アフガニスタン帰りの男クウェンティンは誰にも告げず姿を消す。

『龍の耳を君に』の事件を経て、みゆきと再婚した荒井。

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。

通勤途中のホームで僕は、高校の同級生の姿を目撃する。あの十八歳の時の姿の彼女を――。

ダイバースーツを着て浴室で死んでいた男。裁判で証人の抱える孤独に同情してしまった参審員。

「おまえの愛しいその子を奪ってやる」脱獄した女妖がそう告げて姿を消して以来、弥助は養い親である千弥の過保護ぶりに息が詰まりそうだった。

ある時は珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、ある時は新薬実験モニター、そしてある時は戦隊ショーの怪人役――いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる名探偵、猫丸先輩が遭遇した五つの事件。

ポイズンヴィルは鉱山会社社長の大物が労働争議対策として集めたギャングたちによって、支配され汚濁に満ちた市(まち)になっていた。

「継母が父を殺した」再婚してわずか二年。父の死後、遺産とビジネスを継ぎ活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃はそう確信した。

月刊EYESの小高直海の同級生という女性から、2年前の女子高校生殺害事件の調査を請け負った刑事事件専門のフリーライター・柚木草平。

異星人との遭遇は人類を結束させるどころか、激烈な不信と分断をもたらしてしまっていた。

全世界で一億人の犠牲者を出しつつ、人類が辛うじて滅亡を免れてから9年。

水晶玉占いの授業中突然気を失った綾乃。心配する雪之丞だったが、その後異常はなく、生徒会主催の夏至祭も大成功に終わった。

私立探偵エルヴィス・コールは、最近妙に金回りがいい息子タイソンのことを調査して欲しいという、母親からの依頼を受ける。

愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、一九六〇年の初版以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル! 最終巻となる本巻にはアリンガム「ボーダーライン事件」をはじめ、ベントリー「好打」、コリアー「クリスマスに帰る」、アイリッシュ「爪」

大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。

鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。

ひとり島に住む元医師フレドリック。ある日彼のもとに、四十年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。

緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。

帝国オロンドリアを二分した大乱。

その惑星では、かつて人間を滅ぼした異形の殺戮生物たちが、縄張りのような国を築いて暮らしていた。

本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。

邪険な扱いしかしなかった亡き妻に謝罪したい――一代で財を成した傑物、方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのはなんと霊媒師。

長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。死んだのは、15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。

シアトル近郊のレブンワースは、ドイツのバイエルン地方に似た風景が広がる、ビールで有名な小さな町。

1980年のバルセロナ。

出発から十億年以上、もはや故郷の存続も定かでないまま任務を続けるワームホール構築船と、直径2億kmの巨大宇宙生命体との皮肉な邂逅を描くヒューゴー賞受賞作「島」、かの有名な物語が驚愕の一人称で語り直される「遊星からの物体Xの回想」、意識を与えられた軍用ドロー

学生時代の同級生が助けを求める夢を見た――。大学を中退して、突如としてぼくの前から去っていた彼女。

劇場の最前列に座っていた男は、暗闇のなかで喉を掻き切られて死んでいた。

ここはウサギ穴に落ちたり、鏡をくぐり抜けたりして異世界へ行き、帰ってきたものの、現実世界に適応できない子供たちに救いの手をさしのべる学校。

16歳のぼくを置いて母は逝った。

チャールズは切羽詰まっていた。父から受け継いだ会社は不況のあおりで左前、恋しいユナは落ちぶれた男など相手にしてくれない。

真面目さが取り柄の会社員・渡会透子は、ひょんなことから名探偵・九条清春の秘書になる。

「トム」、夜中にかかってきた一本の電話、それは二十二年前に死んだはずの息子からのものだった。

あと二日で、四人死ぬ―― ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾! その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。

忘却城に眠る死者を呼び覚まし、蘇らせる術で発展した亀琲王国。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、一九六〇年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル！　第四巻にはコッブ「信・望・愛」、ノックス「密室の行者」、バーク「オッターモール氏の手」、ハメット「スペードという男」、ダンセイニ「

「だいたいお前さん達は想像力ってもんが足りなさすぎるよ、新聞や雑誌にひょいひょい乗せられて、やれ空飛ぶ人だ空中散歩者だってはしゃいでるんだから――もう少し頭使って自分の考えで物を云いなさいよ」そう言い放ったこの、仔猫みたいなまん丸い目をした童顔の小男こそ、

第二次大戦中ローレルの母はロンドンのある屋敷のメイドで、向かいに住む美しい作家夫人に憧れていた。

翻訳ミステリー大賞・読者賞ダブル受賞 少女ローレルは庭のツリーハウスから、見知らぬ男が現われ母ドロシーに「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と話しかけるのを見た。

BIS(美心国際学園)ビブリオバトル部は、ライバル校のミステリ研究会と交流試合を行うことになった。

「おれは首都圏連続殺人事件の真犯人だ」。大手新聞社の社会部記者の許に届いた一通の手紙。

神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。

1966年の初登場以来、40年以上にわたり「価値のないもの、誰も盗もうとは思わないもの」を盗み続けてきた怪盗ニック・ヴェルヴェット。

神戸静河は学芸員志望だったものの、唯一入り込めたのはイチビこと、地元の市立美術館の警備員のみ。

「あと七日」意識をとりもどしたとき、耳もとで言葉が聞こえた。わたしはトリス、池に落ちて記憶を失ったらしい。

「未解決の謎か」ある秋の宵、ミス・マープルの家に集った客が口にした言葉がきっかけで、<火曜の夜クラブ>が結成された。

文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持ち、写真家として大成功をおさめたゼバスティアン。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル! 第3巻にはフィルポッツ「三死人」、クリスティ「夜鶯荘」、ワイルド「堕天使の冒険」、ユーステス「茶の葉」、ウイン「キプロスの蜂」、ロバーツ「イギリス

