出雲伝説7/8の殺人
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.67pt |
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出雲地方の各列車に届けられる七つのバラバラ死体。 | ||||
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トラベルミステリーの吉敷シリーズの2作目にあたる作品とのこと。御手洗シリーズとは違い終始地味な印象ですが、個人的には結構好きですね。 | ||||
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御手洗シリーズと違って一般大衆を購読ターゲットにしているせいか、吉敷シリーズは読みやすさを重視した文体を採用しており、平板な印象を受ける。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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『島田荘司全集 II』で未読だったのは、『嘘でもいいから殺人事件』だけである。これを読了すると、未読の作品は、最近の作品いくつかだけになり、ぼくの中で島田作品が初めから連続して繋がり、ほぼ網羅できたことになる。 そして、最初にいつものように『後書き』から読みだした。すっかり癖になっているようだ。ここでの4作は、作家として島田荘司が最も苦労していた時期にあたり、相当に辛い目にあっているのが分かる。胃痛に苦しみながら書き上げ、全て1984年に冷たかった講談社以外からリリースされている。 特にカッパ・ノベルスを有していた光文社の人たちとの交流は、心にしみる内容だ。吉敷誕生や、『寝台特急『はやぶさ』1/60秒の壁』のタイトル誕生の話など、島田荘司のファンとしては、驚くことばかりだ。 この苦しい時期に生み出された4作は、作家島田荘司のファンダメンタルをしっかりと確立した。この辛い時期を乗り越えなければ、『本格』も無かったのだなあ、と思ってしまう。 多くの読者は、この時期の作品を読み飛ばしてしまうような気がする。島田作品の一部だけを読み、こうした当時の経緯を知らずに語っている気がする。それでも良いのかもしれないが、それでは真の島田荘司の理解には至らないだろうとぼくは思う。 全てを読む。当時の状況も知る。それ無くしては絶対に真の理解へは到達しない。ぼくはそう確信している。 | ||||
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初出が1988年ですから、30年ぶりに「出雲伝説7/8の殺人」(島田 荘司 文春e-Books)を再読する。 先日、出雲を旅して「島根県立古代出雲歴史博物館」を見て回り、「出雲国風土記」に魅了されたことがきっかけになったのかもしれません。 ストーリーは敢えて記述する必要がないと思います。DNA鑑定がない時代のミステリーですが、よき「昭和」の時代のトラベル・ミステリー+「八岐大蛇伝説」によるバラバラ殺人、変形アリバイ崩しミステリーとして今でも充分読むに耐えるしっかりと<アーキテクチャ>が構築されたパズラーだと思います。 1点だけ、<寝台個室内の殺人>については、(取り敢えず目をつぶるにしても)少し納得のいかない説明がなされているような気がします。何らかの痕跡は残らないのだろうか? とは言え、幕切れの余韻、抒情には魅了されました。<古代の里>から神々の一人が地上に降りてきて、導いて、また<古代の里>へと帰還していったような、そんな爽やかな風を感じさせる幕切れだと思います。 | ||||
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吉敷刑事もののなかでは最も正統派の鉄道の時刻表がトリックに絡んでくるトラベルミステリーです。個人的には吉敷ものでは本作が最も出来不出来は置いておいて好きな作品です。実際に鉄道に乗り、犯人のトリックが可能かどうか検証する前半はこれぞ鉄道ミステリーという感じがして本作の最大の魅力だろう。反面、後半になると犯人が割と早くに明かされ、出雲の歴史にかかわるネタと絡み、本格推理としての側面はやや揺らぐが、ラストの犯人への仕掛けまで、最後まで全く飽きさせない島田氏のストーリー展開は見事。初期の島田氏のトリックのアイデアの豊富さが堪能できる。 | ||||
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ばらばらにした死体を鉄道を使いばら撒く.....この奇抜な着想が冴えまくる吉敷シリーズの第二作。中核となるレール自体は基本に忠実な トラベル・ミステリーもののフォーマットをとっているが,作中のブルートレインとは違ってこちらの列車はとてもカラフル。怪奇や猟奇, 人間ドラマ,出雲神話や八俣の大蛇が感じさせる果てしないロマン...それらを圧倒的な空想力で組み立てている。 それが凄い速度で色を変えながら,文字どおり綾なしながらレールの上を突き進む。取って付けたように平面上を塗りたくったのではなくて, あくまでそれぞれの側面が光沢を放って輝いている。その発想力を結晶化した精巧無比でコクの深いストーリー構成....恐るべし島田。。 | ||||
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オリジナルは1984年リリース。『占星術殺人事件』を連想させる事件でスタートする『出雲伝説7/8の殺人』は途中から出雲伝説も登場し、後の『ロシア幽霊軍艦事件』を連想したりさせる。そういった色々なファクターを組み合わせるその着想が無茶苦茶冴えている。初期中の初期の作品でありながら、既に島田作品の全てを持っているような出来映えに感激してしまった。 島田作品をリリース順にしてみると、 占星術殺人事件(1981年)→斜め屋敷の犯罪(1982年)→死者が飲む水(1983年)の次が、寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁(1984年)・出雲伝説7/8の殺人(1984年)・北の夕鶴2/3の殺人(1984年)と繋がる。つまり、当初『ミタライ』をスタートさせておいて、一方でトラベル&警察もの的な『ヨシキ』をスタートさせたことになる。つまり、それだけ島田氏としては書いておきたいタイプの作品だったことを感じる。 それにしても初期作品でありながらすばらしい完成度である。その着想と構成力に脱帽です。 | ||||
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