確率2/2の死
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確率2/2の死の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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『眩暈』、『アトポス』、そして『異邦の騎士』と、所謂島田流「本格ミステリ」が御伽噺めいた幻想性を前面に打ち出しているのに対し、この吉敷シリーズは市井の犯罪を描く贅肉を削ぎ落とした「本格推理小説」。 | ||||
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島田荘司の『確率2/2の死』を読了した。これは、収録されているモノすべてが未読だった『島田荘司全集IV』で読んでいる。これが実に良い、ということに気がついた。と言うのは、全てが改訂完全版となっていることもなのだが、後書きの中で、島田荘司自身が当時を振り返りながら、執筆当時のエピソードに触れているのだ。これがとても面白い。 この『確率2/2の死』と、『サテンのマーメイド』・『夏、19歳の肖像』の3作は、出版社にホテルに缶詰にさせられて書いたらしい。 そのため、『確率2/2の死』は、1985年9月に光文社文庫書き下ろしで、『サテンのマーメイド』は、同じ1985年9月に集英社からハードカバーで、『夏、19歳の肖像』は、翌月10月文藝春秋社からハードカバーでリリースされている。つまり、島田荘司はこの時期、出版社から新人作家として続々と作品をリリースできるかを試されていたのだ。 この『確率2/2の死』に至っては、ホテルに籠もる際にアイデアのストックも無かったらしい。そして、島田荘司はこの後書きの中で、後輩新人作家たちに、ストックを蓄え、充分に準備して周到に準備して臨めとアドバイスもしている。ホントに優しいヒトだと思う。 そういう状況で書かれた一作ではあるものの、島田荘司の基本 ・まず、ありえないくらいの奇想がある ・その奇想をいくつかの別の奇想が加わり、より深い奇想になる ・それを最後には論理的に帰結させてしまう は、完全に確立してて感心してしまう。すべてがしっかりと構築されている。 後書きを読み進むと実に面白い。のろのろとした講談社の対応の中、『占星術』と『斜め屋敷』がなかなか文庫化されず、恩義を感じているカッパ・ブックスに、『占星術』と『斜め屋敷』の文庫化を持ちかけられた話や、多くの賞に落選する中、暗中模索する島田荘司にビックリしてしまう。やはり、時代はというか出版界の重鎮たちは『清張病』とも言えそうな病にかかっていて、この天才の本質を見抜けなかったのを感じる。だから落選するのだろう。 そういった中、天才が暗中模索し、地肩の強さで乗り切っていく様も見える。そういう作品である。 | ||||
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ページ数も少なく、大掛かりな仕掛けやトリックもないので、短編集とかに収録したほうがいいかなと感じました。 プロ野球選手の息子が誘拐される不可解な事件と、ある主婦にしか見えない同じ曜日に同じ場所を徘徊し続ける車。こういった“奇怪さ”には島田さんらしさを感じましたが、やはり全体的に物足りないかな。 夕鶴や水晶特急のような長編を読んだあとの息抜きにはちょうどいいかもしれません。 | ||||
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島田氏の人気シリーズ吉敷刑事ものの文庫書き下ろし作品。島田氏の作品では御手洗ものより吉敷刑事もののの方が個人的に好きなので、本作も本格ミステリーというよりは誘拐サスペンスものとしての動きのあるストーリー展開で一気に読ませてくれる。吉敷ものとしては上出来の作品である。 | ||||
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文庫書き下ろしで刊行された本作は、ひとことで言えば誘拐ミステリである。 当時、著者がメインとしていた吉敷もの。 この吉敷ものはノベルス刊行だった だが本作は、文庫のイベントか何かで、いきなり文庫版となった。 そのせいかどうか。 島荘でもやはり刊行されるスタイルには、こだわりがあったのだろう。 そう思わせるほどほど、本作の完成度というか密度は低い。 もともと吉敷ものは、御手洗ものでは名を馳せられなかったための、妥協作という色が強い。 だから本格テイストも、「北の夕鶴〜」以外は御手洗ものと比べると弱い。 しかし、予想外にヒットしてしまった。 そのため、なかなか御手洗ものが刊行されなかったのだろう。 それでも本作は、そこらの社会派もどきノベルスミステリよりは、ずっとミステリとしてのレベルは高い。 そして、そのストーリーテラーぶりは、さすがである。 しかし、吉敷はどうしてここまで組織の中で苦悩する設定なのだろう。 メインの読者であるサラリーマンへの迎合だろうか。 島荘には似つかわしくないスタンスなのだが。 | ||||
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なーんか、しょうもない真相でした・・。 殺人事件も起こらないし、ライトバンの謎はちょっと良かったけど、それくらい。 いきなり始まって、吉敷が走り回ってるのはビックリしたけど・・。 巻末にアルあとがきが良かった。ちょうど、光文社文庫に以来を頼まれただとか、光文社が文庫発刊したときのエピソードが書いてありました。 | ||||
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