フォッケ‐ウルフ・コンドルが雲をつき破って機影を現し、〈サン・アンドレアス〉の船尾に向かって直進してきた。

「お母さんは、私の幸せなんて望んでいない」 父を亡くし、編入した華族女学校の卒業式した海棠妃奈子は、 見合いを逃れる術(すべ)を探していた。

兵庫県芦屋市にある、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。元イケメン俳優の海里もすっかり店に馴染み、美食について勉強中。

“息子を誘拐した。

衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。

松浦静山の下屋敷に飯炊き女として潜入した織江は、ついに静山の密貿易と野心の証拠をつかんだ。

指が愛おしそうに鍵盤を撫で、暖かく快い音がピアノからこぼれだす。

事件は人間の内にある。 直木賞受賞後、第一長篇。

金沢の内灘砂丘で奥越農業組合の融資課長の田中完一の焼殺遺体が見つかった。

流れ落ちる滝のような一条の白い線と、梅の花びらを思わせる美しい紋様―。

謎めいた会館クラブ“レトロ館”。招かれた滞在客は誰もが主人を憎んでいる―。

房総半島の先にそびえる巨大な観音像を参拝に訪れた少女。

突如記憶が中断してしまい、謎に満ちた世界を手探りで行動する男。

「僕という人間を形作った出来事は、すべてその川の近くで起こった。川が見える場所で母を失い、川のほとりで恋に落ちた。

教科書騒動、不毛な対立、イジメ、セクハラ、不倫、密室殺人?ちょっとヘンな教師たちを相手に孤軍奮闘、元警察官・志保の推理が冴える!日本の教育現場の歪みに警鐘を鳴らす、書き下ろし長篇ミステリー。

吹き溜まりの街、ザ・メイン。いろんな人間たちが破れた夢を抱えて生きている。

本格ミステリの勢いが止まらない！作家・評論家が厳選した、年に一度の短編傑作選。

理想の植民星を発見した探査船ケンタウルス号。

かつて花魁を務め、今は切見世に落ちた女郎の白川が斬殺された。

アニーは胸の高鳴りを抑えられなかった。自分の企画した〈クリスティー記念祭〉が、ついに開幕するのだ。

軍隊の常識、戦場の生活、敵との戦闘、生と死。

斬るか斬られるかの厳しい剣の世界で死と隣り合わせに生きる剣客たち。

第四十六回直木賞受賞作―本書は、芥川賞の純文学と、直木賞の大衆文学の壁を取り払った記念すべき作品と評価の高い名作。

ここに凝縮された人生がある―銃弾飛び交い、硝煙渦巻く苛酷な生と死のはざまで、ひたすら戦いつづけなければならなかった名もなき下級兵士たちの真情と人間愛を謳いあげた感動の戦話集。

しがらみを乗り越えて結ばれる恋。はかなく消える恋。

鬼怒川沿いの大きな宿場町、阿久津。行き交う多くの人々で賑わいを見せているが、何かと事件も多い。

凄腕の御用聞・風車の浜吉が、懐かしい根津の地に戻った。

直木賞作家が生と死の戦場を鮮やかに描く実録兵隊戦記。

第二次世界大戦末期、欧州戦線から米本国に帰還した日系二世のミノルは、世界発のコンピューター、「エニアック」の開発に参加する中、日本への原爆投下が間近であることを突き止める。

