時は文政年間。江戸文化の爛熟期である。

奥深い山峡を縫って走るSL列車で有名な大井川鉄道。

深川六間堀、金兵衛長屋に住む坂崎磐音は、相も変わらぬ浪々の日々を送っていた。

奈々子がアルバイトしている喫茶店「南十字星」に、美貴という女性が訪れた。新婚旅行先のドイツで夫が失踪したという。

核物質輸送列車が忽然と姿を消し、大都会中枢部が切り取られる―。

東京で発生した出版社編集部長射殺事件と加賀百万石の城下町・金沢での交通事故死。

優しい夫に白い猫―満ち足りた生活は、夫の溺死によりピリオドが打たれる。

1941年12月、日本海軍がハワイ真珠湾を奇襲し、太平洋戦争の口火は切られた。

「恋しくて恋しくて、その分憎くて憎くて、誰かを殺さなければとてもこの気持ち、収まらないと思った」―切なすぎる結末が、最高の感動をよぶ物語。

長野の温泉旅館で、資産家女性の死体が発見された。自殺に偽装した殺人だとして夫が逮捕され、裁判がはじまる。

深川六間堀、金兵衛長屋に住む坂崎磐音は、相も変わらぬ浪々の日々を送っていた。

衣子以外の女生と、"銀河鉄道X号"に乗車した恋人・吾一。発車時刻にその現場を目撃してしまった衣子。

「お前んとこの牛乳飲んだせがれが腹いたぁなって病院担ぎ込まれたんや!わかっとんか!」雲印乳業西日本支社のお客様相談センターにかかってきた一本の電話。

レンタルビデオテープにひったくり事件の映像が録画されていた。

過保護な両親から逃れるため家出を繰り返す亮司に、謎の男・サーシャはこう囁いた。「革命を起こさないか、この国に」と―。

尊属殺人の嫌疑をかけられながら、児童福祉法の厚い壁に守られ裁かれなかった少年、幸田将之。当時12歳。

初春の陽光を水面に映す深川六間堀。

山間の村に単身赴任していた柳沢は、8年ぶりに東京の我が家へ帰ることになった。

冷凍庫のなかの子供の屍体を見つめる初老の男。

若き狂言作者が帥匠の鶴屋南北から聞いた、誘拐殺人事件の恐るべき顛末とは!?選考委員に絶賛された第22回小説推理新人賞受賞作の表題作ほか、幕末から明治を舞台に「藁屋の怪」「虫酸」「血みどろ絵」など奈落の闇よりも深い“人間の業”を細密に描いた五つの物語の幕が、

