悪貨
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
悪貨の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
オウム真理教集団がサリンなどを使わずに贋札の製造・流通に手を出していたなら…そんな“if”を想起させる一作。悪貨が良貨を駆逐するのは“貨幣”の世界に限らず、日銀“異次元の金融緩和”も同じこと。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に面白い!中国が舞台になる場面も、良く研究されていると思います。ある意味で真実❗登場人物がフィクションと言う感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
偽札の製造をすることで起こる問題から、現代の金融システムの脆さを警告するストーリー。 またストーリーの中に、日中関係や日米関係までもが綿密に組み込まれている。 未来予告かな?と思わせるほどのリアルなエピソードはスリルを感じられてとても面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
制作クレジットを見てたら「原作 島田雅彦」ってあるんで、「え?」と思ったわけです。 で、餅は餅屋で、こういうガジェットの小説はやはり、楡周平さんとか真山仁さん、池井戸潤さん、おおまけにオマケして、せめて辻村深月さんあたりにお任せされた方がよろしいんじゃないかと。っていうか、私、島田雅彦氏の作品はデビュー作以来ついぞ触れたことなかったのですが、いつのまに純文学作家からサスペンス作家に転身されていたのでしょう。やはり、純文学ではメシは食えない?その恨みつらみから書かれた小説でしょうか。だとしても、あるいはであればこそ、やはり、島田雅彦氏には日本の伝統芸でも有る、昭和の左の薫りのする私小説、純文学を書き続けていって欲しいと思うものです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
島田雅彦氏の作品を読んだのは今回が初めて。きっかけは書店でたまたま目に留まったから。背表紙にある“カネの根本の価値を覆そうとする男の運命の向かう先とは!?”という言葉と、ひとつひとつがエッセーのタイトルの様に魅力的な44項目の目次に惹かれ購入を決意した。本書が発行されたのは2013年9月、東日本大震災からの復興と、一年前の安倍政権の誕生、アベノミクス支持の世論に向けて自称『サヨク』の思想を持った著者がダメだしを連発する...そんなショウモナイ展開だと嫌だなぁと若干の危惧もありながらの読書開始。そのファーストインプレッションは良い意味で裏切られた。 本書を手にした2015年、社会では『地方創生』なる言葉がもてはやされ、どの地域も必死で地方を創生しようとアイデアを捻り出す努力を惜しまない。そのアイデアの中には、きっと『彼岸コミューン』的なものもたくさんあるだろうなと感じ、出版から2年経った今、時代背景的との程よい合致により物語に入り込むことが出来た。世の中から貧困を無くす。そのためのきっかけとして農業からコミュニティを発展させる。その純然たる弱者救済の思想が、一人の異端児と共に歯車を狂わせていくストーリーと、そのコミュニティを外国の資本、それも悪意に満ちた資本が着実に忍び寄っている臨場感は、読むてを止められなくなるほどのリアリティを帯びていた。と、確かに面白く読めたのだが評価は★3つ。なぜか。 それはマネー規模への違和感。物語では500億円の偽札が日本中を混乱に陥れる様が描かれている。混乱時の具体的な描写があるわけでは無いがそこは問題ではない。問題は500億円というマネー規模だ。ちなみに、政府が2014年度補正予算に盛り込んだ地方創生交付金の総額は4200億円。例えそんなことを知らなくても、500億円を国民人口で分配すれば、一人当たり約415円...一人当たり415円のお金が空から降ってきたとしてハイパーインフレになってしまってしまう様な国の混乱なんぞ物語としてなにも面白くない。「ちがう!原因は偽造通貨流通に伴う信用崩壊だ!」と反論者が現れそうだが、そんなパニックは本書の何処かに描かれていただろうか。記憶に残っていない。ともあれ、登場する印刷職人の存在意義を守るため、何千億円も自動で刷れる機械を導入する展開を拒否したのだろうが、その結果“危機を煽るにはちょっと...”的な設定になってしまったことが大きな興醒めポイントとなってしまった。 貨幣とは何か、貨幣に代わるものとは何か、そもそも貨幣とは代用品であり、代用品の代用品が登場したとしても結果的にそれは貨幣以上の何かを生みことにはならないのではないか。著者が描く『悪貨』の論点は、現在の貨幣に対してだけでも、その後を狙う後続の“貨幣のようなもの”だけでもなく、その両方であろうことは伝わって来た。作品として、悪貨たるものの推移事態を面白くも感じられた。ただし、読了後の天邪鬼な僕の感想は、「現代の資本経済、貨幣経済を否定するストーリーを描きたかった人が、廻り回って結果的に肯定しちゃってる小説」となってしまった。結局、今の経済から抜け出す手段はないってことなのか。これはあれだ、著者本人の価値観をもっと良く理解した上で読まねばならぬ書籍だ。 残念ながら、読者はそこまで親切ではない。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 22件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|