主婦ら四人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。

維新の騒擾燻る帝都東京の武家屋敷で青年軍人が殺された。

聖創学院大付属高校で一人の少女が自殺した。死んだ彼女の名は雪村月子。

実直と評判の男・新兵衛が奉公先の息子を人質に御堂に立て篭った。

もじゃもじゃ頭にぼんやりした姿、しかし、誰よりも鋭く、心優しく犯人の心に潜む哀しみを解き明かす。

「この家は祈っている。静かに、ひたむきに」―猛吹雪の中、忽然と現われた謎の洋館、その名は霧越邸。

幻のコレクションを巡り、暗躍する古美術商たち。贋作作りの疑いをかけられ、苦境に立つ旗師・陶子。

ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。

兄へのコンプレックス、大学受験、恋愛。進学校に通う下石貴樹にとって、人生の大問題とは、そういうことだった。

政治家一族を襲った誘拐、脅迫事件 死刑制度について職務を逸脱した発言をした元法務大臣・榎木雪夫の孫が誘拐された。

戦後史の闇に葬られた衝撃の真相！ 謎多き誘拐事件に独自のルートから肉薄した平岡は、榎木の過去に疑念を抱くが、その矢先、何者かの襲撃を受ける。

シーズン・オフの日本海海岸。父親の目の前で、十三歳のひとりの少女が忽然と姿を消した。

宇宙暦796年、若くして「国家的英雄」となったヤン・ウェンリーは、司令官としてイゼルローン要塞へ赴任することになった。

西新宿のホテルで元CIAのアメリカ人が殺された。事件の鍵を握る平出組の前岡に迫る鮫島。

殺人事件の被害者が残した「=Y」の文字は果たして何を意味する!?あのクイーンの『Yの悲劇』への愛あるリスペクトに満ちたダイイング・メッセージものの白眉、『イコールYの悲劇』他、ロジカルかつアクロバットな推理が冴えわたる傑作ミステリ全5編を収録。

1835年9月、英国の軍艦ビーグル号がガラパゴス諸島を訪れた。

愛の言葉も未来の約束もいらない。サイゴン川のほとりで、ホテルの部屋で、つかの間溺れた性愛の物語。

日曜日、お父さんがいてお母さんがいて「僕」がいて、お兄ちゃんとお姉ちゃんは恋人がいて―。

「地蔵さまがわしに声を出して笑いかけはったんどす。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

好いた惚れたは八丁堀の顔にひとすじ体に八十八の刀傷。おとこ権佐のこころ意気。

鴉の濡れ羽島で起こった密室殺人事件から二週間。京都、私立鹿鳴館大学。

四年前の約束通り、卒業旅行の相談に集まった四人。

だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?―その亀取二郎は、二年前の犯罪をネタに恐喝されていた。

ミステリ作家浦賀和宏は悩んでいた。次作のテーマは「密室」。

トンデモ精神科医伊良部登場!深夜のプールに忍び込みたいと思ったこと、ありませんか?水泳中毒、ケータイ中毒、持続勃起症…ヘンなビョーキの博覧会。

パリで美術品修復家をしている加納由梨子の母が東京で死に、貸金庫にドイツ語で書かれたリストが遺された。

自宅に盗聴器が仕掛けられ、由梨子はホテルに避難していた。元恋人・由梨子を案じて、塔馬双太郎は、パリへ向かう。

離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。

北海道・小樽を舞台に繰り広げられる猟奇殺人。

「やめろ!そいつと結婚しちゃいかん!」かの名画『卒業』のラストシーンそのままに、恋人がヴァージンロードから花嫁を奪い去る。

ふたりでできたこと、できなかったこと。さよならから始まる恋人たちの物語。

古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいに容赦はない。

かつて売買されたひとつの卵子が、16年後、殺人鬼に成長していた。凄惨な現場に残された「VS」の文字に秘められた謎とは―。

「殺害方法を入力してください」。新登場!リストラ探偵。

医学的には脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。

火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。

「精神ダイバーとは人間の頭脳に潜入し、その秘密を探り出す特殊能力を持つ超戦士である」『蓬莱山の黄金』『鬼道の力』そして空海の秘法『四殺』を手中にした者が日本の覇王となる…。

若さだけが取り柄、さして特技もないのに“何でもやる商会”を始めた4人の男女。

復讐代行屋・幸福企画。幸福な人の人生を破壊することだけが生き甲斐の男たち。

幸せ一杯の結婚式場に突然死体が降ってきた。空には巨大な翼と人間の顔をもつ異形の影が。

西沢書店のおじさんは、平凡な毎日に退屈して、ある日、みんなに笑顔をあたえる怪盗になろうと決心しました。

詩人・イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

パリ警察が誇る名予審判事、シャルル・ベルトラン。

俺―間男は、エロいながらも不安な夢から目を覚ました。そこは人外のモノが跳梁跋扈する絶海の孤島。

海外へ逃亡する人間を匿ってほしい―。空港近くのパーキングに勤めている男は、ある日、上司からアルバイトを持ちかけられた。

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。

作家生活三十五年。全く「賞」と無縁だった竜ヶ崎肇が、日本文豪大賞を受賞。

静岡の寸又峡で「面白い人に会った」という言葉を残しテレビ記者が殺された。

なぜか住人は独身女性ばかりというオンボロアパート、通称「縁切り荘」の住人、呉早智子が婚約した!しかしほどなくして当の相手が転落死してしまう。

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。

ここに亡者がいるんです。見えないかもしれないけれど確かにいるんです。

長い間行方不明だった、ダイの伯父さんが帰ってきた。同時に、ダイの住む町をゆるがす大事件が発生。

あるところにお母さんと、三人兄弟がありました。お母さんは病気が悪くて、山梨がくいたいと言いました…。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