明治18年。

大学生のジョーは、授業で身の回りの誰かの伝記を書くことになった。

旅先で訪れた図書館で、世界中の無名の死者の生涯だけを記録した書物に出会い、父親の項を読みふけるという表題作をはじめ、音楽的手法、絵画的手法、映画的手法と、自在に変化するスタイルで描かれた死と愛をテーマとする、幻想的で美しい、しかも皮肉な味わいをもそなえた九

あの日は絶好のピクニック日和だった。アップルヤード学院の生徒たちは、馬車でハンギングロックの麓に向けて出発した。

ジャクリーンとジリアンは双子の姉妹。

大胆な仕掛けと巧みに巡らされた伏線、叙情あふれる筆致を融合させて、ふたつとない作家性を確立した名匠・連城三紀彦。

〈黒後家蜘蛛の会〉での謎解きの宵は、名給仕にして名探偵であるヘンリーのもてなしさながら、読む者に心地よいひと時をもたらす。

ジャクリーンとジリアンは双子の姉妹。

怪人物モリアーティとモラン大佐、犯罪商会の面々の暗躍は留まるところを知らない。

二〇世紀前半にロンドンの大銀行の貸し金庫に預けられた謎の回想録。

この結社の会員となるための絶対的な条件は、生計を立てる商売が「まったく新しい商売」であることだ。

アルプス山麓の大学町で発見された惨殺死体。解決にパリ警察から派遣された敏腕だが荒技で知られる刑事。

慶応三年、新政府と尊皇攘夷派の対立に揺れる幕末の京都で、若き尾張藩士・鹿野師光は一人の男と邂逅する。

9.11テロで妹を失ったことをきっかけにして、空港保安警備の道に進んだケネディ。

星のふる晩、青年刑事ショーンは川に身を投げようとしている娘を救った。事情を尋ねると、彼女は悲嘆にくれた理由を語る。

田宮宴は中堅出版社「プラタナス書房」の女性編集者。新人ではないものの、編集長や他の編集者の代理でお使いを頼まれる日々。

優等生だがほかに取り立てて特徴のない男子高校生・開沢恭平は、日曜日に幼なじみの青柳菜加に呼びつけられ、一方的に相談された。

実験的にはじめた稀覯本のオンラインショップや、新設したコーヒー・バーなどが順調で、それなりに繁盛しているニューヨークの書店。

人気俳優マークはある日、義理の息子の劇作家ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。

オーウェンと晴れて婚約したケイティに、魔法界のマフィアのような謎の組織が接触してきた。

逆光を浴びながら登場したボーカルは、突如叫び声をあげ倒れた。彼は刺殺されていた。

マイン川で少女の死体が発見された。年齢は14歳から16歳、長期にわたって虐待された痕があり、死因は溺死だと判明する。

そこは奇妙な学校だった。入学してくるのは、異世界へ行った、不思議の国のアリスのような少年少女ばかり。

放課後のベイビュー高校で、5人の生徒がルール違反の罰で理科室に招集された。

北町奉行所に勤める戸田惣左衛門は、若き日より「八丁堀の鷹」とも称されるやり手の同心である。

1183年。寂れた京都に留まった、平家一門の唯一の離脱者・平頼盛の元に、ある日依頼が来る。

まずは美食と談論、そして推理合戦。

虚空を突き進む恒星間移民船内で起こった惨劇。

クローンの体で蘇った6人が最初に目にしたのは、自分たちの他殺体だった――2500人分の冷凍睡眠者と人格データを載せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。

謎と出合うたび、少年少女はすこしだけ大人になる。

石元陽菜は愛らしい笑顔で人気の女子大生だが、その本性は、男をいいように操って己の利益をはかろうとする、極めて自己中心的なものだった。

これは、もうすぐ21世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子どもたちの闘いの物語です。

1942年、イギリスの特別作戦執行部の工作員であるわたし、マギー・ホープは、戦局の行方を左右する重大な情報を持っているはずの工作員を救うため、ドイツ占領下のパリに潜入した。

名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読み進めた編集者のわたしは激怒する。

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。

ペンリック１９歳、婚約者を迎えに行く途中、病で倒れている老女の最後を看取ったのが、すべての始まりだった。

姉への依存症を克服した中葉悠介は、名探偵・蜜柑花子と親交を深め刑事になる夢の実現に邁進していた。

AIの独立に揺れるラドチ圏から、遠く離れた星系国家。

人骨騒ぎにケリをつけ、当初の計画どおり静かに暮らそうとした秘密工作員フォーチュンの決意を、一本の電話が打ち砕く。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。

九月の朝、風ヶ丘図書館の開架エリアで死体が発見された。被害者は常連利用者の男子大学生。

ガラス製造社の研究員セシリアは、新規の事業取引先として、不動産王ヒューに関わることになる。

半七、銭形平次、顎十郎らが追う謎が鮮やかに収斂する「黎明篇」。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

時は明治。銀座は南紺屋町に「静修館」という古いけれど居心地の良い下宿屋がある。

1944年9月。

帰宅部員の面々には何かと相談の声がかかる。

昭和12年(1937年)、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家への夢へ邁進している那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。

昭和12年(1937年)、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家への夢へ邁進している那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。