泉宿からの「幽霊をまた出してくれ」との珍妙な依頼に、物部太郎が相棒・片岡直次郎と赴くと…。

衣子は白昼、幽霊を見てしまった!岩本武夫は車にはねられ病院で息を引き取ったはずだ。

コインロッカーを胎内としてこの世に生を受けたキクとハシ。巨大な鰐を飼う美少女アネモネ。

居酒屋でいつも黙って一升桝で飲んでいる浪人、松村信兵衛の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語『人情裏長屋』。

東京都内の空地で大学生が殺された。犯行時被害者と情交中だった女性は、警視庁の一柳刑事の妻だった。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

昭和36年7月、神奈川県の小さな町で、飲み屋を営む坂井ハツ子の死体が見つかった。

いつも通り上機嫌で出勤していった夫の謎の失踪。妻の祥子は惑乱と絶望のなかで夫を探す。

昭和36年7月、神奈川県の小さな町で、飲み屋を営む坂井ハツ子の死体が見つかった。

わたしは夫であるあなたを殺します。女であれば誰しもが夫に抱く憎悪が、殺人にまでふくれあがったからです……。

紀尾井財閥グループの帝王椎名が危篤。その二人の娘が乗る小型飛行機が、北アルプス“幻の谷”に墜落した。

三井三池の騒然たる大争議のさなかに、突如炭住地区をおそったポリオの流行、そして従兄の死……細菌をばらまく黒い手の正体を追う男に謀略機関の影がまつわる

十代将軍・徳川家治の治世、八嶽党と名乗る謎の徒党をめぐる凄絶な暗闘。本格時代小説の復権を求め久々の登場。

犯行の奥にある非人間的な意志、犯人を仕立てあげようとする検察当局の権力意志。

雷鳴とどろく、晩秋のパリ郊外。

合戦の最中、敵が壊そうとする橋を支える丸太がわりに自分の足を使い、片足を失う『一人ならじ』。

叔父の命を受け、丸部道九郎が訪れた屋敷は、過去の忌まわしい事件の数々より幽霊塔と呼ばれていた。