徐福伝説に興味を持った橋田久子は、白血病と闘いながら研究を続け『もう一つの邪馬台国』という著作を手がけていた。

保険金殺人事件の被告となった美女・森崎美緒の有罪に、絶対の自信をもって臨む敏腕女検事・茂木田鶴子。

早瀬里佳子の娘・藍子が家出をした。里佳子は娘を探すうち偶然に自分が若い頃熱烈なファンだった歌手の畑野峰夫と再会。

念力で人を殺したら罪になるんですか!?人気超能力者・田代貢はテレビ番組収録後に殺人を宣言した。

かつての同級生の両親に、7人の男女が呼び集められた。彼らは漆黒の闇の中に閉じこめられる。

アパートの一室で若い女性の絞殺死体が発見された。一方、新興宗教の元本部跡にも同様の手口で殺害された女性の死体が…。

別荘で幼い弟と留守番していた中学生のしのぶは、夜中に侵入した人間を誤って殺してしまった。

アジアの西の果て、白い荒野に立つ矩形の建物。いったん中に入ると、戻ってこない人間が数多くいると伝えられている。

自殺の名所、青木ヶ原樹海。西湖のほとりに在る巴屋旅館は死を前にした人々が多く訪れる。

夏を彩る大川の川開きを間近に控えた頃、深川六間堀の金兵衛長屋に住む素浪人、坂崎磐音は日頃から世話になっている両替商・今津屋から花火見物の納涼船の護衛を頼まれる。

夫殺しの罪で起訴された弓丘奈緒子は、事実関係を全面的に認めた。だが、弁護人の原島は無実を頑強に主張する。

輪島市出身のフリーライターの笙野更紗は、友人・百瀬道代から呼び出され、東京・新大久保にある道代のマンションを訪れた。

南米左翼革命運動の闘士、鍛治志朗が麻薬密売組織から強奪した2000万ドルの隠し場所こそ、エリゾンド家の涸れた油田だった。

ベネズエラの名門エリゾンド家が所有する涸れた油田地帯から希土類と呼ばれる超伝導物質が発見された。

信長が本能寺で死んだのは、真実だったのか!?「本能寺の変」より三十年余、山寺に集められた六人の男女によって語られる六夜物語。

裕司と幸司、幸司と裕司。裕司は幸司を殴る。

東北出身のホステスが、渋谷のモーテルで、農薬が混入されたジュースを飲んで死亡した。

「次の月曜日に、Aを爆破する K」謎に満ちた予告状が警視庁に送りつけられた直後、予告どおり空港で爆破事件が起きた。

秋の気配を漂わす西海道を急ぐ直心影流の達人、坂崎磐音。

作家の高橋哲哉とその妻・佐知子は友人が所有していた屋敷を借りて住み始める。

京都にいる恋人の平瀬玻奈子から、除夜の鐘を一緒に撞こうと誘われた宮之原警部は、大晦日、京都へ向かった。

『そろそろ時間切れです。

千曲川の河原で死亡推定時刻がほぼ一致している男女の死体が発見された。

アメリカで超常現象研究チーム『セクションO』が忽然と姿を消し、日本では著名なUFOライターが殺された。

24年ものあいだ音信不通だった父・洋介の謎の「遺産」が絹田信一を忌まわしい宝探しへと誘った。

幸福な結婚生活を送っていた阿川澄江に届いた差出人不明の一通の手紙。

殺人現場に残された銀のロケット。

2025年―。ネットワーク上の仮想都市“ピット”は殺人や強盗が氾濫している無法地帯。

フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。

フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。

ミステリ・マニアが密室で殺された。それは仲間の一人が書こうとしていた探偵小説を先取りしたかのような事件だった…。

十津川警部の最愛の妻・直子が誘拐された。誘拐犯は連続殺人容疑者の釈放要求をつきつけてきた。

「ある女性を守って欲しいのです」三年前に医大を辞めた「僕」に、脳神経学の教授が切り出した、突然の頼み。

水上碧の通う学園の保健室に早乙女俊子が赴任してきた。

久茲里枝の喪服の裏にひそんでいた模様と同じ紫の文字で―紫の傷。二十八年前の罪の傷。

「あいつを殺しに行って来ます―」木下由美子は思いつめた置手紙を残し姿を消した。後を追うように恋人の白井も出奔した。

いまなおアンチ・ミステリーの傑作とされる中井英夫の『虚無への供物』は、最初塔晶夫の名前で発表された。

美人OLの北条佐知子が南軽井沢の別荘で見たものは…。その日を境に彼女を襲う不可解な出来事。

地下鉄の車内で若い男が刺殺された。男は「セコ」という謎の言葉を残して死亡した。

蜜月の幸福感に浸っていた鮎子を残して夫・家形圭介が突然失踪。

離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。

転校してきたばかりなのに、知らぬ間に生徒会長候補にさせられた芝奈々子。

サントスとダイヤが埋められたギター「カディスの赤い星」を追ってスペインに渡った漆田は、ラモスの孫娘フローラの属する反体制過激派集団のフランコ総統暗殺計画に巻き込まれる。

それは来日したギター製作家の相談だった。二十年前に工房を訪ねてきた日本人ギタリストを探してほしいという。

北斎隠密説を追いかけて―義兄の遺稿集の出版話が思わぬ方向にすすみ、津田は戸惑う。

大手銀行の支店長が殺害された一ヵ月後、事件を目撃した女子大生が絞殺死体で発見される。

「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集。

南紀白浜のホテルで男性が転落死、そして新宿のホテルでは女性が服毒死…。

名門篠崎家の八江、詩子、ちづるは明るく伸びやかに育ってきた三姉妹。

高村明日香は兄のように慕う広崎光一の父子二代にわたる不可解な失踪の謎を解こうと、友達と一緒に二人が姿を消した奈良斑鳩に向かった。

作者は作品において顕現する存在のうちにおのれを埋葬しなければならない…。

銑次郎は三十四になる一人働きの盗賊である。それはあくまでも裏の稼業。

警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チーム。

霊岸島北新堀大川端町の裏通りに小さな間口の豆腐屋が一軒。おやじの善助と女房のお孝。

三十歳を目前に控えたタレントの黒木一郎は、いまひとつの自分の人気をなんとかしようと、スター女優との結婚を画策していた。

維康豹一は、××××年、独自の地方自決構想が支持され、大阪府知事の就任した。

森下美登里の婚約者、秋沢俊夫が突然失踪し、俊夫の親友、相川友彦も謎の事故死を遂げた。

憧れの的であった担任教師・佐倉弥生が、番長・後藤龍雄に犯される場面を目撃した少年と級友は、後藤殺害を決意し実行する。

殺されたのは中学三年の貫井直之、息子の同級生だった。作家の近内は、昨晩帰宅しなかった我が子が気になり、学校を訪ねる。

スパイ船の仕事に耐えられなくなり、商船学校の仲間だった成瀬に船長を譲って日本を離れる柏木。

理系の素材を扱う時、重要なのは対象との距離感であるが、テーマを追究する作者の真摯な姿勢は「2000年問題」を広く社会に認識させる力にもなっている。

三河湾・西浦温泉で白昼の惨劇が起きた。旅行者の女性が、突然、宿泊先の板前を殺し、直後に自殺を遂げたのだった。

熊田十兵衛は父を闇討ちした山口小助を追って仇討ちの旅に出た。

表と裏の顔をもつ二人の男がいる。秘密の部屋で花形女子アナウンサーを飼育するゲームクリエーター・宝城哲。

百物語とは、同好の士が集まり、それぞれが持ちよった怪談を披露しあい、百の怪談を話し終わると異変が起きるというものだ。

成屋詩織、十七歳はひと一倍センチで感激屋の女子高生だった。

雲見番番頭の亜智一郎は、日がな一日ぼんやりと空を眺めている。だがそれは仮の姿であり、実際は将軍直属の隠密方であった。

スナック従業員の男性が中野の路上で殺害された。

農家の跡取り息子・結木輝和のもとにネパール人女性が嫁いで来た。そこから彼の人生は転落の一途を辿り始める。

いちばんの快感は、他人の意思、あるいは意志をねじ曲げることである。

この短編集には、ありとあらゆる種類のバクチが登場する。ギャンブラー必読の面白危険本。

「行ってくる。

烈強各国がひしめく1923年の上海。上海に渡り15年の紅真吾は、32回目の誕生日を間近に、貿易公司の倒産を決意した。

T・Hコーディネート社長の氷川呈一は、かつて裏組織の腕利きの掃除人、すなわち殺し屋だった。

『殺意』は、加害者・真垣徹の独白で綴られている。内なる大輪の花に魅せられ、彼は「殺人者」になる。