夫と息子の横暴に耐えきれずに家出した主婦のミラは、職を求めるうちに情報部の事務職に採用される。

病院で刺殺事件が起きた。被害者は田久保仁。

「その映画スターは彼が生まれて初めて恋した相手だった。

中越・永生藩の山村から、奇妙な男が江戸に送り込まれた。

美術を専攻していた学生時代、教授の嫌忌を受けて不遇の人生を送らざるを得なくなった俺は、知り合いの骨董屋が持ってきた贋作を見てある“事業”を思い立つ。

ポアロは巨額の財産をもつ老婦人エミリイから命の危険を訴える手紙を受けとった。

御家騒動から七年後。相良藩の江戸留守居役となった金杉惣三郎は、財政の建て直しに忙しく、我が子とゆっくり向き合う暇もない。

十津川警部、最後の事件は 壮大にして華麗なトリック！ SLやまぐち号の5号車と乗客32人が 走行中に姿を消した。

1992年の静かな2月なかばの朝。

元警視庁公安部外事三課の警察官・安宅真。

大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。

週末に毛利家に宿泊した八人の男女。下宿人の新人小説賞受賞を祝ってささやかなパーティーが催されたのだ。

愛する男に妻がいる―。19歳の女子大生松本涼子の恋人・内島は妻あるエリートサラリーマン。

容疑者は……怨霊!?　 警察庁の本庁地下４階に存在する「第二種未解決事件整理係」。

イングランド北西部の小村イルスウェイト。何百年も続くこの村を偶然二人の男女が訪れた。

「この三百万で、亜里紗を買いたいんだ」。自分を捨てた美しく高慢な妻。

多香子は、届いた手紙を手にして息を呑んだ。それは、母の親友・郁子が、死の直前に出したものだった。

巣鴨の路地裏にひっそり佇む、遺影専門の写真館。祖母の奇妙な遺言が波紋を呼ぶ(「一つ目の遺言状」)。

権の魔に魅入られた者の業は深い。将軍家斉の父一橋治済、執政から外れた松平定信、御三家の一角水戸徳川家。

第2次大戦中、母と妹を惨殺した元少尉・加賀山が与党の有力政治家になっていることを知った玉城正一は、怨みを晴らすべく屋敷に忍びこんだ。

「大声を出したら、こいつで刺すぞ」更級はサバイバルナイフの切っ先を女の背中に押しつけた。

一昼夜走る過酷なレース。コースに現れたのは…… 24時間で、走った距離を競う耐久マラソンレースは過酷なもの。

日々をだらしなく過ごす19歳のフリーターのぼくは、フリージャーナリストの従兄と共に、《知性の窓》という能力研究団体の潜入取材をする。

自社の贈賄を発見したアデナは、上司である恋人の関与も同時に知ることになった。

郵便ポストの連続放火事件が発生! 郵便探偵の配達員・瞳子は事件解決に乗り出すが、新人・周防からの好意に戸惑い、普段の調子が出ない。

「永神のオジキは、映画館の話でいらしたんですか?」興味津々の若い衆に、阿岐本組代貸の日村は心の中で溜め息をつく。

我が子を失った夫婦、イジメに遭い転校を決意した少女、離ればなれになった家族の再生を願う少年、妻の介護に疲れ死に場所を求めて旅に出る老夫婦、絶縁した父の余命を聞き故郷に戻る青年……鉄道を舞台にした感動の家族ドラマの最新作。

アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス。都市の忙しなさと、田舎のマイペースさを併せ持つこの土地で連続して起きた奇怪な老人の死。

1937年の東京。隅田川で拾われた男が病院に運ばれてくる。

生彩に富む筆致が興趣をかきたてる贋作ホームズ物の第三短編集!古代遺跡に怪異な物語が展開する「アドルトンの悲劇」、ヨーロッパを股にかけた知能犯との対決「モウペルトイスの醜聞」、そして集中の白眉「スミス‐モーティマーの相続」では、ホームズが推理の才を遺憾なく発

妙なる楽器の音色と、血も凍る殺人劇との組み合わせ。そのアンバランスぶりが、いわゆる音楽ミステリの妙味となろうか。

生駒山の池で家族が遭遇した怪異が、時を超えて繰り返される「拉致された？」、高層マンションの窓に張り付き、ニタッと笑っては落ちていく男が不気味な「二十二階の男」、祖父母の家で少女が出会った赤い着物姿の子ども、祖父が見せた光景に震撼する「蔵の中」、その家に住ん