時は一八八八年、大英帝国の首都ロンドン。

独自の言語を設計する言語デザイナーの主人公は、奇妙な偶然から、これまでのものとはまったく構造の異なる言語に遭遇する。

八代将軍徳川吉宗の治下、元八丁堀定町廻り同心の三田村元八郎は世継ぎ家重の危機を救い、その功によって家重警固の任に当たることになった。

道場仲間と酒を飲んだ帰路、古谷勘兵衛は、いきなりすごい遣い手に襲われる。

「いまはまだ…信さんのお荷物になりたくはないんです」義兄庄二郎に告げられた女占い師の見たては、「水雷屯」―万事多事多難とのことだった。

転校してきたばかりなのに、知らぬ間に生徒会長候補にさせられた芝奈々子。

新宿署の刑事・鮫島は新宿で真壁と出会った。かつて殺人傷害事件で鮫島に自首した藤野組組員。

恋に破れ仕事も失った茉莉緒(26歳)は、若手俳優の雨森海と出会い、彼が所属する芸能プロダクションに再就職することになった。

『十角館の殺人』の登場から15年。

現行の裁判制度の矛盾を突く、緊迫の法廷ミステリ!八歳のとき母が父を刺し殺す現場を目撃した作家の曽我。

神の采配か悪魔の悪戯か、希代の殺人鬼と事件ライターを繋ぐ、血塗られた絆とは。

横溝賞優秀賞作家の知的挑戦!昆虫世界でミステリは可能なのか?諧謔と薀蓄に満ちた異色の本格推理。

サントスとダイヤが埋められたギター「カディスの赤い星」を追ってスペインに渡った漆田は、ラモスの孫娘フローラの属する反体制過激派集団のフランコ総統暗殺計画に巻き込まれる。

家族小説の新境地。直木賞受賞後の初の長篇。

初老の勤め人の孤独と寂寥を描く唯一の現代小説『早春』。加えて時代小説の名品二篇と随想四篇。

絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃんは、「天才」の凶行を“証

それは来日したギター製作家の相談だった。二十年前に工房を訪ねてきた日本人ギタリストを探してほしいという。

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の倫子。彼女の父は、武闘派乾組組長・乾十郎だった。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

前代未聞の怪異が村に跋扈する中、閑散とした病院の奥で、連夜密かに地獄絵巻が繰り広げられていた。

逃げ場のない恐怖の底に堕ちた村で、深夜、何者かの影が蠢き始めていた。

長身、美形の水乃サトルは旅行会社課長代理。だが、度を越した多趣味と奇行から社内では変人の烙印を押されている。

まさか自分の娘が!相模署刑事・露木は愕然とした。神奈川県下で相次ぐデート中の男女を襲う強盗強姦事件。

佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警護課に在籍し、SP(セキュリティポリス)として、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。

その日、郁子が小学校から帰ると、お姉ちゃんが死んでいた。そして通夜の晩、死んだはずの姉から告げられたショッキングな事実。

映像という手段を知り尽くし、若者のカリスマとなった邪悪な男。

材木商伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れる、深川芸者のお文。

図書館の本にまつわる三つの約束事。一、図書館にある『持出禁止』の本は、できるだけ読んではいけない。

悪党は地獄を駆けろ! 史上最悪の刑事、禿富鷹秋-通称・禿鷹-は神宮署の放し飼い。信じるものは拳とカネ。

吉敷竹史の元妻・加納通子は、「首なし男」に追われる幻影に悩まされていた。

警視庁捜査一課刑事・吉敷竹史は、夫の冤罪を主張する老婦人に出会う。

警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。

十七年間勤めた警察を辞めた大道寺圭は、最後に手がけた事件で出会った幼なじみの編集者・彦坂夏見の強引な勧めで、本を出版する事になった。

警視庁刑事、愛甲ヨハネは、エリコの遺伝子情報について、彼女に衝撃的な事実を告げる。

22世紀。無国籍都市・大阪。

家を焼かれたお文は芸者をやめ、伊三次の宿に転がり込んだ。

人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。

「尋常でない何かが起こっている」。死者の数は留まるところを知らず、村は恐怖の連鎖に陥っていた。

「コビトワニのグッチ君を見つけだして欲しいんです」ドーベルマンからハリネズミまで、珍ペットなんでもござれの刃狩動物病院に舞い込んだ、これまた珍妙な事件。