涙流れるままに



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初公開日(参考)1999年06月
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長編小説

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涙流れるままに〈上〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)

2002年01月01日 涙流れるままに〈上〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)

吉敷竹史の元妻・加納通子は、「首なし男」に追われる幻影に悩まされていた。その原因は、数奇な運命に翻弄されてきた自らの半生にあるのではないかと思い至る。過って級友を死なせた事件。婚礼の日に自殺した麻衣子と、直後の母の変死。そして柿の木の根本に埋めたあるものの忌まわしい記憶!?通子は少女時代に体験した数々の悲劇の真相を探る決心をしたが…。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

涙流れるままにの総合評価:8.65/10点レビュー 23件。Aランク


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全2件 1~2 1/1ページ
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(9pt)

吉敷、男泣き

吉敷竹史シリーズの第一部完結編とでも云える本書、その中でもとりわけずっと謎めいた存在で登場していた元妻、加納通子との関係への総決算的作品となっている。

加納通子の生い立ちから述べられる本書は今までの『北の夕鶴2/3の殺人』、『羽衣伝説の記憶』、『飛鳥のガラスの靴』、そして『龍臥亭事件』全てを一貫して補完する形で、これらの作品の間に隠されたサイドストーリーを余すところなく、描いている。摑み処のない悪女といった感じの加納通子という女性が、今回ではじっくりと描かれる。
その描写は、「業」と表現されるある種呪われた血が流れている途轍もない生い立ちを以って語られるが故に匂い立つほどの存在感を醸し出している。この通子の物語は島田作品らしからぬあまりに世俗的な表現を多用しており、駅の売店やコンビニなどで売られている三流官能小説のテイストを備えており、正直辟易はした。

一方、吉敷側のストーリーは反りの合わない上司がある女性と食堂で話していることを偶然見かけたことをきっかけに、40年前の冤罪事件を自分の性に従い、解明しようとする物語である。
これは当時島田氏が手がけていた『秋好事件』の経験を活かしたもので、吉敷が冤罪事件の捜査で出くわす関係者の反応、やり取りは多分に自らが行った秋好事件の再調査での体験がそのまま反映されているのだろう。現実の世界での秋好事件が再審にならなかった無念をこの小説内で語られる恩田事件で晴らしているかのように感じた。

加納通子がこの恩田事件に冤罪であることを証明する決定的な証人であるという設定は結構盛り込みすぎだという印象が拭えなかった。というのも今まで島田氏が語った吉敷シリーズ3作と御手洗シリーズ1作に関わっている通子がさらに40年前の冤罪事件にも関わっているというのがいかにも作り物めいていて一人の人物に設定を詰め込みすぎだろうという印象が強くなってしまった。
恐らく作者もその辺を理解していたのだろう、通子の生い立ちに費やした筆はかなりのもので今まで日本各所に点在していた通子についてそれらを結ぶ線を無理なく仕上げようと腐心しているのが解った。最後に通子が鶏肉が苦手である理由がこの恩田事件によることだというエピソードはかなり秀逸で、これを持ってきたがために、通子が語られた当初から作者はこのストーリーを想定していたのではないかと思わされた。

そして吉敷。この男はシリーズを重ねるたびに存在感を増しており、しかも言葉遣いも心なしか変わってきているようだ。登場当初は単なる刑事に似つかわしいダンディという設定以外、何の特徴もなかったが通子の登場、上司との軋轢、殺人課での孤立という状況変化を経て、その人と成りがヴィヴィッドに浮き上がってきている。

今回、この600ページ前後の上下巻では島田氏の語りたいテーマがかなり網羅されているように思う。
冤罪事件、組織改革、記憶もしくは脳に対する研究。これらをモチーフに通子と吉敷のストーリーを仕上げる手腕は相変わらず凄まじさを感じる。
人物を語ることに重きを置いたこともあり、不可能犯罪的要素は薄められてはいるものの、やはり最後で切断された首の問題、殺人現場の不具合を論理的に解明するあたりは島田本格面目躍如といった感じだ。

▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

島田荘司らしいヒロイン

里美といいレオナといい通子といいどうしてこう島田荘司という人は業を背負った美女というのが好きなのか。通子の元旦那を主人公にしたシリーズは読んだことが無いのだが、この2人の離婚の原因は多分旦那が自分が思っていたほど妻を理解していなかったというか、性欲の強さや本当の姿に気づいてあげられなかったことなんじゃないかと思った。

ヘッポコ屋敷嬢
XG82ACXM
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No.21:
(5pt)

とにかく良かった

読み応え有り
ホント良かった。面白かった。一気に読み込みたい気持ちと読み終わりたくない気持ちと交差して。
読み終わった今大きなため息とどっと疲れた感じ。
涙流れるままに〈下〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:涙流れるままに〈下〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)より
4334732615
No.20:
(5pt)

吉敷竹史シリーズの集大成!

元妻通子のあまりにも悲劇的な半生は読んでてしんどかったけどラストは最高のハッピーエンド^^
吉敷シリーズをリアルタイムで読んでいた読者さんは吉敷さんと一緒に長い間の苦労が報われたんじゃないでしょうか?

私は二年前に御手洗シリーズで島田荘司さんを知ったんですが両シリーズ共ホント読んで良かったです。
涙流れるままに〈下〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:涙流れるままに〈下〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)より
4334732615
No.19:
(5pt)

再購入

昔読んで、また読みたくなったので購入しました。
涙流れるままに (上) (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:涙流れるままに (上) (カッパ・ノベルス)より
4334073433
No.18:
(5pt)

とにかく読んだ方がよい。明日、死ぬかもしれないのだから。

完全完璧な作品。(世の中に完全完璧なものってあるんだな)ストーリー展開が完璧。伏線も全部回収でそれがまた驚きと感動を呼ぶ。主人公の女性の設定が、その人生の、そのセクシャリティの設定が最高。なんて蠱惑
的な人だろう。会ってみたい。本当に。人生を歌い上げて最後には底知れぬ暖かさがある作品。ぜひ読んでみてくれ。
涙流れるままに (上) (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:涙流れるままに (上) (カッパ・ノベルス)より
4334073433
No.17:
(5pt)

タイトルの如く

30年前に読んで涙流したことを思い出し
また購入して読んだ。内容は全然覚えていなかったから初めて読む感じがした。
やはり最後には大粒の涙が溢れました。
推理小説もたまにはいいなぁと思いました。
涙流れるままに〈上〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:涙流れるままに〈上〉―吉敷竹史シリーズ〈15〉 (光文社文庫)より
4334732607



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