最終戦争後の世界。幼いころから苦楽をともにしたぼくと親友ゴンゾーは、一種のトラブルシューターとして活動している。

脳天唐竹割り、四方斬り、眉間割り、潜り袈裟…。一流の舞に似た、厳しく美しい剣のかたち。

「幽霊は人間の脳によって生み出される」―数学者フェルマーの名を騙りネットに現れる怪しい3D映像。

妻の依頼で不倫中の夫を尾行していた私立探偵・西連寺剛は、当の夫・桑原にあっけなく見破られて面食らう。

横溝正史没後40年記念復刊! 金田一の日常生活をも浮き彫りにする異色作 築地の橋下で発見された若い女性の変死体。

新宿区下落合のアパートの一室で

関東大震災の爪痕が残る帝都東京。

へ山刀を隠し持った中年女性が乱入し、片方の花嫁に向かって「人殺し！」と叫ぶ騒動を引き起こす。

ブルックリンに住む二人の少年ディランとミンガスは、同じストリートに住み、一緒に育った親友だ。

新兵衛長屋界隈で、赤目小籐次を尋ねまわる怪しい輩がいるという。

「館で演じられた殺人劇を、証言者と話せるモニターとPCが設置された監禁部屋で推理せよ。

街のチンピラが京劇場で殺された。

四宮大学で舞衣がMr.キュリーこと沖野と出会って三年。今年も「思い通りの夢」が見られる薬など奇妙な相談が寄せられる。

容姿端麗、頭脳明晰のカリスマ極道・柴崎純也は、飲酒運転で人生を失った元銀行員・後藤喜一をスカウトし、マネーロンダリング専用の投資コンサルティング会社「６０％」を立ち上げる。

パスモ、Nシステム、監視カメラに偵察衛星。

アニメ傷物語２０１２年劇場映画化大決定！かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子。

「まったく、新宿って街は妙なところだ。ばらばらに飛び散ったもんが、いつのまにかまた集まってきちまうのだからな」 巨躯。

蛟堂―江戸時代より続く漢方薬局兼雑貨屋。その陰には、大金と引き換えに依頼人の恨みを晴らす、「報復屋」としての姿があった。

事業が軌道に乗り始めた矢先の矢島の事故死により、すべてを失った啓輔は、あまりに出来過ぎた事故に不審を抱く。

カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。

太陽系の地球からはるかかなた、

殺人犯の息子と被害者の息子、交わらぬ二人が相見える時。罪と赦しの物語 自分が認められることなどあってはならない。

政府暗号学校に潜む裏切り者は誰なのか――。 第二次大戦下の英国で暗号解読に挑む女たちがいた。

紫骸城―かつて世界を恐怖で蹂躙した魔女が造り上げた呪詛満ちる地。

東大西洋のアゾレス諸島へ向けて航海中、NUMA(国立海中海洋機関)のカート・オースチンは黒煙を上げる貨物船を発見。

曰くつきの古道具が揃う皆塵堂で働き始めた連助は、幽霊や呪いの話をまったく信じていない。

大学構内で発生した連続殺人。被害者はみな男性で、腹を切り裂かれて殺されていた。

本を取るとひらく本棚や、レバーを引くと現れる秘密の部屋――そんな仕掛けを得意とする〈秘密の階段建築社〉。

なぎさママの店に押し入った強盗に、晶が投げつけたバッグには、四十三万円ことまりんが入っていた!?そのまままりんは強盗たちに連れ去られ、晶はホストたちと共に事件解明に乗り出すことに。

名探偵エルキュール・ポワロは実在し、名作『オリエント急行の殺人』事件は、それが書かれる前年の1933年、南インドで実際に起こった事件だった!45年後の1978年、作家・高田晨一はインド政府の招待旅行で、老人のポワロと出会う。

二〇〇一年四月、竹田佳子・聡子の美人姉妹が弥生原公彦宅を訪れた。