十津川警部 呉・広島ダブル殺人事件
- 十津川警部シリーズ (466)
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そして読み終わった後には…「西村先生は本当に、この終わりに到着したかったのか?いや、そうだとしても、このルートをたどって到着したかったのか?」という疑問が残る。 物語が、そこまで走ってきたルートから突然方向転換する。「脱線レベルの急カーブを無理やり曲がった」みたいな感覚に陥ったのは、なぜか突然「山形」に話が飛ばされた瞬間でした。この違和感はものすごい。別の言い方をすれば、 「仕入れてきた食材を途中で放り出して、なぜか別の所から食材を持ってきて突然別の料理を作り始めた」 という感じです。 つまり「山形」に話が持って行かれたことで、呉と広島が放りっぱなしになってしまう。そして、呉の大正旅館も、そこで会っていた三人の男女の愛と友情と裏切りも、しばらくどこかへ飛んでしまう。 それは正確には、二人の男性が親友同士で、二人とも一人の女性を愛してしまったという三角関係です。そして一方の男性が原爆で死んでしまい、残されたのは死んだ彼を裏切っていた親友と女性…しかし戦争が終わった直後、原爆で死んだ男性の妹が、兄を裏切った親友と出会い、しかもその親友を愛してしまい、今度は女性二人と男性一人の三角関係になる。 この複雑な構図を、とことん突き詰めて行ったら物語はどういう終着点にたどり着いていたのか? でもそれは実現しなかった。物語はなぜか山形へ飛ばされ、あの男女三人がいた大正旅館は忘れ去られ、何よりも事件が終わりを迎える場所が、呉でも広島でもなくなってしまう。 「呉・広島ダブル殺人事件」だったはずなのに。なんでこうなった? でも今さら、読まなかったことにして捨てるには、惜しい魅力があるのです。終戦直後の闇市を「特攻くずれ」として生きる、あの「親友を裏切った男」の姿…この男をもっと突き詰めて描いて欲しかった、と思いながら、その姿を描いた文章を何度も読み返してしまう。 悔しいから、こうなったらもう自分で勝手に考える。自分が読みたかった続きを自分で考えます。 これ、読者の権利だと思うので。 | ||||
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最初に単行本になった時点から、この作品には問題があると指摘されています。主人公である市橋大樹の「出生」にかかわる謎が物語の核心なのに、矛盾する二つの説明が出て来るので、読者の頭が混乱する。 私も、単行本を読んでいて混乱し…これはもしかすると「書いている途中で無理やり方向転換した」ということではないかと思いました。それで「当初の設定」がひっくり返され、後から修正したものの収拾し切れなくて、矛盾が残ってしまったのではないかと。 これが「書き下ろし」だったら、こんな「事故」は起きなかったはずだと思うのですが、雑誌連載だった。 そして、連載途中で何か「問題」が起きたのではないか…私はどうしても、そんな想像をしてしまいます。 この作品と前後して書かれた他のいくつかの作品と比較してみても、こんな「無責任」といえるほどの混乱を見せている作品は、少なくとも私は見つけることができませんでした。だから、この「呉・広島ダブル殺人事件」は、何かのアクシデントの結果、西村京太郎先生自身にとっても「不本意な出来」になったのではないか、などと考えてしまうのです。 実際、自分が一度世に送り出した作品を「諸事情あって思い通りにできなかった」と言い出して後でやり直す人はいくらでもいます。西村先生も、それをやってくださるのではないかと私は少しだけ期待しました。だから、文庫本を買い直しました。でも、この作品の「本質的な問題」は、変わっていなかった。 逆に、単行本を処分するのはやめようと思いました。 単行本の途中までの内容が、中途半端に直された文庫版より「味」はあるのです。そして「途中」というのは、物語がなぜか「山形」に飛んでしまう前のところまでなのですが。 ここで強引に「ポイント切り換え」が行われた、でもこの切り換え点の先に「もうひとつのストーリー」が「廃線」のように伸びている気がする…そんなことを妄想するくらいは、読者の正当な権利じゃないか?と私は思います。 と、ここまで読者の感想文を読んで、それでもこの作品を読んでみたい人はどうぞ。何事も経験です。 | ||||
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最近のシリーズは第二次世界大戦に題材を求めたものが多い | ||||
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86頁にでてくるお祖母さん「節子」の話しは、全体の話しと矛盾しているのではないでしょうか。基本的な人物設定でミスをおかしているのではないでしょうか。作者もそうですが編集者の責任も重いと考えます。 | ||||
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