清里高原殺人別荘
- クローズド・サークル (178)
- 清里高原 (1)
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大発掘コレクションと銘打っている通り、ベースは1988年刊行と36年前の作品。 ブラウン管のテレビや連絡はスマホではなくコード付きの固定電話。 時代を感じるな... 台詞の言い回しも何やら芝居掛かっていて、こちらも昔の作品ならではか、懐かしい。 物語は冬の清里。 何やら犯罪を犯したらしい5人の男女が清里のとあるペンションに逃げ込むところからストーリーは始まる。 大学生の彼らが逃げ込んだ先は、とある金持ちが息子のために建てたもので、無断で入り込んだ彼らに思い掛けない災厄が降りかかる。 その意外な結末は... 最後の最後で明かされる真相は、想像とは異なる...そう来たか。 途中覚えた違和感が最後に氷解。 一部、はっきりしない部分はありましたが、概ね満足かなと。 秋江嬢、結局、関係があったのか、空似か。 空似の方かな。 そこだけが引っかかる。 | ||||
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35年前、清里がまだ行楽地として賑わってたいた頃に発刊された作品の改訂、リライト版です。 ラノベコミック風の新装丁です。 | ||||
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著者の作品を手に取るのは「リア王密室に死す」に続いて2作目。 今回はいわゆる「雪の山荘」物で、閉ざされた空間で連続殺人が起きる。 完全に孤立した状態ではないので、殺人が起きた後で脱出することも可能なのだが、ある理由によってその場所にとどまらざるをえなくしているのは上手い。 また、真相はまったく予想だにしなかった内容で、完全に意表を突かれた。 ただし、一部の犯行についての実行手段が明示されていないのと、殺人の動機が個人的に釈然としなかったのは残念。 とはいえ、全体としてみれば、巧妙な伏線を散りばめた巧緻な本格推理小説だと思います。 蛇足ながら、一言。 「リア王」のときにも感じたが、解説での賞賛や宣伝コピーは少し大げさではないだろうか。 不遇の作家に光を当てたいという熱意や売りたいという出版社の事情も分からぬでもないが、期待値を上げ過ぎることで、かえってその作家の正当な評価を妨げる結果になることもあるのでは、と危惧しています。 | ||||
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雪の山荘につどった六人の男女のあいだで起こる、不可解な連続殺人事件。まさに典型的な閉ざされた空間での謎解き本格推理だが、最後で見事な背負い投げをくらわされた。しかも、こんな方向からこんな格好で技をかけられるとは…。投げ飛ばされて前後の視界が逆転するなか、前半のあのエピソードもあの出来事も、なるほど伏線だったのかと、伏線の妙に感嘆しながら一本取られた快感にひたれた。『龍神池の小さな死体』ほど、人間ドラマとしての深みや特異な雰囲気を味わわせるほどの筆は凝らされてはいないが、そのぶん読みやすく、読み始めたら一気に終章まで読み進んでしまった。山荘もの、館もの、クローズドサークルもののお好きな方、スッキリ読めてシッカリ騙されたい方、オススメです。 | ||||
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昭和が終わるぎりぎり(昭和63年11月)に刊行された館モノミステリであります。裏表紙のあらすじには「迷宮館」などと謳っているんですが、本編中ではそんな名称はまったく出てこないので唖然呆然。 犯罪を企てて隠れ家にするため清里の山荘にやってきた大学生5人+偶然に居合わせた先客の美女1人。 お約束のように連続殺人が発生するのですが、展開が早いこと早いこと、普通の館モノだったら一夜が明けて死体が発見されるところでしょうが、本書の場合は初日の夕食中に最初の犠牲者が出てしまうという超スピード展開。それからも展開の飛ばすこと飛ばすこと…。 1988年…といえば、まさに新本格のムーブメントが始まった初期も初期。ミステリ業界のそんな潮流を横目に見て、年季の入ったベテラン作家(刊行当時60歳)が「いまはこんなのがウケるの?」という感じで手を出してみたものの、世代と感性の違いはいかんともしがたく、横溝正史や高木彬光なんかが昭和20~30年代に書いていた通俗ミステリみたいな雰囲気になってしまいましたとさ。 著者自身はもしかして若者向けに軽いノリを心がけたつもりだったのかどうか、下世話な話題の連続にはただただ苦笑い。 実のところ、殺人事件の真相そのものは凝ったものではございません。一番怪しい振舞いを繰り返している人物が、ストレートにそのまま犯人だったりします。 本書のミステリとしての仕掛けはむしろ殺人事件の外枠にあるんですが、こちらもけっこう伏線があからさま。メインのアイデアはとてもよかったのになんでこうなったのかという感じ。 大学生たちは銀行強盗のグループで、登場人物いわく「銀行強盗といっても、これまでの類型を破った、ちょっと誰も気がつかない斬新な工夫ばかりが盛り込まれた」「最高学府のインテリ学徒が、最高の知恵を集めて実行した偉大な事業」とのことですが、読者の目線からはとてもそんな立派なものとは見えない穴だらけな計画のため、すっかり信用してしまう主人公はもしかしないでもアホなのかと。 何しろこの主人公くん、自分で考えるということをどこかに忘れてきたようなキャラクター。空気は読めないし粗忽で鈍感で無神経で、すでに犠牲者が出ているという状況で他の仲間に断りもなしに(恋人の御機嫌取りのつもりで)買い物に一人で出かけてしまったりして、その言動にいちいち苛々させられるのですが、彼がそんな性格だからこそ犯罪計画が成り立ってしまうのだから実に困りもの。作劇上の必要ということで納得はするんですが、やっぱり苛々させられるんだから仕方がない。ひと皮剥けて自分で判断ができるようになったというより、またまた他人の主張に流されてしまったようにしか見えなくて大丈夫なのか、あんたたち。 その他の登場人物たちも、セリフで説明される人物評と実際の描写がまるで一致しておらず、全体に展開の都合に合わせて動いている感がとても強いです。主人公を引っ張り込んだ恋人なんて、描写だけなら考えなしのヒステリー女なのに、他人からの評価は「かなり成熟して、落ち着いた感じ」だし。詰まるところ、世間知らずでエリート気取りで理論倒れな大学生たちが束になってかかったところで、ブラック企業に勤めて修羅場をかいくぐってきた相手の手練手管には太刀打ちできませんでしたというお話。 最後の最後で引っ張るだけ引っ張って登場したリーダーの沢木さんの扱いがいろいろひどくて、笑ってしまうぐらい。 | ||||
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