紅い蛾は死の予告
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最終章で明かされる真相の一端が、章題に書かれてしまっている。 章題を見れば、推理小説ファンなら「まさかそんなバカなことが・・・」と、ある想定ができる。 だが、そのバカなことが真相なのだ。 大胆不敵なトリックの破壊力に賭けた長編小説である。 伏線は綺麗に引かれていて、最終章で意外な真相に収斂するよう書かれている力作であることは間違いない。 この章題さえ別の言葉だったら、傑作だったと思う。 | ||||
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幻想味溢れる耽美な映画「紅蛾綺譚」は、18年前実際に起こった事件を元としていた。 主演女優となった小栗久美子は、自殺したとされる女性の役になりきってその心理を追う中で、 事件に疑問を覚えるようになる。 助監督のトリちゃんと協力しながら探偵を続ける内、18年前の事件を思い起こさせるような、 殺人事件が起こってしまう。 映画のシナリオと現実とを交互に書いているので、慣れるまでが読みづらいです。 しかし「あくまでフィクション映画である」という括弧にくくることによってのみ描くことができたであろう、 現実離れした幻想的なシナリオは、好きな人にはたまらないでしょう。 白い顔をした着物姿の美女が胸を槍に刺し貫かれ、その死体の周りを燐粉を撒き散らしながら飛ぶ 大きな紅い蛾の大群、そこに青い光を放つ蝶の群れが交錯し・・・というように実に美しい視覚的イメージ。 こういうものも書けるのに、敢えて本格、通俗、というところにこだわった梶龍雄の本気が垣間見えます。 探偵役の久美子がヘタな推理を開陳せず、解答編まで事件についての考えを持ち越すことで、 話全体のテンポがよくなっているのが好印象。 映画の撮影の様子や、著者お得意の美しい自然描写を挟むことで、捜査パートも読ませます。 そこに巧みな誤導や意外な真実までついてくるのですから、欲張りな意欲作、お得な佳品だと言えるでしょう。 と言っても本当の注目ポイントは、こんな構成、こんなストーリーを思いつく著者の、 いい意味での頭のおかしさかも知れませんが。 | ||||
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